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第7話 電脳籠城

 ◇


 逃げた玉里と水糸は街から出て移動していた。恋花が操作しているので二人は彼女がいるところが分かり迷うことなく移動できる。


「水糸!!」

「玉里!!」


 同時に着き、二人は再会を喜んだ。


「ここに恋花がいるのか」


 玉里は着いた場所を見た。外は明るいのに暗く、自分達がいた街のような無人の基地だった。この基地もバカ当主の悪政で滅んだもので基地の機能は死んでいた。


「こんなところでだいじょうぶなのか」


 恋花がいる基地なので簡単に入れるが簡単に陥落しそうな基地なので玉里は不安になった。


「恋花ちゃんはバカじゃないからだいじょうぶだよ。早く入ろう」


 水糸は後輩を信じており、あまり不安がなかった。


「……そうだな。恋花を信じよう」


 友の言葉で玉里の不安はなくなり基地に入ることにし二人は進む。防壁に大きな穴があってもゲートを通って基地の中へ入り恋花の操作で迷うことなく進むことができ彼女がいるところに着いた。


「先輩方!!」


 玉里と水糸を見て恋花は喜んだ。


「恋花!!」

「恋花ちゃん!!」


 恋花は先輩達のように戦闘をしていないので無傷だった。三人は死なずに再会できたことを喜び、涙を浮かべた。


「大変な戦闘でしたね」


 二人を操作しバイオートマトンで戦闘を見ていたので大変だったことは分かっていた。


「ここからは私に任せてください」

「なにをするんだ? それにここは」


 玉里達は周りを見た。電気がないので暗く、壊れた機械しかない場所だった。


「この基地のシステム管理室です」


 街から出た恋花は、この基地を見つけ、システム管理室へいき先輩達を操作してつれてきた。バイオートマトン達は彼女に従って機械を集め積んでいた。


「今から私がこの基地のシステムになります」


 機械が壊れていて基地の機能は死んでおり修理しても動くことはないので彼女は基地をハッキングして動かそうと考えている。そのために機械を集めて即席の接続装置を造らせていた。


「先輩方は休んでいてください」

「そうするよ。私達の分野じゃない」


 玉里達はなにもできないので邪魔をしないようにした。


「それではハッキング開始」


 接続装置ができたのでバイオートマトン達は離れ、恋花は近づき両目をゲーミングカラーにして機械を見た。ハッキングで機械は動き、基地のシステムを開いて入れるようにした。


「あとは体を接続してシステムの中に入る」


 機械のケーブルが動き、彼女の両腕と両脚にからみ持ちあげて運ぶ。両腕と両脚は機械の中に入り土の字に拘束され動けなくなった。そして無数のケーブルが恋花の後ろに刺さっていく。


「うっ!」


 彼女の表情は苦痛で歪み、耐えている姿が艶めかしい。背中や尻だけでなく両手と両足に針が刺さり痛みが増す。


「んん!」


 体の接続が終わり少しいやらしい気持ちになって痛みに慣れ、両目を閉じ眠るように集中しシステムの中へ入る。

 システムの中に入った恋花は全裸で光っており、飛ぶように移動した。基地のデータを見つけ両手と両足をつけて瞬時に処理していく。

 滅んだ基地なのでデータは簡単に手に入り、そのデータを利用し彼女はX字の体勢になって両手と両足から光る鎖を伸ばす。

 システムになった恋花は光る鎖に指示を流し基地を掌握する。基地の機能は回復していき、エネルギーが集まって明るくなり蘇った。


「すごい!!」

「基地が復活したよ!!」


 システム管理室が明るくなって基地が動いているので玉里は驚き、水糸ははしゃいだ。恋花がシステムになったので、この基地は巨大な恋花のようなもので生きている。

 恋花は基地とバイオートマトン達を操作して敵に備えている。


「恋花に任せて私達は体を治そう」

「そうだね」


 二人は医務室へいった。水糸は玉里の破れた腹部をきれいに縫い、口で吹き少し膨らませて確認した。


 ◇


 恋花が準備をしている頃、練治と鮎美、つつじは玉里を捜して移動していた。


「においがあの基地に向かってる」


 練治は敵のにおいを嗅いでおり恋花達がいる基地を見つけた。


「さっき戦闘をした女に知らない二人と変な機械人形どものにおいだ」


 戦闘をした玉里とバイオートマトン、戦闘をしていない水糸と恋花のにおいがあるので敵のことが分かった。


「変だな。あの基地はバカ当主に滅ぼされて使えないはず」


 敵がいても練治は警戒し基地に近づかず元の姿に戻った。


「あんなボロボロの基地、みんながくれば簡単に陥落するわ」


 つつじはいく気がなく、バカにして笑い、だれもいかないので鮎美も動かなかった。ゲートが閉じていても防壁に大きな穴があり入るのは簡単そうで味方がくるのを待つ。

 しかし恋花は敵に気づき基地を操作して無数のキャノン砲を向ける。


「やっ、やばい!! 逃げろ!!」


 キャノン砲に驚き、練治達は逃げる。滅んだ基地なので砲弾はなく、エネルギーを弾にして発射した。

 三人はエネルギー弾が当たらないように走り、届かないところまでいく。命中したら消滅する無数のエネルギー弾は地面をふっとばすだけで練治の早い判断もあり当たらなかった。

 エネルギー弾が届かないところまで逃げたので練治達は安心し砲撃は止まった。


「あの基地があんな攻撃をするなんて」


 自分達ではどうすることもできないので少年は基地を睨んだ。


「敵があの基地にいることを味方に伝えないと!」


 つつじは味方に連絡しようとしている。壊れていても攻撃ができる基地だということを報告しないと不用意に近づいて砲撃をくらってしまう。

 しかし彼女の連絡より早く砲撃に気づいた連合団の大部隊がきてしまった。練治達より遠くにおり基地を警戒して止まり、指示を待っているような感じで砲弾をくらうことはない。


「どこの大部隊か知らないけど、バカじゃないようだ」


 練治が安心していると基地にある壊れた女神像が大部隊の方を向いた。口を開くとエネルギーを集束し悲鳴のような音が響き、強力なピンクの光線を発射した。

 大部隊はよけることができず跡形もなく全滅した。大部隊が消えたので三人は冷や汗を流して驚いていた。

 基地の操作が自由なので恋花は女神像をビーム砲にして光線を発射した。


「ここじゃ光線が届く!! もっと離れないと!!」


 練治は大型犬に変身し三人は走り、基地が見えなくなるまで離れる。光線を発射しなかったので三人は全滅せず逃げることができた。

 練治達の報告で連合団は射程が分からない光線を恐れ、遠くで基地を包囲し陣形を固めた。恋花達は基地しか対抗手段がないので出てくることはない。

 別働隊がピンチになっても籾手屋は助けにいかず安全な場所におり連合団と別働隊は膠着し一時的に戦闘がなくなった。

 恋花は基地になりました。

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