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第28話 古貞の分身

 石榴の出番回。

 ◇


 秀羽が負けて逃げた頃、岡井家の近くに休憩しているフリをして焼きそばパンを食べ、ペットボトルの水を飲んでいる団員服姿の石榴がいた。彼女は古貞の母を守る行動を続けており、哨戒をしながら岡井家を見ていた。

 赤華がいくら泊まってもいいといったので家に泊まって守っていたが泊まるのをやめて外を見張ることにした。野宿だと目立つので近くの宿泊施設に泊まり、哨戒で目立たないように行動していた。


「さすがに、これ以上ここにいるのは無理だな」


 焼きそばパンを食べ終え、ペットボトルの水を飲み干す。管轄ではない場所で高山奇での仕事もあるので、これ以上ここにいるのは難しかった。


「石榴ちゃん」


 私服姿の月夜が声をかけた。


「月夜さん。どうしたのですか?」


 古貞の母親が危ない情報を伝えた人物なので石榴は信頼している。


「赤華さんの命を狙う敵が古貞君の活躍でいなくなったことを伝えにきたのよ」


 彼女は有益な情報を手に入れたので伝えにきた。


「そうですか。オカイコはすごい」


 月夜の情報で古貞の活躍が伝わり、笑みを浮かべた。


「命を狙う敵がいなくなっても変なやつがいるから、ここを離れるのは」


 凪と戦闘をしたアネモウネのことが気になっていた。警戒しても彼女はどこにもおらず岡井家の周りは静かだった。


「だいじょうぶ。悪党の情報の方が早いから赤華さんの命を狙う敵がいなくなったことを知ってアネモウネはここから離れたわ」


 赤華の心配がなくなり、アネモウネはもうここにはいなかった。石榴はいない相手に警戒していた。


「それなら私も高山奇に戻ります」


 古貞が悪党になったことは公になっていないので母親に害はなく本来の管轄に戻る。


「情報ありがとうございます」

「気をつけてね」


 石榴は月夜にお礼をいって高山奇へ向かう。戦闘はしなかったが久しぶりに古貞の家へいって泊まったので昔のような気分を味わった。


 ◇


 高山奇にある石榴の家。高山奇第三基地に近い家で彼女は高山奇第四基地の近くにも家がある。どちらも豪邸ではない普通の一軒家だが褒美でもらった家なのでローンなどの心配がない。

 伊仙奇から戻った石榴は基地に戻らず家へいった。彼女は疲れており家で休憩してから基地に戻ろうと考えている。ひとり暮らしなので、だれもおらず生活するには自分でなんでもやるしかない。

 石榴は自室にしている部屋のドアを開ける。


「ただいま、オカイコ」


 だれもいない自分の部屋に入り、玄関でいわなかったあいさつをした。普通の部屋のようで異様な部屋だった。ベッドの上に古貞に似ている等身大の人形のような抱き枕と小さな古貞のぬいぐるみが無数にある。生きていないのに圧があり怖い。


「団員服の下にオカイコの服はきつくて興奮するな」


 石榴は団員服を脱いでいく。団員服の下に古貞の私服を着てパンツを穿いており、サイズが小さいので体を締めつけるほどきつく恍惚の表情を浮かべている。

 岡井家に泊まった時、古貞の部屋を利用し、この服と下着を見つからないように持っていった。

 それだけでなく彼女は赤華にばれないように古貞の服やパンツを着用して戻し、口につけないように彼の歯ブラシを口の中に入れ、浴槽やベッドに体をこすりつけることをした。

 赤華にばれるかもしれなかったので、とても興奮し欲望を抑えるのが大変だった。


「んふう」


 きつい古貞の服とパンツに自分の汗がしみついているので興奮し体をくねらせている。


「少し休もう」


 彼女はベッドにのり、抱き枕に抱きついて寝転んだ。抱き枕は服を着ていてズボンを穿いていた。この服とズボンは又座書店の古貞の部屋から持ってきた彼の私服だ。


「オカイコ」


 抱き枕を古貞と思い体をこすりつける。そして抱き枕にまたがり腰を前後に揺らし上下に弾んでいる。その後、抱き枕を上にして彼女は下へ移動し古貞が覆いかぶさっているような状態になった。


「本物だったら私の体をプレスしてる」


 等身大の抱き枕はあまり重くなく苦しくないので物足りなく両手と両脚を回して密着した。


「オカイコ」


 それだけでは刺激が足りないので抱き枕の口部分にキスをして舐め、服をしゃぶり唾液で濡らす。


「オカイコに包まれて幸せ」


 両手と両脚をX字に広げ、四個の古貞のぬいぐるみに触れる。右手でぬいぐるみの手をつまみ、左手でぬいぐるみの足を握り、右の裸足でぬいぐるみをこすり、左の裸足の指でぬいぐるみの足を挟み、ぬいぐるみの足をくわえた。

 このぬいぐるみには古貞のタオルやハンカチ、筆記用具などが入っており石榴は全身で古貞を感じている。どれもなくしやすい物なので服よりも簡単に集めることができた。


「んごおああああああ!!」


 彼女は興奮して白目をむき、くわえているぬいぐるみの足を唾液で濡らし、よだれを流している。

 古貞がこの家に遊びにきた時、この抱き枕とぬいぐるみを見られたが石榴は動揺せず人気者になった時に出す商品のサンプルということにしてごまかした。少年はそれを聞いて上機嫌になり許可した。

 鮎美と聖華に見られても彼女達はぬいぐるみをほしがっただけなので何個かあげた。

 古貞がいなくても寂しい石榴は、このような奇行で自分を慰める。休憩した彼女は疲れがなくなり基地へ戻って真面目に仕事をした。

 古貞がいないので古貞の分身で寂しさをうめています。

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