第2話 難攻不落のドラゴン達
ドラゴン団の恐ろしい戦術回。
◇
ドラゴン団が準備を終えて基地から出た頃、古貞達は獣人団の基地から出ていた。前衛は古貞達精鋭で後衛は芽虎率いる獣人団を中心とし各基地の増援で混成された部隊。空には絵亜郎と礼羽、多くの淫魔と鳥人が飛んでいる。
「すげえ数だ! 今までとは違う!」
皆を代表するように古貞は人数の多さに驚いていた。
「獣人団を倒し、ドラゴン団の基地が近くにあるからドラゴン団がくる。この戦力で勝てるかどうか分からない」
緋恋だけでなくドラゴン団の強さを知っている者達は冷や汗をかいており、大部隊とは思えないほど弱気だった。
「ドラゴン団って名前からして強そうだ。そんなにつええのか?」
絵亜郎と礼羽は空にいるので緋恋が古貞達に説明する。
「ドラゴン団は五魔獣団の中では人数は少ないが巨大なドラゴンに変身でき、破壊力と強さがある獣人団以上の強敵だ。今のドラゴン団は放火と器物損壊の犯罪者集団で飛行能力があるから籠城は無意味なので広い場所での陸戦の方がいい」
敵は破壊するのが得意な集団で籠城すれば基地ごと陥落するので自由に動きまわれる陸戦の方が戦いやすく対応しやすい。
「それと今のドラゴン団の団長 後入戸蛇尾はいかがわしい呪術で人々を苦しめ、沼束を滅ぼそうとした危険人物だ」
緋恋の説明で危険な呪術師ということが分かった。
「沼束を滅ぼそうとしたのか?」
「ああ。蛇尾は邪悪な呪術師の家柄でこの世界を滅ぼそうとする思想で周りから迫害され、沼束を滅ぼそうとしていたが逮捕された。幼仲の父親が亡くなった後はドラゴン団の団長に任命された。あんな危険人物まで団長にするなんて正真正銘のバカ当主だ」
ドラゴン団の団長になったことで蛇尾の行動は正当化され、沼束を滅ぼす破壊活動などを行っており、前より人々は苦しみ、住む場所や命を失っていった。
「そういうやつはどこにでもいるよな」
古貞は蛇尾のような悪党がいることを知っていた。沼束や上馬だけでなく他の領地や国にも、この世界を滅ぼそうと活動している悪党はたくさんいる。その悪党達は人間とは思えない恐ろしさなどがあり昔から存在している。
「そんなドラゴン団を倒せば中立の貴族どもも私達の味方になって、もっと数が増える」
ここにいるのはバカ当主を恨んでいる者ばかりでここにはいないが、搾取されている領民はほとんど連合団の味方だ。中立の貴族達は勝者に従うように胡麻見家と連合団の戦闘を傍観している。
「すべてが決まる戦いだな」
勝っても負けても大きく動き、ドラゴン団を倒せばバカ当主の味方は一気にいなくなるだろう。
「ドラゴン団だ!!」
空にいる礼羽達はドラゴン団に気づき、絵亜郎は地上の味方に伝えた。敵がきていることを知って古貞達は構えた。巨大なドラゴン達と飛んでいる飛竜達が見えてきて足音が響き地面を揺らしている。
巨大な敵がゆっくり近づいているので古貞達は恐怖を感じているが、ドラゴン達を見て自分達の目が信じられなくなった。
「なっ!? なんだ!?」
自分達の目が正常だと分かり、古貞達は驚いた。地上にいる赤いドラゴン達の体にレオタード姿の若い女性達がX字に拘束されていた。
逆らったハーレムの女達とハーレムガードで出動の時、ドラゴン達の体に拘束された。
「ぎひい!!」
ドラゴン達が動いて揺れると彼女達は痛がっており背中などの密着している部分から血がにじみでていた。鱗でこすれ皮が破れており、赤いドラゴン達は女達の血で汚れていた。
ドラゴン達の足の裏も血で汚れており、つぶれて原形をとどめていない女性の死体があった。足の裏にも拘束しドラゴンが移動するたび、つぶれて死んでいった。分かりにくいが足の裏に拘束されているのはハーレムガードだ。
「ひでえ」
あまりにも非道なので、さすがの古貞達でも目を覆いたくなった。しかし相手は強敵なので、ちゃんと見る。
「あんた達のせいで私までこんなことに!!」
「なによ!! あんた達がもっとがんばっていれば!!」
罵り合う者、絶望して泣いている者、死ぬ覚悟がある者などがいた。そんな女達を見ていると絵亜郎は顔が青くなり雪達は驚いた。
「し、白美」
女達の中に絵亜郎の女友達がいた。うなじに届くくらいの白いポニーテール、ハーレムガードの赤い団員服の上着と赤いレオタード姿で裸足。平凡で清潔感がある美少女で他の女達と同じようにX字に拘束されていた。
「絵亜郎……」
死ぬ覚悟があまりなく中途半端な表情をしており絵亜郎を見て、かすかに笑った。彼女は救急団の手伝いをしていたので回復能力があり他の女達と違って出血などが少ない。聖華のような強い回復能力ではないので自分だけしか治せなかった。
敵として出てこなかったが最悪な再会だった。そして他にも最悪な再会があった。
「古貞君!! あれって!!」
「なんで!?」
鮎美と古貞はドラゴンの頭部分を見て驚いた。
「そこにつつじがいるんだ!?」
黄色いレオタード姿で裸足のつつじがおり、X字に拘束されていた。髪がシニヨンではない長い銀髪でほどけたような感じだった。
つつじも鱗でこすれ血がにじみでているが痛みを我慢して堂々としている。
「古貞! 鮎美! ごめんなさい……」
二人を見て少女は弱々しい表情を浮かべた。
「こんなことになるなんて!」
こうなったことを思いだし彼女は唇をかみしめる。昨日、蛇尾から古貞が反逆者になったという連絡があった。つつじは信じていなかったが確かめるために護衛をつれ転送装置で慌ててきた。盾森は安定し胡麻見家当主の部下の連絡を無視することもできなかった。
しかし、それは蛇尾の罠で護衛は殺され、彼女は捕まってしまった。世冥は無頼党を支援して、つつじを殺害しようとしていたので今度は幼仲を利用して殺害することにした。
反逆者どものせいにして殺すことができ、彼女が死んだら自分の息がかかった者を盾森へ送ればいい。当主が死に領主が派遣した者なら、だれも文句をいわないので完全に盾森を掌握することができる。
盾森の権力争いを乗り越えた三人はこのような再会になるとは思っていなかった。
「攻撃できるものなら攻撃してみろ!!」
ドラゴン団は笑って挑発している。攻撃すれば肉鎧の女性達に当たるので攻撃できないが口美はピストルを向けた。殺し屋の彼女は合理的で殺すことにためらいがない。
「やめてください、口美さん!!」
赤いレオタード姿の聖華がピストルを下げて妨害した。
「ドラゴンどもを倒さないと私達まで、あそこに仲間入りするかもしれないのよ!!」
口美の方が正しく聖華も分かっていた。
「おれにはこれがある!!」
古貞はつつじが拘束されているドラゴンを狙い、走って跳んだ。
「古貞!!」
跳んできた少年を見て少女は全身からハートマークを出して喜んだ。
「今助けるぞ、つつじ!! 破紋邪!!」
刀を光らせて斬る。古貞を信じており、よけることができない少女は刀をくらった。つつじは斬れず、ドラゴンだけが斬れ、少年は着地した。
「ふう、はああ」
マゾな彼女は敵だけを斬る痛みがない攻撃でも古貞の攻撃なので少し気持ちよく甘ったるいとろけた表情を浮かべた。
非道な肉鎧で連合団は攻撃できない。
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