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美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者  作者: ライトニング
6章 血みどろの潰し合い編
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第21話 速い風

 古貞と能力者になった重月の決着回。

 怒りで我を忘れそうになったが、なんとか冷静になった。


「武器耐性の体でも、お前の格闘攻撃なんてきかないぜ!!」


 重月は五つの拳と一本の刀を構えて向かってくる。武器耐性の体でも前より頑丈なので剣術が強い古貞の格闘攻撃に耐える自信がある。


風足ふうそく!!」


 少年は両脚に風をまとった。アマゾポリスで両脚に炎をまとったように風をまとうこともできる。


「速い!!」


 刀をかわした古貞の速い動きに驚いた。風をまとった両脚は風が推進力になっており、とても軽く少し動いただけでスピードが出るようになっていた。炎をまとった両脚は攻撃力の強化で風をまとった両脚は機動力の強化だった。


「くっ!!」


 重月は刀と拳で攻めるが古貞の動きが速すぎて、まったく当たらない。いくらパワーアップしても古貞の速すぎる動きに追いつく目がなかった。攻撃をかわして遠くへ移動し追いかけても、また遠くへ移動するというくり返しで重月は翻弄されていた。


「ぶっとばしてやる!!」


 遠くへ移動した古貞を追うのをやめ、遠距離攻撃を行うが純金の砲弾は出なかった。


「まだ出ない!!」


 砲弾が出ないので近づいて攻撃をする。純金の砲弾攻撃は発射するのに時間がかかり連射が難しい。興奮すると早く発射できるので攻撃しながら宮の胸などを見ており、彼女にはまだ利用価値があった。

 古貞の格闘攻撃を弱いと思っており発射できるまで無意味な攻撃を続ける。しかし、よけてばかりの彼は攻撃を行う。敵のパンチをかわしながら触れ、瞬時に腕を折った。


「おれの腕が!?」


 痛みと折れた腕を見て重月は驚いた。古貞は相手のパンチを出す力を利用し関節技で折った。鮎美とのスパーリングで覚えた格闘攻撃で折れて力がはいらず動かすことができなくなっていた。


「まだ腕は五本ある!!」


 残っている腕で攻撃する。同じようにかわし、あまり力をいれず相手の力を利用して瞬時に二本の腕を折り、使えないようにした。


「古貞のくせに!!」


 腕が三本になり焦って殴りかかる。その拳をかわして持ち、相手の勢いを利用して投げ地面にたたきつけて腕を折った。


「くそう!!」


 古貞の格闘攻撃でやられているのが信じられず怒りに任せて二本の腕で同じ攻撃をする。少年は刀とパンチをかわしながら残っている腕を瞬時に折り、刀は落ちた。

 二本の腕の激痛とともに重月は絶望の表情を浮かべて少年から離れた。速い機動力と速くて相手の力を利用する関節技で六本の腕はつぶれた。重月は古貞にやられたというより自分の力で自滅したようなものだった。


「まだやんのか?」

「ぐっ!」


 すべての腕がまったく使えないので恐怖を感じているが重月はあきらめておらず笑った。


「よし、撃てる! くらえ!!」


 撃てるようになったのでふんばり、股間から純金の砲弾を発射した。砲弾は途中で無数の小さな純金の玉になって散った。

 しかし今の古貞は速く、不規則に飛ぶ玉をすべて見てかわしており、まったく当たらない。


「この攻撃もかわすなんて!!」


 無傷でかわした少年を見て重月は驚いている。


「もう終わりみてえだな、重月」

「ぬう!」


 古貞がゆっくり進むと重月はゆっくり下がる。敗北の屈辱はもうたくさんなので知恵を絞る。あと一発くらいしか発射できず絶対かわし、武器耐性の体に有効な格闘攻撃をする相手なのでバカでも勝てないことは分かる。

 その時、重月は宮を見て、いいことを思いつき悪い笑みを浮かべ急いで彼女に近づく。


「古貞!! 動くな!! 動くと、こいつを殺すぞ!!」


 彼が思いついたことは宮を人質にして古貞の動きを封じることだった。


「うっ!」


 変なのが、そばにいるので宮は嫌な顔をして睨んだ。


「腕なしでどうやって殺すんだよ?」

「脚があるから蹴り殺すことができる。それにこれがある」


 腕が使えなくても脚があり重月は口から長い舌を出した。舌も純金で先端が鋭く刃物のようだった。強食ビーフのタンを食べて強くなったので、とても長く強靭で古貞は無理でも宮を刺し殺すことはできる。


「いろいろきたねえな」


 自由に動く凶器のような舌を見て古貞は両脚の風を消さず、その場から動かなくなった。


「動いたら、この舌で刺し殺してやる」


 重月は長い舌で宮の頬を粘っこく舐める。


「ぎもちわるい!!」


 生温かく肌が切れそうな感触で彼女は顔をしかめた。


「それにしてもキモデブだったお前にこんないい女の仲間ができるなんてむかつくぜ。へへへ」


 好色な笑みを浮かべ、長い舌を巻きつけ彼女の股間のビキニを切って舐める。


「んんっ!」


 性に耐性がある宮でも羞恥を感じ、おぞましさで鳥肌がたった。落ちぶれて女に触れることがなかった重月は興奮し味を楽しんでいる。


「まあ古貞を殺せば、おれにもこんないい女ができるだろう。返り咲いたら秀羽達を半殺しにして稲子をてごめにしてやる」


 元々ひどいやつが落ちぶれて心が歪み、さらにひどいやつになっていた。古貞に負けたことでこうなったが、すべて自業自得なので同情できない。


「おい、カス野郎。抵抗できない宮ちゃんを責めるだけで、おれには攻撃しねえのか?」


 人質がいても古貞は余裕だった。


「今、殺してやる!! よけたら、こいつを殺すぞ!!」


 彼の態度で重月は怒り、舌を短くして先端を宮の首に突きつけ、純金の砲弾を発射しようと、よく狙う。人生をおかしくした古貞を殺すことができるので喜びで少し震えている。


「岡井!! あーしのことはいいから、こいつをやっつけて!!」


 自分のせいで古貞が死ぬのは嫌なので犠牲になる覚悟があった。


「黙れ!!」


 余計なことを言ったので舌を伸ばして脅す。もったいないが古貞を殺した後、彼女も殺そうと考えている。


「どうした、重月!! このカス野郎!! 早く撃ってみろよ!!」


 人質がいて攻撃をよけることができないピンチなのに強気で、もう勝負が終わったような感じで敵の攻撃がくるのを待っている。


「あばよ、クソ古貞!! もうお前の顔を見ることはない!!」


 ヤケになってあきらめたと思い、重月は深く考えず股間から純金の砲弾を発射し宮は両目を閉じた。砲弾は途中で無数の小さな玉となって散り、動けない古貞ではよけることができない。

 しかし重月はミスをしていた。人質を利用して古貞の動きを封じたが彼の両脚から風を消す命令をしていなかった。

 そのため速く移動することができ、無数の玉をかわしながら近づく。古貞がよけたので慌てて宮を殺そうとする。すべての玉をかわした少年はもう宮のところにおり重月を突きとばして彼女を守った。


「こさだー!!」


 突きとばされた重月はもうキックしか攻撃がないので脚を動かそうとした。


「えっ!?」


 古貞もキックをし、彼の方が速くて強く重月の脚をつぶした。風をまとった両脚は機動力だけでなくキックのスピードもあがっていた。


「そりゃそりゃそりゃそりゃそりゃそりゃ!!」


 脚の激痛で動揺している重月はどうすることもできず古貞の連続キックをくらう。速い連続キックをかわすのは無理で純金の体はアザだらけになっていく。

 そして両脚にまとっている風で飛ぶように浮き、重月の頭や顔を踏むように連続キックをする。


「まけた……」


 踏まれるたび古貞への殺意が消えていき、心が折れて仰向けに倒れた。風で浮いているので少年はゆっくり地面に着地した。


「すごい……!!」


 古貞の勝利を見て宮は惚れ直していた。重月はアザだらけで顔や頭が歪むほどのダメージを受けたので動くことができなかった。


「その得た能力でおれを倒そうだなんて考えなければ、いいところまでいってたかもしれねえのに。バカだな」


 彼が得た能力には、かなり優秀なものがあり、古貞を倒すことに使わず、うまく使っていれば自分の願いをかなえることができたかもしれない。人生をおかしくした少年を殺すことしか考えていなかった重月は第四基地、アマゾポリス以上の敗北を味わった。


「もうおめえはこの戦いにふさわしくねえ。消えろ」

「ふえええ!!」


 恐怖でいっぱいの重月は情けない声を出して真っ青になった。


「飛んでけー!!」


 風をまとった脚で蹴りとばす。


「ぎゅわあああ!!」


 古貞への怒りや憎しみ、恐怖、激痛などで頭がグチャグチャになり、キックの威力でつぶれながら飛んでいく。


「宮ちゃん。もう安心だ。今、助ける」


 重月が見えなくなったので古貞は笑顔を浮かべて囚われの少女に近づく。


「ありがとう、岡井」

「けっこうかたくて外すのが難しいな」


 かなり頑丈で彼女を助けるのに苦労していた。刀で斬れば簡単だが助けながら彼女に触れることができる。

 ドワーフ団の基地には敵がいないので二人は簡単に戻ることができた。


 重月がパワーアップなら古貞はスピードアップです。

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