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美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者  作者: ライトニング
6章 血みどろの潰し合い編
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第18話 二人の団長

 獣人団との戦闘開始。

 ◇


 義賊生活四日目の朝。獣人団の基地では連合団がいるドワーフ団の基地を攻撃するための準備ができていた。

 肉食動物や草食動物の獣人達が群れのように並んでおり、黒い棺のような箱が四つある。


「百野団長。準備ができました」

「そうか。豚箱を使うから連合団は終わりだな」


 ウサギ小屋で部下の報告を聞き、陸雄は邪悪な笑みを浮かべた。


「おれがいく必要はないな。指揮は適当にだれかがやれ」


 陸雄はいく気がなく部下達に任せようとしている。


「なら、おれが指揮をとる」


 ひとりの獣人が上から現れた。顔がトンビの中年男性で水色の団員服姿、黒いブーツを履いていて獣人というより鳥人だった。背中にトンビの翼があり、ゆっくり下りている。


項空こうくう


 鳥人を見て陸雄は不機嫌になった。


「連合団はこのおれ、獣人団の団長 高鳶項空たかとびこうくうが倒す」


 着地して翼をたたんだ鳥人は自信満々の表情をしていた。

 彼も陸雄と同じ獣人団の団長だが五魔獣団の団長はそれぞれひとりで項空は正規の団長ではない。獣人団は数が多く、陸雄だけでは大変なので、もうひとりの団長でまとめていた。

 しかし項空は自分の配下を作って陸雄に対抗しており派閥争いが起きていた。


「そうなったら、おれが獣人団の正規の団長で、お前は降格だ」


 陸雄より手柄をとって出世しようとしている。先に団長になった陸雄にとっては面白くないことだが止めなかった。


「お前は平団員になるから今のうちに楽しんでおけ」


 項空は笑い、翼を広げて飛んだ。陸雄は項空に襲いかからないように我慢している。部下とバニーガール達は八つ当たりがこないことを祈っていた。

 八つ当たりはなく嫌な相手がいなくなって穏やかな表情になった。


「よろしいのですか、百野団長? このままではやつが獣人団の正規の団長になってしまいますよ」


 陸雄が失脚すれば項空の部下達がのさばるので陸雄の部下は気が気でなかった。


「それはない。戦闘が終わったら、やつを殺して、すべておれの手柄にする」

「なるほど」


 面倒なことを彼にやらせ、手柄を横取りしようと考えており陸雄と部下は悪い笑みを浮かべた。


「油揚げをとるのは、おれだ」


 陸雄は留守番をし、項空の勝利を待つことにした。古貞の母親殺しは報告がないのでどうでもよく、この戦闘に集中している。

 項空とその部下達は飛行能力がある鳥人で基地の上部分に住んでおり、飛んで外へ出た。


「おれが指揮をとる!! 全員出発!!」


 地上にいる団員達は項空の命令に従って動き、連合団がいるドワーフ団の基地へ向かう。飛行能力がある鳥人達は数が少なく、地上の獣人達はかなりの数で四つの箱を運んで進んでいる。


 ◇


 ドワーフ団の基地。古貞達によって迎撃準備と出撃準備ができており、どんな敵にも対応できるようになっている。

 今は出撃せず絵亜郎が味方に敵の説明をする。


「次は獣人団との戦闘になるだろう。やつらは今までの敵とは違う五魔獣団の主力だ。今の獣人団は殺人や傷害の犯罪者集団でゴブリン団と同じくらい数が多く、ゴブリン団より強い」


 今の獣人団は血の気が多く、平気で人を傷つけ殺すやばい連中だった。ゴブリン団と同じくらいの数で白鳴家との戦闘で連合団の数はかなり減り、前ドワーフ団は戦闘が苦手なので戦力が少なかった。


「獣人団は獣のように速く力が強い者ばかりだが恐ろしいのは団長が二人いて私のように飛べる団員達がいることと数を増やせることだ」


 絵亜郎の説明で分からないことがあったが、すぐに分かることになった。


「獣人団がきました!!」


 団員の報告で古貞達は防壁にあがって見た。


「すげえ数だ!!」


 ゴブリン団と同じどころか、それ以上の数で獣人達が大地を覆っており、ドワーフ団の基地に近づいていた。


「よく見ると豚べえだ。獣人団は豚の大群なのか?」


 基地に近づいているのは豚の獣人ばかりだった。豚人類と違い、黄色の団員服姿で黒いブーツを履いたイノブタのような獣人だ。

 獣人団の基地から出発した者達にこの獣人達はいなかった。出発した者達はドワーフ団の基地に近づかず、ある程度の間隔で配置してある四つの箱を守っており箱の中から豚の獣人が出ている。


「箱から豚の獣人が!?」


 増える敵を見て古貞は驚いた。


「あれがただでさえ数が多い獣人団の数を増やすアイテム 豚箱ぶたばこだ」


 絵亜郎が詳しく説明する。


「豚の獣人をいくらでも生みだす箱で今の獣人団になってから出てきたアイテムだ。豚の獣人は実体がある幻のようなものでザコだけど、いくらでも出てくるから体力を消耗してしまう」


 ザコを増やし続け物量で攻めるアイテムだった。豚の獣人はさゆりの別空間に出てきた幻の劣化版で戦闘はできるが頭が悪くて弱い。


「増え続ける豚だけじゃない。空にも敵がいる」


 絵亜郎が空を見たので古貞も見た。空には項空率いる鳥人達がおり基地に近づいている。


「獣人団の空の団長 高鳶項空だ。元々、飛行能力がある殺人犯で空中戦だけなら礼羽さんより上だ」


 今までの団長と違い、なんの理由もなく人を傷つけ簡単に殺す純粋な悪で礼羽に匹敵するほどの強敵だった。


「空と地上にたくさんの敵」


 空と地上の敵を見て古貞は刀を抜いた。豚の獣人達はどんどん増え、基地を包囲していく。項空達も基地の空を包囲し連合団は動揺しつつ動いている。

 迎撃準備ができているので、このまま籠城戦に突入する。


「やれー!!」


 項空の命令で獣人達は攻撃を行う。豚の獣人達は武器を持っていないので数の力でゲートや防壁を押す。つぶれても増えるのでやめずに押していき、防壁が少し歪んでいく。

 鳥人達は空からマシンガンを撃ち、エルフ達は矢を放ち口美はエネルギー弾を連射して対抗する。


「こちらも飛行戦力で勝負だ!!」


 絵亜郎と淫魔達は飛んで項空達を攻撃する。飛行能力が優秀なので苦戦しているが道連れのような攻撃で減らしていく。


「滞空天!!」


 レオタード姿の鮎美は高く跳び、両手を広げて回転し降下しながら鳥人達を切っていく。レオタード姿の聖華は手の平から一本の白い糸を出し鳥人にくっつけて縮める。空中まできた彼女は槍を振って鳥人を倒し、うまく着地をした。

 飛行能力がない者達もなんとか空の敵に対抗している。


「豚箱を壊すんだ!! 豚箱を破壊すれば、その箱から出てきた豚の獣人達は消えて、増えることもない!!」

「よし!! 豚箱を壊しにいくぞ!!」


 絵亜郎の言葉で古貞、緋恋、雪達、宮は防壁から下り、ゲートへ向かう。口美もいこうとしたが鳥人達のせいでいけなかった。外へ出ようとゲートを開けると豚の獣人達は数が多すぎて押し合っており動くことができなかった。

 緋恋と雪達が力任せに剣と槍を振って、けちらしていく。実体がある幻なので、やられた獣人達は消えている。

 邪魔な敵を倒しながら四人は進み、豚箱へ向かう。うまく動けないので豚の獣人達は攻撃できず、やられるだけだった。


「うぴっ!?」


 宮の動きが止まった。四人の豚獣人が彼女を捕まえていた。


「ちょっとはなして!!」


 抵抗しても意味がなく豚獣人達は彼女を持ちあげ、味方をけちらして走る。


「宮ちゃん!!」


 豚箱のことは緋恋と雪達に任せ、古貞は宮をさらった豚獣人達を追う。


「古貞!! 宮!! 雪達!!」


 緋恋と雪達は豚箱へ向かおうとしているが豚獣人達の肉迷路のせいで、うまく進めず分断されてしまった。孤立してしまい、二人は敵を倒しながら進む。


「私が豚箱を破壊する!!」


 飛べる絵亜郎なら地上の敵など関係なく豚箱へ向かうことができる。しかし敵の妨害でいくことができない。


「くっ!!」


 絵亜郎は片方の弓を向けて無数の光の矢を放つ。項空は翼で風を起こし光の矢をすべてふきとばして消した。


「お前達はここで終わりだ!! おれ達に逆らったことを後悔しろ!!」


 項空はなにもできない連合団を見て勝利を確信した。基地の防壁はかなり歪み、豚獣人達は体を積み重ねて防壁を越える台になっていき、このままでは敵が入ってくる。


「ここまでなのか!」


 絵亜郎があきらめかけた時、豚箱のひとつが壊れた。壊れた箱の近くにいた獣人達は動揺し台になっていた豚獣人達は消えた。

 美しい純白の翼を持つ美女が空中におり皆は驚いた。


「礼羽!!」


 皆を代表するように項空が名前を叫んだ。幼仲から離れた白鳴家の元令嬢 礼羽で彼女がキックで豚箱を破壊した。

 礼羽、登場。次回、三つの豚箱を破壊する戦い。

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