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美女能力者のお腹にある別空間で特訓をして強くなった中途半端な能力者  作者: ライトニング
6章 血みどろの潰し合い編
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第8話 灼熱の連戦連勝

 灼熱の空間で汗を流して必死に闘うレオタードの女性が好きです。

 ◇


 その後、鮎美は勝ち続けた。先ほどの男性は三人に勝利してやめた。その理由は敵が強くなっていくからだ。彼の顔にアザがあったように三人目から強い奉無零が出てきた。

 しかもこちらは前の戦闘で体力を消耗しており、万全な相手が次々と出てくるので普通なら辛い。

 三人目に勝利し四人目で少し余裕がなくなり、五人目できつくなってきて、なんとか勝った。休む暇がなく次の対戦相手がリングに入ってきた。六人目は鮎美より体が少し大きく、体が仕上がっていて強そうだった。


「出番だ、宮!!」

「了解!! 誘惑ワーク!!」


 緋恋の指示で宮はいやらしい動きをし、谷間を見せるポーズをとった。鮎美はピンクに光り、無数のハートを放って元気になった。


「始め!!」


 試合が始まり、鮎美と奉無零はぶつかり合う。宮の体力回復能力で万全になり頑丈になった鮎美なら勝てる相手なので攻撃に耐え、殴り続けて気絶させ、戦闘不能にした。


「また勝ちやがった!!」


 六人目が負けたので管理者は怖い顔を睨んでいる。ここまで相手を殺さずに戦闘不能にして勝っている。


「誘惑ワーク!!」


 試合が始まる前に鮎美の疲れを消し、防御をあげる。反則ではないので止めることができず睨むことしかできない。だがダメージは治らないので痛みがある。

 灼熱の空間なので暑く、連戦で鮎美の体は熱くなっており汗がすごい。


「鮎美!! 水だ!!」


 水を飲ませる暇がないので給水所から水が入った木桶をもらい、彼女にかけた。大量の水を浴びたことで汗が流れ、熱い頭と体が冷え、ちょうどよくなった。


「ありがとう、緋恋さん」


 水がしたたる髪を振り、水をとばして乾かす。六人に勝った相手はなかなかいないので運営は少し時間がかかっており、次の対戦相手が出てきた。

 七人目は剣と盾を持ち、ビキニアーマー姿の奉無零だ。


「武器を出してきた」

「反則じゃないからね」


 武装した奉無零が出てきたが緋恋と宮は驚いていない。能力が使えない奉無零は武器を使うことができ、客も武器を使うことができる。


「だが武装したのは悪手だ」


 二人は卑怯とは思わなかった。


「始め!!」


 試合開始と同時に奉無零は斬りかかる。


「無秒速砕!!」


 鮎美はその場から動かず頑丈になった拳の速いパンチで剣を粉のように消滅させた。剣を失った奉無零は驚き、盾で防御するが速いパンチをくらい盾とビキニアーマーは粉々になり、ふっとんだ。


「勝っただと!!」

「鮎美にとって武器などクッキーと同じだ」


 七人目の敗北で管理者は驚き、二人の少女は勝利を喜んでいる。速攻で勝利したのでダメージはなく体力もほとんど消耗しておらず闘うことができる。

 あと三人に勝利すれば試合は終わる。しかし運営は鮎美を勝たせないようにさまざまな小細工を行う。

 出てきた八人目は奉無零ではなく重装備の男性管理者だった。大きなハンマーと大きな盾を持っており、頑丈な鎧で体を守っていた。奉無零を管理し逆らう彼女達を倒すほどの実力者を出してきた。


「今度は男。運営はなんでもありだな」

「運営がルールだからね」


 奉無零ではない男性の管理者を出してきたので二人は呆れた。ここでは運営がルールなのでしょうがない。


「だが同じこと。それに男が相手なら奉無零より簡単に勝てる」


 緋恋達は余裕の表情で笑う。


「始め!!」


 試合開始と同時に二人は動くが鮎美の方が速く、男に接近していた。


「無秒速砕!!」


 速いキックを防ぐことができず睾丸に当たり、全身の鎧が粉のように消滅した。睾丸はやわらかいので粉々にはならなかったが、つぶれて男は気絶し倒れた。黒い団員服姿になり白目をむいて敗北した。

 いくら武装しても防御を無視する攻撃を防ぐことはできず男の弱点を攻撃すれば簡単に倒せる。


「まさかここまでやるとは!!」

「あと二人だ!!」

「もう少しだよ、篠原!!」


 運営は敗北が信じられず緋恋達は勝利を喜び、応援する。速攻で勝利したので鮎美には余裕がある。

 あと二人なので運営はとんでもない九人目を出し、三人を驚かせた。出てきたのは巨大な黒いサソリだった。とても気持ち悪く、身の毛がよだつほどで器用にリングへ入った。


「あんなものまで出してくるとは」

「人ですらない」


 巨大な動物などを出して闘わせることもあるので反則でもなんでもない。


「やめるなら今のうちだぞ? 尾の針に毒がなくても刺されば死ぬぞ」

「いえ、続けます」


 鮎美はやめずに立ち向かう。人間ではない巨大害虫なので、ある意味では楽な相手だ。


「死んでも知らないぞ!! 始め!!」


 よく調教されており、巨大サソリは試合開始と同時に動き少女に襲いかかる。ハサミや針の攻撃をかわし大きな体に密着した。攻撃できるように動くと鮎美もくっついて移動し翻弄する。

 巨大害虫とあまり変わらないので同じように闘うことができる。翻弄しながら連続攻撃で巨大サソリの体にダメージを与えていく。


「滞空天!!」


 鮎美は高くジャンプをし、両手を広げて体を回転させ降下する。巨大サソリは針で攻撃するが彼女はかわして尾をバラバラにした。そして、そのまま突っ込み、巨大サソリを切断していく。

 少女は着地し巨大サソリはバラバラになって死に熱によって燃えて消滅した。


「そんな!! 巨大サソリが!!」

「「やったー!!」」


 ありえない敗北で管理者は目玉が飛びでるほど驚き、緋恋と宮は抱き合って喜んだ。あとひとりに勝てば鮎美の勝利だ。


「うっ!」


 かなり動きまわって体力を消耗したので片膝をつきそうになった。


「誘惑ワーク!!」


 宮の体力回復能力で疲れがなくなり足に力をいれて、ふんばる。このようなことは少なかったので運営は慌てており、最後の対戦相手を出すのに時間がかかっていた。体を休めることができ、ゆっくり水分補給ができる。

 そして、ようやく十人目が出てきた。巨大サソリのような怪物でも男でもない奉無零だ。しかし、その姿を見て鮎美達は絶望の表情を浮かべた。


「聖華さん……」


 リングに入ってきた十人目は槍を持ったレオタード姿の聖華だった。


「みんなを助けることしか考えていなかったから気づかなかった! こうなる可能性があった!」


 宮は後悔していた。聖華も奉無零なので試合に出てくる可能性はあったが捕えたばかりの奉無零を出すとは思わなかった。運営は狙ってやったのではなくヤケになり、同情を誘うような相手を出してきただけで仲間とばれていない。

 闘いにくい相手なので、ここでやめるのが正解だが聖華に勝利すれば売られた女達と彼女を確実に救うことができる。十人に勝利すれば賞品などは選び放題で運営は文句を言わない。

 十人に勝利していないからダメとなったら、またやり直しになってしまう。


「闘っているのは鮎美だ。やめるのも闘うのも彼女が決めること。仲間と闘うことになってしまったから彼女がどんな選択をしても責めたりしない」


 闘っていない緋恋は口を出さず鮎美にすべて任せた。話をすると仲間とばれてしまうので少し動揺している鮎美と冷静な聖華は目で会話をするように向き合っている。管理者に近づかないので試合をやめる気はないようだ。

 しかし仲間を攻撃する覚悟がなく情けない顔をしていた。


「最後の試合、始め!!」


 試合が始まり、動いたのは聖華で槍を振り、仲間を攻撃する。首輪と手枷のせいで能力が使えない彼女は槍の腕と頭で闘うしかない。いつも彼女が使う槍ではない奉無零専用の壊れた槍だが見事に使いこなしている。

 本気で攻撃しているので鮎美は焦りながらかわしていき、槍をつかんだ。本気を出すことができない鮎美に聖華は近づき、耳をかんだ。


「ぎゃあ!!」


 耳がちぎれるような痛みを感じ、槍をはなしてしまった。鮎美はかまれた耳を押さえ、真剣な顔になって聖華を睨む。

 お互い本気を出し、攻撃が分かっているような動きで、かわしながら攻め無傷の戦闘になっている。仲間とは思えない敵同士のような本気の闘いだった。


「無秒速砕!!」


 槍を壊さないように闘っていたが鮎美の速いパンチで槍は粉々になり、速い連続パンチをくらった。体にダメージはなく首輪と両手の手枷を粉のようにして外した。


転送生てんそうせい!!」


 能力が使えるようになり能力を使うが、なにも起きず鮎美のパンチを顔にくらい仰向けに倒れた。今までの奉無零と違い、かすかな動きがなく死んだような顔をしており管理者は少女に近づいた。


「死んでる!?」


 彼女は気絶どころか死んでいた。


「やっちゃったの、篠原!?」

「彼女は当たり前のことをしただけだ。これで試合は終わった」


 宮は驚き、緋恋は冷静で聖華の死体を見た。鮎美のパンチをくらったのに顔にはアザがなく、とてもきれいだった。


「試合終了だ!! おめでとう!! くそが!!」


 管理者は勝利を祝う態度ではなかった。試合が終わっても鮎美は喜ばず聖華を見ていた。


 コロシアマは経験値を稼ぐような闘技場で宮の体力回復能力のローテーションでいくらでも闘える。死んでしまった聖華はどうなるのか?

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