第2話 変態の襲撃
石榴の活躍回。ブルマ男に劣らないほどの敵の襲撃。
◇
沼束が大きく動いている頃、高山奇第三基地はザコの巨大害虫を退治するぐらいで平和だった。
「オカイコ達、どうしてるだろ」
基地の庭にいる石榴は三人のことを考えて空を見ていた。聖華が裏切った報告はなく彼女はなにも知らない。
「あっ、細川指揮官だ」
歩いている細川指揮官を見た。コンビニにいっていたので荷物を持っている。家に帰らず基地に住んでいるのでコンビニやスーパーに頼った生活を送っていた。貴族ではない庶民の指揮官なので、だれかに買いにいかせる度胸や権力などなく自分で買いにいくしかなかった。
団員達は指揮官にあいさつをせずに避けており嫌われているのがよく分かる。基地を捨てて逃げた嫌なやつなので石榴も嫌っており同情しなかった。
嫌な指揮官を見ていてもしょうがないと思った瞬間、人が落ちてきて着地をした。
「なんだあ!?」
石榴達は驚き、落ちてきた人を見た。赤い複眼で毛虫のような短い金髪、クワガタの大アゴのような犬歯の中年男性。赤い蝶ネクタイの黒いタキシード姿で股間から巨大なアゲハチョウの幼虫が生えており、黒い革靴を履いていた。
「変なやつだ!!」
人間と昆虫が合わさったような男を見て石榴は恐怖を感じ警戒した。
「おれは悪党 蝶変態だ!! 恐れるがいい!!」
男は股間の巨大幼虫を動かして団員達を威嚇する。
「たしかに変態だ! アゲハの幼虫があれっぽい!」
まともな相手じゃないので石榴達は対処に困っている。
彼こそ厳郎が報復のために送った刺客だ。悪党なので使い捨てにでき、悪党が基地を襲撃しにきたということでごまかすことができる。
「ブルマ男に電太。今度は股間が芋虫の変態。なぜ私の基地に変なやつらがくるんだ!!」
何度も変な敵がきているので細川指揮官はうんざりしており怒った。
「もう愛していない妻と娘のために働いて疲れているのに!! 頼むから面倒なことなんて起きないで休ませてくれよ!!」
部屋でいつも休んでいるような指揮官が喚いているので石榴達は呆れている。
「仕事と家庭に疲れた中年の主張ならヨソで言え。聞いてるだけで虫唾が走る」
蝶変態は細川指揮官を睨んで凄む。
「ひいいい!!」
敵に睨まれた細川指揮官は真っ青になり、情けない悲鳴をあげて基地へ逃げた。
「お前達!! そいつを倒せ!! いいな!!」
逃げて団員達に命令し基地の中へ入った。
「いても役に立たないからいない方がいい」
石榴達は呆れていたが、うるさくて邪魔なのがいなくなってせいせいしている。
「細川指揮官の言うとおり、こいつを倒さないと!!」
石榴は団員服とブーツを脱いで水色のレオタード姿の裸足になり、刀を抜いて構えた。
「見た目が変なだけで相手はひとり!! 恐れることはない!!」
他の団員達は武器を構えて少しずつ敵に近づき、包囲していく。
「あの指揮官の団員だけあって弱そうなやつばかりだ」
蝶変態は周りにいる団員達を見下している。
「なんだと、この変態が!!」
変なやつにバカにされたので団員達は怒り、敵に向かっていく。
「なにか変だ!!」
石榴だけは警戒して近づいていない。彼女の判断は正しく敵は余裕の笑みを浮かべていた。
「ふん!!」
蝶変態は股間の幼虫の頭から長くて赤い角を出した。
「うえ!!」
角が気持ち悪く、石榴は顔をしかめた。
「なんだ、この臭いは!?」
「うぐ!! うげえー!!」
角から悪臭が出ており、団員達は気分が悪くなって嘔吐をし、倒れて気絶していった。
「毒だ!!」
倒れた団員達を見て石榴は悪臭が届かない距離まで移動した。悪臭の毒攻撃で団員達は死んでいないが戦闘不能になった。
「あとはお前だけのようだな」
悪臭が届くように彼女に近づく。
「うっ!」
臭いが少し届き、吐きそうになったので片手で口を押さえた。
「ぶしゅ! 臭いだけなら鼻で呼吸をしなければいい!」
吐しゃ物が少し出た彼女は蝶変態に向かっていく。悪臭の毒攻撃なので鼻で呼吸をしなければだいじょうぶだった。
悪臭を放つ芋虫を刀で斬る。しかし芋虫の形が変わっており刀を弾いた。
「その姿は!?」
芋虫の姿を見て石榴は驚いた。蝶変態の股間には巨大なサナギがそそり立っていた。やわらかい幼虫とは違うかたいサナギで斬れなかった。
「かたくなるなんて! この変態!!」
斬れなかったサナギを忌ま忌ましそうに睨み、罵倒する。
「これだけではないぞ!!」
サナギが動いて割れていき、大きな羽を広げ巨大なアゲハチョウになった。
「美しいだろう? 幼虫からサナギとなり蝶となる。これが完全変態だ!!」
恍惚の表情を浮かべ、股間のアゲハチョウは羽ばたき、蝶変態は飛んだ。彼はこの能力で沼束からここまで飛んできた。
「たしかに完全な変態だ」
彼女が言っているのは昆虫の変態ではなく姿や性癖の変態だ。
「ほざけ。飛べないお前になにができる?」
空中にいる蝶変態は石榴を見下ろしていた。彼はソロの巨大害虫駆除業者で駆除した害虫の怨念と血を浴びすぎて半分昆虫になってしまい、人間をよく思っていないところがある。
「くらえ!!」
羽から無数の毒針を放つ。石榴は毒針をかわし、倒れている団員達がいないところへ移動する。
「昆虫の攻撃は針だけじゃないぞ!!」
彼女を追い、毒針攻撃をやめ、羽から毒液を放った。逃げる石榴には当たらず地面に当たり溶かして穴をあけた。
「調子に乗るな、変態バタフライ!! 伸尾体!!」
彼女は止まり、下半身が蛇のようになって長くなった。蝶変態のところまで伸び、飛行能力に対抗する。
「自由に飛べるおれの方が有利だ!!」
蝶変態は石榴から離れ、無数の毒針を放つ。石榴は全身から電磁力を放ち、飛んでくる毒針をそらした。毒針は彼女に当たらず、だれもいない地面に落ちていく。
「おのれ!!」
毒針攻撃をやめ、羽から毒液を出そうとしている。
「ワキガン!!」
「うおっ!?」
下から無数の銃弾が飛んできて命中し蝶変態は傾き、毒液が出なくなってしまった。石榴は下からの攻撃に気づいたが敵に集中した。
「座迫!!」
彼女は両肩から黒い蛇を出した。二匹の蛇は口から光線を発射し敵に命中した。蝋燭女王の拷問で得た電磁力のエネルギーを光線にした攻撃で刀を持ったまま遠距離攻撃ができる。
「ぐわあああ!!」
蝶変態は飛べなくなり、落ちながら消滅し地面に激突せずに消えた。
「やった!!」
勝利した石榴は喜び、両肩の蛇を消して刀を鞘に入れた。
「おーい!!」
手を振っている女性が下にいた。
「月夜さん!!」
ノースリーブの腋が出ている白いシャツで灰色の長ズボン、黒いローファーの月夜だった。知っている女性なので石榴は下半身を元に戻した。
「先ほどの攻撃は月夜さんですね。ありがとうございます」
援護射撃をしてくれた彼女に頭をさげた。
「変な情報を知って石榴ちゃんに伝えにきたら、こんなことになっていたなんて」
月夜は周りを見た。蝶変態を倒したが高山奇第三基地はかなりの打撃を受けてしまった。厳郎は蝶変態の死などどうでもいいので敵討ちはしない。
「変な情報とは?」
石榴は月夜が持ってきた情報を聞く。石榴の活躍で高山奇第三基地に平和が戻った。しかし一匹の小さなシロアリが出現し基地へ向かっている。
逃げた細川指揮官は自分の部屋に隠れており醜態を晒したので、ますます団員は減っていくだろう。
蝶変態は三段変形ならぬ三段変態。次回はアマゾポリスの予定です。
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