堕ちていく。
「あいしてるよ」
''グシャッ''
「あははは、アハハハッッ!!!」
肉塊になったあの子を見下ろしながら笑う。
あぁ愛おしい、好きすぎてどうにかなりそう。
ずっとずっと待ってた。
いつも僕より後に死ぬあの子が
僕より先に死ぬのを。
いつもいつもいつもいつも僕より後に死ぬなんて。
ほんとひどい。ほんとかわいい。
寿命が見えるのが自分だけとか思い込んでるところがかわいい。僕が死ぬのをキラキラした目で見てるとこがかわいい。僕が死んでも死んでも死んでも死んでも生まれ変わってるなんてことを全く知らないとこもかわいい。僕のこんなドロドロとした気持ちを知らない純粋なとこもかわいい。
「あーほんとこんなに好きにさせちゃってさー
僕のことどうしたいんだろ?」
自分が死ぬまであと5分。
「次はどうなるかなー?
どうせなら同じタイミングで死にたいなー
てかまた僕のこと好きになってくれるかなー?」
まあ好きにならないことなんてないんだけど。
もう自分たちの魂はどうにもならないくらい鎖で雁字搦めになってる。死んでも死んでも死んでも死んでも離れることは無い。何度でも出会い恋に落ちる。
「んーーでもこれは恋なんてもんじゃないなー」
呪い。そう、呪いとしか言えない。
いつ解けるか分からない呪い。
そろそろ自分も終わりの時間。
あの子の隣に寄り添えるように。
手すりに腰掛けて。
「次も2人で楽しく生きて死んでいこうね」
浮遊。
最初に落ちていったのは、
堕ちていったのはどちらだったのか。
ある寒い日の放課後、
花壇の一角が赤く赤く彩られた。
END