初めての闘い
俺達闘士の朝は早い。
グラウンドに線を引くことから始める。
誰にも指図される事なく
誰かが勝手に始めているのだ。
闘争とは、すなわち本能。
指図されなくても、それをしてしまうのだ。
そして登校してきた生徒たちは年齢関係なく
なんかいい感じに左右に分かれて、始まるのだ。
朝の香りが吹き抜けたと同時にボールが俺の手元から相手に渡る…。
エンカウント…バトル、開始!
相手は上級生、腕力が強いのもあるが俺はこのゲームを始めてから思い知った。
この世界には魔法があると。
日常レベルでは基本的に前世と同じ器具を用いて生活をする、世界なのだが。
戦いの中ではよく使われるらしい。
例えば武具に魔力を流し込みその性質を変化させるエンチャントもその一つだが
使い方は他にもある。
エンチャンターはエンチャントが性質として得意なだけであって全般的な魔力操作は使える。
勿論それは他の職業も同じで簡易的なエンチャントなら出来てしまう。
上級生も勿論使えて
よく跳ねるゴムボールに指先からリリースする際に衝撃強化を加える。
すると、隣にいた上級生が後ろに吹っ飛ぶ…。
と、同時にボールも上に上がるがふわふわと落ちて後ろにぶっ飛んだ上級生の手元に落ちてくる。
そう、勿論ルール上セーフ。
しかし、上級生のダメージが大きいので外野が回復を飛ばす。
回復しきると上級生が自身の身体に強化を施し右腕部分だけ、魔力が纏い白く光る。
それを大きく振りかぶりノールックで奥にいた
敵を狙い打つ。
咄嗟に相手も魔力を集めて当たる箇所に対応して受けるが。球の衝撃で後ろにズズズズズとさがる。
受けきった後に相手がニヤリと笑い大きく振りかぶり投げようとするが
唐突に「アウト」が宣言される。
外野の指が白線と彼の足元を指していた…
そう、受けきった時に線を越えていたのだ。




