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第十一話-さあ、特訓の時間です(魔術)

 昼飯は俺が木の実を撮ってきて、エラメリアが調理する形で用意された。

 ゾルフは傍観だ。

 俺が木に登ってるところを下から楽しそうに眺めていた。


 視線に気付きなんとなく得意げになって俺も頑張っていたのだが、エラメリアに言われて遠くにある木の方へ取りに行かされてしまった。

 やっぱり往復の距離でも端折ったりせずに走れということなのだろうか。厳しい。


 さて、そんな感じでサクッと済ませてしまった昼飯であったが少し休憩すると早速俺の修行に入っていった。

 旅はどうするのかと尋ねたところ、少し予定を変更するそうだ。


 昼飯を食った後に魔術の練習、夕方腰を下ろした後に剣術の修行に入る。

 今まで通りのんびり旅を続けていくとすると、ウェンポートに到着するのは一週間ほど遅れるとか。


 正直待ち遠しい気持ちでいっぱいなのだが、こういうことには結構慣れているので我慢できそうだ。

 ゲームとかでもクエスト受注前にレベル上げしまくってかなり余裕をもって挑むタイプだしな。


 そう納得している内に俺はエラメリアに連れられて開けた土地に出ていた。ゾルフは少し離れて荷物番をしている。


「では最初の授業を始めます」

「よろしくお願いします」


 そう挨拶を交わすとエラメリアは杖を取り出した。

 杖と言ってもステッキの様な大きなものではなく、指揮棒の様な小柄な杖だ。


 エラメリアは流れるように杖を一振りする。

 するとその軌道に水が出現した。

 おお、と思わず声が漏れる。


「まずは水を生成してみましょう」


 エラメリアは水が地面に跳ね返る前にそれらを空中に固定した。

 そしてそのままエラメリアが杖を振るのに合わせてシャボン玉のように俺の周りを旋回する。

 水の塊はいくつかに分裂したり融合したりと、様々な形に姿を変えながら揺れ動いていた。


 あまりの美しさに俺が感動していると、エラメリアが穏やかな口調で杖について説明してくれる。


「杖には使用者の生命力を杖に集約させる効果があります。杖を持った手に力を込めると体内に流動を感じるはずです。まずはその感覚を覚えましょう」


 その声は水の動きと相まって神秘的なものに思えた。

 背中がゾクゾクする。


 エラメリアは俺の手を取るとそっと杖を握らせた。

 彼女の指が触れた途端、俺の身体が無意識にピクリと跳ねるのに気付く。


「・・・わかった」


 夢見心地でそう答えた。


 杖を指揮者のように眼前に構える。

 そしてすぅっと一つ深呼吸をすると、エラメリアの動きを思い出しながら静かに腕を振り下ろす。

 しっかり水をイメージするのも忘れない。


――すっ


「・・・」

「・・・何も起きないね」


 残念ながらなんの変化も起きなかった。

 がっかりしてエラメリアの顔を見上げる。

 エラメリアは大丈夫ですよと首を横に振った。


「無理に水を生成しようとせず、まずは右手に力を溜める気持ちでやってみてください」


 俺はこくりと頷くと、言われた通り杖を持っている右手に血液を集約する感じで力を込める。

 すると、微かに体内で空気のカタマリの様なものが右手に集まっていくのを感じた。

 ドキリとしてエラメリアに声を掛ける。


「わ、凄い・・・杖に血を吸われてるみたいだ。なんか怖いな」

「平気平気、それが生命力の流れです。では次に、その集まってきた生命力を杖の先から放出してみましょう。水が流れるのを想像しながらゆっくり押し出して」


 言われるがままにカタマリを押し込んでやる。

 向かうは杖の先。

 そこから水が噴き出るイメージを持ちながら丁寧に生命力とやらを動かしていく。

 するとどうだろうか。


「あ、光った!」


 杖先に光が宿った。


 それは小さな球だった。

 暖かな光線を全方向に振りまきながら、光は杖先でふるふると頼りなげに揺れている。


 初めて魔術が形として現れた瞬間だった。

 思わず魅入ってしまう。

 恐らくこれもかなり初期の簡易魔術に入るのだろうが、魔術にセンスが無いと確信していた俺の心にはっきりと自信と勇気を与えてくれた。よっしゃ!


 魔法が使えたことに微かな喜びを感じながら、しかしこれでは失敗ではないのかとエラメリアに目を向ける。


 彼女は喜びと戸惑いが半々に混ざった微妙な顔をしていた。

 もしかしなくても失敗だったようだ。


 だが、エラメリアが気にしている所はそこではなかった。


「んー。ステフ、ちゃんと水をイメージしましたか?」

「したつもりだけど・・・失敗かなぁ?」

「光を灯すことが出来ているということは生命力を魔力に変換できる能力は持っているということです。魔術としては成功に入れてもいいと思います。ですが考えた通りに変換されてないというのはかなり厳しい状況ですね・・・」


 エラメリアは何が厳しいのかはっきりとは言わなかった。

 が、俺には彼女の言わんとすることがおおよそわかっていた。


「それは俺が魔術習得するのが厳しいって意味だよね・・・」

「残念ながらそういうことになります」


 単刀直入にそう尋ねた俺に、エラメリアは必要以上に気を遣うことなく淡々と答える。

 恐らく彼女もどう伝えたものか考えあぐねていた末の返答なのだろう。

 しかし今の俺には結構ありがたかった。


 無駄に誤魔化されるよりも今の俺には現実に向き合うことが大事なのだ。


「わかってたことだけど、やっぱり俺には魔術のセンスが無かったか」

「・・・そう言う割には、全然悔しそうな顔をしませんね?」

「うん、まあね。正直最初はショックを受けてたけど今は大丈夫。だってさっき一応は魔術を使うことはできたわけだろ? だったら頑張ったら俺にも使いこなせるんじゃないかなーってね」


 そう言うとエラメリアは驚いたように俺の顔を見つめてきた。

 ちょっと夢を見すぎた発言だっただろうか。


 心配そうな俺の意を感じ取ったのか、エラメリアは静かに嘆息すると俺にポンと手を置いた。

 そしてにっこり笑うとよしよしする。


 流石にそれは恥ずかしいもので、思わずその手を軽く振り払おうとしたところでエラメリアが口を開いた。


「ステフは前向きな良い子ですね。私はそんな子が大好きですよ」

「そ、そうかな~? でへへ」


 俺はそんなことを言われるような年でもナァイ!と叫びそうになったが、美人女性に撫でられているというシチュエーションが俺の思考力をキレイに奪っていった。

 大好きという単語にうっかり鼻の下を伸ばしてしまう。

 上げかかった右手は素直に下ろされ、俺はなされるがままになっていた。

 いや、まあ、しょうがないじゃん、ねえ?


「ステフはきっと成功します。私も全力でサポートさせてもらいますよ。諦めずに一生懸命頑張りましょうね」

「おうよ! 当然だね!」


 そう力強く答えると、エラメリアはもう一度ポンと頭を撫でて手を外した。


「よし、じゃあまた続きをしようか」

「その意気です。頑張って!」


 エラメリアの激励に頷いて返事をすると、再び真剣な表情で杖を構えた。


 もう一度、体内の血を杖に送り込む感じ・・・。

 残念ながらさっきの感覚では何が生命力を指しているのか良くつかめなかった。

 なので今回は生命力と言う単語をしっかり念頭に置いて力を注ぎ込む。


 そしてある程度溜まってきた所で、今度は少し開いた蛇口から水が滴り落ちる姿をイメージしながら力を押し出していく。

 さっきよりもゆっくり、丁寧に。


 何度も同じ失敗は許されない。

 この力は生命力を削って使用しているのだ。

 これだけなら多少の誤差程度なんだろうが、それでも無駄に使用するのをためらってしまう。

 日本人のモッタイナイ精神が原因なのだろうか(多分違う)


 そんなどうでもいいことをちらりと考えてしまった時だった。

 せっかく溜まった生命力は魔力に変換される前に霧散し、右手からすっと力が抜けてゆくのを感じた。

 失敗だ。チクショウ。


 だがまだ諦める筈がない。

 はじめから2,3回で成功するとは微塵も思っていなかったさ。

 ある程度反省したらすぐ次だ。

 今度は無心にやってみよう。無心無心無心。


 そう念じながら必死に力を溜める。

 今度こそやるぞ。


 そう強く思ってから丁寧に水のイメージを始めた。

 対象はさっきと同じ蛇口から滴る水。

 チョロチョロ垂れている様を思い浮かべるのだ。


 まとまった力が魔力に変換されるのを感じる。

 魔力が杖に溜まっていくに合わせて徐々に減っている力が、恐らく生命力なのだろう。

 変換されて減っているのだ。

 よし、こいつの感覚はつかんだぞ。


 そしていざ、魔力を放出せんとする。

 さっきはこの直前で変なことを考えて失敗したのだ。

 ここから先は水の事だけを考えるのだ。

 無心より簡単そうだな。水水水。


 だがこういう時、余計なことを考えないようにすればするほど妙な思い付きを吟味してしまうものなのだ。

 この時もそうだった。


(無心、と言えばそういえば今朝のエラのおっぱいは凄かった・・・無心なんて貫けるものじゃなかったな)


 などと超関係ないことを考えてしまった。やべ。


 慌てて煩悩を吹き飛ばした時には既に遅し。

 せっかく溜まっていた魔力がまたまた霧散して空気に溶けていってしまった。


 エラメリアが残念そうにため息をつくのがわかる。

 そしておずおずといった調子で口を開いた。


「あの、ステフ。こういうのは一度ほかの事を意識してしまったら絶対にうまくいきません。特に杖を使っている場合、すぐに魔力に変換して使用しないと今のようにあっという間に無くなってしまいます。何も介すことなく素手でやるなら手に溜め続けて別の事を考えることもできるんですが・・・」

「・・・わかってる。次こそはうまくいく」


 俺は意地になってそう答えた。


 悔しい。

 魔術を習得する覚悟を決めた男として、このまま簡単に引き下がれるもんか。


 今日中に水を生成することがなんとなく厳しいのはわかるので、もう一度何か魔術が完成するまで特訓だ。

 俺はそう自分に課すると失敗を噛みしめつつ修練を再開した――



~~~~~



「おーい。そろそろ行かねえと不味いんじゃねえかー?」


 そうゾルフが叫んだ辺りで今日の特訓はお開きとなった。

 あともう少しだけと何度も引き延ばしていた俺だったが、とうとうエラメリアにまで止められたことで渋々中断することになった。


 あの後二時間に渡ってエラメリアにも付き添ってもらったが、結局魔術を成功させるには至らなかった。

 どうしても魔術を成功させる一歩手前で余計なことを考えてしまう。


 失敗を重ねればそれだけ焦りが生まれる。

 しまいには「無心、無心」という心に言い聞かせていた言葉すら集中力をかき乱す要因となっていた。


「・・・はぁ、ふぅ・・・ごほっ」


 実際体を動かすことはほとんど無かったが、俺の呼吸はかなり乱れていた。

 エラメリア曰く、魔術に触れてからまだそんなに経ってもいないのに一度に消費しすぎたのだとか。

 体が慣れていない感覚にずっと晒していたことで、心身に多大なストレスを与えてしまったみたいだ。

 ゾルフに「自分の身体はもっと大切にしろ」と小突かれてしまった。


 ゾルフに注意される程だから相当無理してしまったらしい。

 俺的にはちょっと立ちくらみがする程度なんだけどな・・・。

 まあこの身体がどこまで耐性があるのかよくわかっていない以上、無理に酷使するのはよした方がよさそうだ。

 体でも壊して一週間動けません、なんてことになったら最悪だ。


 軽く休憩した後、俺たちは各々の荷物をまとめて旅の支度をした。

 散らばった灰に土をかぶせながら俺は今日の成果について考えていた。


 俺には魔術の才能が無い。これは紛うことなき事実だ。

 その証拠に、俺は杖無くしては生命力のコントロールが全くできなかった。

 エラメリアが素手で魔力を溜めたら多少はキープできるというので試しにやってみたが、感覚をいくら思い出そうとしても手に力を溜める事すら再現することは不可能だった。


 杖はもともと、大掛かりな魔術を使用する際に使うらしい。

 基本的に素手で魔術を行使し、大量の生命力を一度に魔力に変換したい際に杖を使って引っ張り上げてもらうのだ。

 俺の今回の使い方はその杖の特性を別の方向に活かした方法だったみたいだ。

 魔術初心者にイメージをつかんでもらうにはそれが一番いいのだとか。


 だが俺はその感覚に触れても尚生命力を操ることさえできなかった。

 センスの無さはこの身体の体質によるものなのか、それとも俺の理解力の無さによるものなのか、今の俺には計り知れないものであった。


 どっちにしろ当分は魔術の初歩すら習得できないようで一気に萎える。

 とはいえ、せっかく一からやり直せる機会を得たのだから早々投げ出すようなマネだけは絶対したくなかった。


 マスターするまで一歩一歩、着実に歩を進めていこうと思う。

 それにエラメリアも付きっきりで居てくれるわけだから、悪いことだらけではない。

 そう考えている内に皆の準備が整い、エラメリアが号令をかけた。


「準備できましたね。では出発しますよ」

「うん」

「ほい」


 俺とゾルフは簡単に返事をすると、荷物を担いでエラメリアの後に続いた。

 さあ、今日も旅の始まりだ。




 出発して少し経った頃、俺は早くもパーティに流れる雰囲気にウンザリしてきていた。

 というのも、俺の心内を気遣ってかみんな押し黙ってしまい、いつも陽気でうるさいゾルフもしんみりと口をつぐんでいたためだ。


 俺が原因とはいえ、自分の至らぬ点は自分で解決しようと決めたのにも関わらずこのような空気にさせてしまい、いたたまれない思いで一杯だった。

 そんな俺から二人に妙な冗談が言える筈もなく、結局三人とも口を開くことなしに早くも数刻が過ぎようとしていた。


 しかしそんな思いを抱いていたのは俺だけじゃなかったようである。

 おもむろにエラメリアが声を上げた。


「ステフ、初日の感想としてはどうでしたか?」

「え? ・・・そうだな、やっぱり魔術は向いてないんだと再認識したよ」

「そうですか。ではそう思って今、諦めようと思いましたか?」

「いや、それはないよ。最初に絶対あきらめないって決心したからね。それに別に向いてないからと言って俺の気分が逸れたわけじゃないし、やれるところまではやってみようと思ってるよ。エラも当分よろしく頼むね」

「ええ、もちろん。ステフらしくて素敵です。私も全身全霊を懸けてお手伝いしますよ」

「オレもいるぜ。エラたんは頭が固いところがあるからな。初歩的な所だったら俺が分かりやすく説明してやれるからな」


 エラメリアに続くようにゾルフも自分の存在をアピールしてきた。


 そうだ。俺には頼れる仲間もいるのだ。

 こんなに恵まれた環境にいるのにくよくよしている暇なんてないのだ。


 第一今日は特訓を初めて一日目。

 すぐにできないことだってあって当然だろう。


 そもそも俺はこちらに来てから間もないのだ。

 もちろんそれを言い訳をするつもりはさらさらないが、無駄に気を張り詰めてストレスをため込むよりよっぽど活き活きしていられる。


 今日できないことは、明日やればいい。今日出来なかった事は明日になればできるようになるさ。


 そういえば現世で誰かがこう言ってるのを思い出した。

 当初こそ何当たり前のことを言っているんだと目もくれなかったフレーズだが、今はしっかりと俺の心の支えになってくれていた。


 まさにその通りだ。

 明日になれば魔法も使えるようになっているかもしれない。

 明日が無理なら明後日、それでもだめなら明々後日もあるんだ。


 何も急ぐ必要なんてない、旅は始まったばかりなんだから。

 それに気付かせてくれた二人とこの言葉を考えた人に感謝し、まずはこの場にいる二人にお礼を述べる。


「ありがとう、二人とも」


 短い言葉であったが、二人にはちゃんと伝わったようだった。

 エラメリアは振り向くと軽くウインクをし、ゾルフは肩をトンと叩いてくれた。


 その一つ一つの気遣いが俺には暖かく感じられる。

 こうしてみてみると、俺は案外独りぼっちで投げ出されたこの世界に多少なりとも心細さを感じていたのかもしれない。


 だがこの仲間達に出会ったことで、俺はある種家族と同じような感情を抱いたのだろう。

 現世では感じられなかった愛がそこにはあった。

 それは俺の一方的な押し付けなのかもしれないが、少なからず拠り所を感じていたに違いない。

 つくづく有難いことだった。


 ぽわぽわした感覚に身を任せていると、いつの間にやらゾルフの無駄話が始まっていた。

 今朝まで無視を決め込んでいたエラメリアも嫌々ながらにツッコミを入れてやっている。


 早くも当たり前と化していたこの光景に、俺は奇跡を感じられずにはいられなかった。

 当たり前でなかったことが当たり前になっている。

 ケータイもパソコンもないこの世界、俺がそれに気付くのにはそう時間はかからなかった。


 さて、ではこの世界に置いての俺の立場とは何ぞや。

 自分でもよくわかっていないが、こんな風にくよくよ物事を考えるタイプではなかったように思う。

 だったら俺がこの後に取る行動は決まっているだろう。


 俺は高らかに宣言した。


「魔術の後は剣が待ってるんだ。両方完璧になってエラもゾルフもビビらせてやるからな!」


 前後から笑い声が上がる。


「その日が楽しみですね」

「やれるもんならやってみろってな」


 やや挑発的な返答に、それでも俺はかなり満足した思いでいた。

 彼らの物言いには確かに愛情が感じられたからだ。


 振り返って微笑むエラメリアと真横を歩いていたゾルフに見えるよう俺はニヤッと笑ってやる。

 そしてまた一歩、大事なものを手に入れた思いで足を踏み込んだのだった。


 今日はあと剣術も残っている。

 歩いてきた道も今までとは違って大きな岩が目に付くようになり、それがまた俺の冒険心をくすぐってくる。

 初めてだらけの一日、まだ半分が過ぎたあたりなのだ。


 さあ、三人で力を合わせてこの旅を乗り切ろう。

 今のところ俺は足を引っ張る係だが、きっともう少し立てば二人の力添え程度はできるようになってるはず。


 目指すはウェンポート。

 到着予定はあと27日。

 こんなにたっぷりの時間が用意されてるのだ。

 コツコツ力をつけて行こう。

 焦らずゆっくりやればいい。


 気持ちのよい風が汗ばんだ首筋を撫でる。

 動物たちもちらほら見え始め、わくわくしつつも緊張している俺を応援してくれているかのような気分でいた。

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