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二重の白  作者: 舞途小百合
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プロローグ

読んで(懇願)

私は姉で妹がいる。

これ以上の幸せを私は知らない。

知る必要なんてない。

私にとってのすべては妹であって、たとえそれが粒子レベルの細かさであろうと入り込むような隙間はない。

入り込ませなんてさせない。

全部あげるって、あの子に誓ったから――


――おね……ねぇ……“おねぇちゃん〃

そのかわいらしさにあふれた声を聞き朝がきたことを認識する。

「おはよ」と間の抜けた声を出しながら起き上がる。

私、 白風 陽(しらかぜ あきら)高校1年は今日も勉学に勤めるべく学校へと赴かなければいけない。

…休みたい。

「おはよう、おねぇちゃん。早くしないと遅刻しちゃうよ。」

そう言いながら少女はハンガーにかかった私の制服をもってくる。

この子は私の妹の 白風 暦(しらかぜ こよみ)ちゃんだ。かわいい(小並感)

私は急いで着替えを済ませる。暦ちゃんは「遅刻しちゃうよ」なんて言っていたが我が家は早起きで6時になるかならないかくらいに起きるうえ私の通う高校は家から徒歩10分とかからない位置にあり急がなくても遅刻なんてことにはならないが我が最愛の妹を待たせるわけには行かんと私はいつも30秒くらいで着替えを済ます。

着替えをすませた私は暦ちゃんとともにキッチンに向かう。

朝食、昼食(弁当)、夜食はすべて私が作る。両親が仕事で海外を飛び回っているため日本に残る私は自力で家事を行わざるおえないのだ。

家事は嫌いではないが毎日二人分のご飯を作り洗濯をしてさらには学校に通うなんてことしてると疲れる。一時は学校をやめ家事に専念し将来的には暦ちゃんに召使いとして雇ってもらおうなんてことも考えた。

だが疲れるからといって家事も学校もやめるわけにはいかない。

暦ちゃんに少なからず迷惑がかかってしまう。

それだけは絶対に避けたい。だから今日も朝食と弁当の準備を始める。

朝食を食べ終えると暦ちゃんはいつものように礼儀正しくごちそうさまを言って私の方を向き微笑む。

「いつもありがとうおねぇちゃん」

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

暦ちゃんいきなりそれはあかんて、おねぇちゃん死んでまう。あーやばい鼻血でそう。

とまぁこんな感じで暦ちゃんはちょくちょく即死級のプリティーアクションを起こしてくる。

その度私は天に召されかけているわけだが昔に比べればだいぶ慣れてきた。

半年程前一緒に寝たときのことだ。暦ちゃんがいきなり抱きついてきて「おねぇちゃん大好き」なんて言ってくるもんだから…うん…襲いかけた。あれはほんとにやばかった。起きたとき布団が少し、いやかなり濡れていた。あんまり濡れてたもんで暦ちゃんが自分が漏らしたと勘違いして泣いていた。本当に申し訳ない。まぁそれ以来なるべく同じ布団で寝ないようにしていたからそれっきり危ないことはなかった。

てな感じで以前よりは私は成長しているのだ。

成長してもこの程度ともいえるが…

まぁ暦ちゃん相手なら仕方ないなどと開き直り学校の支度を済ませる。

はぁ…今日も学校か。

事実を再認識することで憂鬱になった。だがそんな憂鬱もすぐさま活力と入れ替わる。

暦ちゃんと同じ世界で生きている。それで十分だ。

彼女さえいればどんな憂鬱も晴れやかな一日となる。

よし、今日も一日がんばるぞい!







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