冷淡男の非日常生活
俺は今日。
私立光ヶ丘学園高等部に転入生として入ることになった。
理由?そんなの特にないです
光ヶ丘学園は初等部から高等部まである
れっきとした超セレブ校
名門、光ヶ丘の紋章を担いでいるだけで特別な価値観として見られる
別に俺はそんなのどうでもいいです
静かで平々凡々な生活がしたいです
切実に。
俺は須藤隆幸スドウタカユキ
ちょっと異質な母親譲りの紅色の髪の毛と父親譲りの赤い瞳ですがれっきとした人間です。両親二人ともハーフでばっちり受け継がれただけです。
俺、不良とかじゃないです。
ちなみに両親二人ともハーフだったら俺もハーフになるらしいです。
「…い…おい!!」
無意識に担任になった飯島先生を怒らせていたらしい
「すみません」
最初からこんな強く当たるもんなんだろうか
…?それとも俺が不良に見られているのか…?どちらにせよ嬉しくはない
「えー、今日から2-Bの新しい一員となる奴だ須藤、自己紹介しろ」
「…ちょっとやだぁ…すごく柄悪くない?」
「近づかない方がいいよな…」
俺の中から早くもこのクラスでやっていける気が消えた
「須藤隆幸です。イギリスから越してきました。宜しくお願いします」
俺はただ特に面白いことを言うでもなく先生に言われた席に大人しくついた。
休み時間になった。
やはり、俺の席に来る生徒は誰一人としていない。こんな高校生活は嫌だが、父さんと母さんからもらったこの髪と瞳で人が来ないのならその人達とは仲良くする気も起きない
自分から話しかけようとも思わないので教室以外の場所にいることにした
ここは…裏庭か
やっぱり私立と言うだけあってお金がかけられていそうだ。普通の高校に大理石で作られた噴水や像が立ち並ぶ空間があるだろうか?
「…ヒック…うぅっ…」
…いけない場面に立ち会わせたようだ
そっとバレないように前を通り過ぎようとした。
が。
「…あの、手、離してくれませんか」
青いリボンの色から見て同じ二年なんだろう
「女の子が泣いてるのにっ…ヒック…見て見ぬふり、する気っ…?」
「いや、他人ですし
あの。 もういいですかね?」
「私の泣き顔見せといてそのままにするわけないでしょ」
理不尽…
「…大丈夫ですか?俺でよかったら聞きますけど」
「……話して、あげる」
どこまでも上からな子だな
「私ね茜と舞とすごく仲良くて…でも茜に波瑠は真面目過ぎてつまらないって
いつもどう反応したらいいかわからなくて人の話に合わせてばっかりだったから…
もうどうしたらいいのかわかんないよ…」
俺のがわかんないよ。
とは言わず
「茜と舞って誰?」
「はあ!?あんたも同じクラスじゃん!!
もしかして私のこともわかんなかったりするの?」
「は、はあ」
同じクラスって聞いて茜と舞ってのが大体わかった。多分だけど2-Bで中心的存在の女子だと思う
「信じらんない!!どんだけクラスに関心がないの!?…まあいいわ。 私は御坂波瑠よろしくね」
と手を出されて
一応返しておいた。
「話を戻すけど御坂さんは自分のだめだったとこがわかってるんだから直して行けばいいと思うよ。俺は転入してきたばっかで御坂さんのことわかんないけどちゃんと真剣に考えてるんだからそれでも友達が認めてくれないんだったら一緒に居る必要はないと思う」
「…ありがとう」
「いえ。 それじゃあ」
「…ん」
「…いやあの。 終わったなら離してもらえませんかね?」
なぜか御坂さんは俺の服をガッチリと掴んだままで離さない。
「波瑠…波瑠って読んで!!」
「わかった。波瑠離して」
「ん。 わかった」
「わかってないだろ?!俺のキャラを崩壊させないでください」
「…し、仕方ないからたまになら一緒にいてあげ…てもいい…」
話噛み合ってないと思うのは俺だけなんだろうか。
「ありがとう。 わかったから離してくださいよ」
「じゃ、じゃあね!!」
今日の振り返り。
俺を見て普通に話してくれた人が居ました。
ちょっと嬉しかった、(?)です。
しかし、転入早々変な人に絡まれてしまいました。