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こいつをどう思う?

 いくつかの曲がり角と直線を行った先、通路が一回り大きくなった所でルラルが足を遅くする。

 通路の終点には、ここまでルラルがどうやってかは分からないが開けてきた扉とは少し異質の、物理的にも頑丈そうな扉が見える。


 今だ鳴り響く警報の中、

「ここから格納庫へ繋がるはず」

と説明してくれる。


 はず…とは随分と弱気だな本当に大丈夫か?と思いつつも


「なら開けてくれよ」


 その言葉はしっかり耳に入っていると思うが、ルラルは口を開かない


 なるほど、これはもしかして

「開けられ無いんだろ」

とズバッとルラルの背中から斬りかかる。


「ギクッ」


あのさぁ…


これは翻訳機能の誤訳なのではなかろうか


 そんな事を考えていると


「今船で待機している仲間に協力してもらっているから待って」



 恐らく、俺の脳にも誰かが埋め込んだチップとやらと同種の物で、ルラルは今仲間とやり取りを行っているのだろう


暗に仲間がいることを匂わせたルラルに不安がよぎる。


 ルラルの仲間は何人いて、その過半数はルラルの決定に従うのだろうか

 その組織の最終目標がなんなのかすらわからない現状では考えても仕方のないことだが、

 自分のきれるカードの少なさに少し焦りもあるようだ。


まあ、なんとかなるか


 持ち前のポジティブさを発揮し、この場合は能天気なだけのような気もするが、まだ少しこのルラルを信じて付いていく事にする。


「駄目」


「なんなのよこのセキュリティ」


 ルラルがいいと同時に警報がピタリ、と止み代わりに音声が施設に響き渡る


ーこちらは当施設の統合管制AIですー


 その声は何処か中性的で幼さも感じるものであり、幼さと機械的なギャップに少し気味の悪さを覚える。



ー当施設は最上位AI“マキナ”の最重要防衛認定施設です一般人の立ち入りは禁止されておりますー


ー直ちに出頭して頂ければ不法侵入の罪だけで済みますー



 そう機械音声が告げたので、ルラルの方を見て様子を伺う

 今更地球に連れていくという約束を反故にされてはたまらない。



「クソAI如きがっ!」


 


 こっわ…


 ルラルが声を荒げて言っているのを聞いて俺は心底震え上がった。

 しかし、おおよそ何か大きな事情があることを察した俺は、

 先程迄のルラルの言動から組織の目的にあたりをつける。



恐らくこの時代に置ける反社会勢力のようなものでは?



 そうしていると先程通って来た通路がわから戦闘用ドロイドの足音が聞こえ出す


「早くしろって!」


 俺にとって一番最悪なのがもう一度眠らされる事であり、次いでこの時代にほっぽり出される事だ

 一旦はルラルに付いていく事で落ち着いた俺はルラルを急かす。



「こうなったら」


 ルラルが人差し指をさし、親指を立て残る3本の指を握る


「そ…それはっ!」



霊丸とは懐かしいな



俺が言うと同時に、手の甲になにかの機器のようなものが構築されていく


「貴方は後に下がっていて」


 そう言うとルラルが俺の前に背中を向けて立つ


華奢な背中だ…



 自分が恥ずかしくなってくる、

理由はともあれルラルはルラルで俺との約束を守ろうと命を掛けてくれている。


 何か出来ないのかと思いふと背後にある巨大で頑丈な扉を見る。

 これさえ開けれれば一時は時間を稼げるはずだ、足音がすぐそこまで迫った事を知った俺は、ふと婆ちゃん家での出来事を思い出す。





「言うこと聞かない機械はぁ」


「叩けば治るのさぁ〜」


そう言いテレビを

「映れ映れ!」

としばく祖母の姿が浮かんだ



 先人にならえ


 原点回帰で、一度全力で平手を扉にかまし

「開け!」

とやってみた。


 するとどうだろう


ゴォン


と低い音が響き扉が左右に開いて行く、開きかけの隙間からその先の空間が除き見れたがなんだか似つかわしく無いもの物が見て取れる。


「一体どうやったの」


といった後、続けて


「やっぱりそうなのね…」


 何についてルラルが言っているのかはわからないが、開ききった扉から広い空間を確認でき、謎の物体の全容を視界に収める。

 


 


 その中央には白銀色の巨大な長方体が横たわっていた。




すごく…大きです





 



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