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宇宙


 意気揚々と掛け声をかけ、

 ルラルのうるさいと言いたげな顔にも耐えたもののだ


 



 動かない


 

 微動だに



 


 それもそのはず、操縦法がわからないのだ

 見たところレバーもなければスイッチもなくおおよそ思いつく限りの機器が見当たらない。

 困った顔でルラルを見てみるが


「知らないわよ!」


 一蹴されてしまった。


 しかしこうしている間にも周辺宙域の包囲は固まっていき、一層脱出が困難になってしまう

 現状俺達が使えるものといえばこの機体しかないので是が非でも何とかしないといけない

 すると思い付く


「なぁアイちゃんどうやって動かせば良ぃい?」


 そう

いっそ本人もとい本機にきけば良いのだ、



ー本機は脳波同調制御機構を搭載しておりますー


 


 もう一度ルラルを見る。


「つまり…」


ー簡潔に述べると考えるだけで動かせるということですー


 

 アイちゃんに言葉を被せられバツの悪そうなルラルには少し申し訳無さを覚えたが、

 そういうことであればなんとかできそうな気が湧いてくる。


 機動戦士になれるわけだ


 歩け歩け歩け


 3度唱えると同時に機体が歩くのを感じこれは期待出来ると胸を張る。

 しかし、重大な事に気が付き機体を止める。


 

 「二人に質問…何処から出れば良いんだろうか?」


 この部屋は完全に閉鎖されており出入り口と呼べるものは先程通った分厚い扉だけだった、

 ルラルの方を今日何度目かに見る。


「隔壁を…」


ー隔壁を破壊しての脱出を提案致しますー



「もうっ!なんで同時に聞くのよ!」


 ルラルに怒られてしまったが美人に怒られるのは悪い気はしない

 俺はその為にちょっかいを出しているのかもしれない

 

 そう馬鹿な考えが終わった後直ぐにアイちゃんに方法を尋ねる。


 

「じゃあアイちゃん、この壁を一発でぶっとばす武器は無い?」



ー要望に答え実行しますー



ーアーカイブ参照、最適兵器を選択、構築しますー



 するとどうだろう右手に巨大なライフル型のものが構築されていき

 構築が終わった途端重心が傾く


「あっぶね!」



 自動制御機能が働いたようで直ぐに姿勢を戻したが

 後ろから消え入りそうな声で


「いったぁ…」


と聞こえてくる。

 どうやら頭をぶつけたようだ



 

 なにはともあれこれで脱出の目処が立った。

 後はぶち抜くだけ



 そう思いライフル型の先端を壁に向けて構える。

 慎重に狙いを定めるがどうもまだこの操縦方法に慣れない

 しかしすぐさま照準が安定し


ー姿勢アシスト機能を実行しましたー


とアイちゃんが言い感心する。

 痒いところに手が届くとはこのこと



 俺は静かに息を吐き



 撃て



 すると一瞬の間をおき衝撃がコックピットに走る。



 

 姿勢制御に必死になり周りをみる余裕がない





 数秒の後、衝撃が止んだ事を確認し隔壁側をフッとみると







 宇宙空間に浮く俺達と

目の前には神秘的な色をした惑星が浮かんでいた。





 ここで始めて実感する。


 俺は間違いなく未来を見


 今ここに立っているのだと







 


 

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