02-14 待望の赤階級(ロドゥクラス)
1週間後。赤階級の合格発表の日を迎えた。
「結果が気になる! 早く行こうぜ!」と早朝から興奮する利哉に雅稀と一翔は引っ張られ、魔法戦士学科の実習棟の掲示板に向かった。
掲示板には縦長の紙が2枚画鋲で留められおり、左側は赤階級、右側は黄階級の合格者が学籍番号で表示されている。
「おっ! あったぞ!」
利哉は満面の笑みで自分の学籍番号を指す。
「俺のも載ってる!」
雅稀は口角を上げ、じっと紙に印字された学籍番号を目に焼きつける。
「僕のもあった。良かった」
一翔は右手で胸を押さえてほっとひと息つく。
「これで、無事深海に行けるな!」
利哉はスキップしながら寮へ戻った。
「試験中は色々とどうなるかと思ったけどな」
雅稀はローブの袖口に目をやったが、白色のままだった。
「あれ? 色が変わってないぞ?」
雅稀は左右交互に白い袖口を見る。
「多分寮に帰ったら、認定証が届いているはずだから、それを確認したら赤に変わるんじゃないかな」
一翔は行こうと誘うように雅稀の左手首を掴み、一緒に寮へ戻った。
雅稀と一翔が寮へ戻った頃には、先に帰っていた利哉がドアの郵便受けから3枚の水色の封筒を手にしていた。
「オレたち宛てに届いているぞ。魔術師登録委員会からだ」
利哉はにんまりしながら雅稀と一翔に封筒を渡す。
雅稀は自分の宛名であることを確認してから封を切る。中にはA5サイズの上質紙が入っていた。
それを取り出すと『認定証』と大きく書かれた文字が目についた。
「貴殿は魔法戦士として一定の技術の習得が認められたため、赤階級を授ける」
雅稀は認定証に書かれている内容を呆然と読み上げた。
その時、袖口がキラキラ光っていることに気づき、即座に袖口を見つめる。
光が消えると共に、袖口の色は白から赤に変わっていた。
襟元へ視線を変えても、袖口と同じ赤色に変色していた。
「赤になった!」
利哉は喜々として袖口をじっくり眺める。
「本当だ……!」
一翔の口から喜びと安堵の声が漏れる。
雅稀は2人の袖口と襟元の色を見ると、確かに同じ赤系統であるが、若干色味が異なることに気づいた。
雅稀の襟元と袖口の色は猩々緋と呼ばれる濃いめの赤色である。
利哉は鮮やかな紅色である一方で、一翔は赤にピンクが混ざった薄い海棠色をしている。
「あのさ、同じ赤色でも色味が違うくないか?」
雅稀は気になったことをそのまま話す。
利哉と一翔は袖口と襟元の色を比較して「確かに」と口を揃える。
「俺のは割と濃い色をしてるけど、利哉のは情熱さを感じる」
雅稀は視線を一翔に移して「一翔のはピュアさを感じる」と思ったことを率直に言い表した。
「で、マサの袖口ははっきりした色をしているから……」
利哉は人差し指を顎に押し当てて天井を眺めながら考え込む。
「そうか!」
雅稀は目を大きく開け、
「襟元や袖口の色は、着ている人の人柄や心構えを表しているんだよ! 今までずっと気になっていたんだけど、そういうことだったのか!」
と手を打った。
「なるほど。言われてみれば、雅稀の袖口の色から白黒はっきりしている人って読み取れるし、利哉からは情熱的な性格であることが読み取れる」
一翔は腕組みして、雅稀と利哉の色を見比べる。
「カズはピュアで繊細な感じがするから、オレらで支え合おうぜ!」
利哉は雅稀の左肩に手を置くと、雅稀は力強く頷いた。
「僕の方こそ」
一翔は微笑み、2人の視線を合わせる。
「じゃ、赤階級を取ったと言うことで、早速パライバトルマリンがあるか検証しに行くぞーっ!!」
利哉は元気よく拳を上げる。
「おーっ!」
雅稀と一翔も拳を勢いよく上げた。




