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【第3章完結】蒼の守護と碧の命運  作者: 河松星香
第2章 深海に潜む宝玉

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02-09 期末試験に備えて

 深海の都市伝説の情報を仕入れてから1週間。

 雅稀は友人でありルームメイトでもある利哉と一翔と共に、明日からの期末試験に備え、訓練棟の地下2階で簡易ロボットと1対1で対戦している。


「さあて、最後の仕上げをするか」

 雅稀は稼働した簡易ロボットに低い声で一方的に語りかける。


 赤階級(ロドゥクラス)が目前まで迫ってきている。合格すれば学外に足を踏み入れられる。

 入学式の前日から今日まで、一歩も外へ出たことがない。

 とは言え、反逆者と会ったりフォール=グリフィンの拠点へ行ったりした時はあったものの、肉体を寮へ置き去りにしていたし、いつも決まった場所で戦闘魔術の練習ばかり行ってきた故、外出していないに等しい。


 今の閉鎖的な生活からもうすぐ解放されると思うと、この時が1番もどかしくて仕方がないが、その気持ちをぐっと堪えて右手に剣を強く握る。


「本気でかかって来い! お前をぶっ壊すつもりで戦う!」

 白階級(ブラントクラス)の雅稀が「ぶっ壊す」と言うのは早すぎるが、外出時にフォール=グリフィンに命を狙われる可能性があることを思えば必死だ。


 雅稀は両足をしっかり踏み切って、10メートル離れた簡易ロボットへ跳び、剣身(ボディ)に濃厚な青色の水を張る。


(スプリット)・水!」


 雅稀は攻撃魔術名に合わせて剣を頭上から振り下ろす。

 案の定、簡易ロボットは津波を現した剣身(ボディ)で防御する。


「くっ……」

 雅稀は眉間にしわを寄せて魔力を切先(ポイント)に注ぐ。


 そこからは透き通ったシアンブルーの球が連続して放たれた。

 目視で数えると12個ある球は訓練棟の壁の手前でカーブし、簡易ロボットの右脇腹辺りを狙う。


 雅稀の(スフィア)・水を察したのか、簡易ロボットは彼の技を素早く受け流した。


 ロボットはキュインと機械音を鳴らして体の向きを変え、剣身(ボディ)に水色のシールドを張る。


 雅稀は集中力を切らさず、即座に空いている左手から紺色の砲弾が姿を現す。

 左手で砲弾を包んだ状態を維持し、ロボットの腹部を狙って腕を力強く動かす。


 雅稀が放った陽・水は狙ったところに直撃し、ロボットは放物線を描いて跳ね飛ばされた。

 背中を打ち付けられるように床に叩きつけられた時には、ゲームセットで電源が落ちていたが、ロボットが受け切れていなかった(スフィア)・水が追い打ちをかけるかの如く、上半身を中心に激しい音を立てながら直撃した。


 雅稀は浅く呼吸をしながらロボットを見つめ、

「簡易ロボットじゃあ、俺の練習台にならんな」

 と構えを解いたが、ふっと大事なことを思い出した。


(てか、俺がロボットを壊したら、GFP学院の備品だから弁償しなきゃいけないんだった)


 それだけではない。

 翌日からの試験のために訓練棟へ来たのに、血が騒いで本気で対戦してしまった。

 おまけに、波動系の攻撃魔術である陽・水は試験範囲外だ。


「こんなことしていたら、防御魔術の最終確認ができずに終わってしまうな」

 雅稀は気持ちを落ち着かせて、横になったままの簡易ロボットのスイッチを押した。



 一方で、一翔は簡易ロボットが繰り出した攻撃魔術を丁寧に受ける。


「うん。この調子で明日に臨めば大丈夫だ」

 一翔は簡易ロボットの光線(レーザー)・闇を剣身(ボディ)で確実に防御しながら自分に言い聞かせた。



 利哉は勘を働かせながら物理系と砲弾系の攻撃魔術の最終確認を行っていた。

「これまでメイリアさんと練習してきたし、合格って言ってもらえたからいけるぜ……!」

 利哉は袖で額からじわりと流れる汗を拭った。

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