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【第3章完結】蒼の守護と碧の命運  作者: 河松星香
第2章 深海に潜む宝玉

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02-03 3ヶ月半の成果

「まず、奥拉(オーラ)から」

 セルラは雅稀たちを凝視する。


 彼らは真剣な顔持ちで剣身(ボディ)に魔力を集中させる。

 雅稀の剣身(ボディ)はシアン色、一翔の剣身(ボディ)はアメジスト色、利哉の剣身(ボディ)はカーマイン色に光り輝く。


奥拉(オーラ)・水!」

奥拉(オーラ)・火!」

奥拉(オーラ)・闇!」


 3人は息を合わせて目の前の藁人形を左斜めにスパーンと気持ちの良い音で切り裂く。


「次、(スプリット)

 セルラは魔術で切られた藁人形を復活させる。


 雅稀と利哉、一翔の(ブレイド)から、それぞれ穏やかな波を思わせる水、燃え上がる炎、グレープ色の暗雲が現れた。


「えいっ!」

 先程と同様に、雅稀たちは同時に復活した藁人形に(ブレイド)を入れた。


 3個の藁人形の上側は乾いた音を立てて地面に落下した。


(スフィア)!」

 気合いの籠もったセルラの声と共に、雅稀たちは足を適度に広げ、切先(ポイント)を藁人形に向ける。

 3人の切先(ポイント)から奥拉(オーラ)の技を出した時と同じ色の(スフィア)が出現する。


「はっ!」

 雅稀、一翔、利哉の順に(スフィア)を放つ。

 3人が放った(スフィア)は同じスピードで藁人形に向かい、3つとも中心に命中した。


 藁人形は砕けて、それを支えている棒だけが残った。


「とどめだ!」

 雅稀たち3人は姿勢を変えずに切先(ポイント)からシアン色、アメジスト色、カーマイン色の光線(レーザー)を勢いよく放つ。


 3本の色違いの光線(レーザー)は藁人形を支えていた棒に直撃し、パキンと金属棒の折れる音が響いた。



「……すごい。たった3ヶ月半でここまで成長するとはね」

 セルラは目を大きく開け、雅稀たちの上達ぶりに感心する。


「今度は防御魔術。わたしたちが手加減して技を放つから、受けてみて」

 ネアは一翔の前に移動する。


 雅稀の前にセルラ、利哉の前にメイリアが立っている。


奥拉(オーラ)(スプリット)(スフィア)光線(レーザー)からランダムで出すから、それぞれの技に対応した防御魔術を出してちょうだい」

 ネアが握っている剣から桔梗色の霞が現れ、一翔にゆっくり近づく。


 セルラの(ブレイド)からはさざ波を想像させる水、メイリアの(ブレイド)からはほのかに燃える火が姿を見せる。


 一翔と雅稀、利哉は(ブレイド)に集中し、それぞれアメジスト色の暗雲、シアン色の水、カーマイン色の炎を出現させる。


(アンチ)(スプリット)・闇!」

(アンチ)(スプリット)・水!」

(アンチ)(スプリット)・火!」


 雅稀たちは対応する防御魔術名を挙げると同時に相手の(スプリット)の技を受ける。


 反逆者たちは雅稀たちから距離を置き、切先(ポイント)を雅稀たちに向ける。

 ネアたちの切先(ポイント)から球体が現れ、それを放った。


 襲ってくる球体に対して、雅稀たちは空いている左手に切先(ポイント)を添え、剣身(ボディ)の周りにシールドを張り、防御の姿勢をとる。


(アンチ)(スフィア)!」


 雅稀たちは反逆者3人が放った(スフィア)をシールドでブロックする。


 彼らが呼吸を整えようとする前に、反逆者たちは剣身(ボディ)に光をまとって雅稀たちを斬りかかる。


 雅稀たちは素早く両手で(ヒルト)を握って胸の前に構え、(アンチ)奥拉(オーラ)の準備をする。

 雅稀と一翔、利哉の剣身(ボディ)はそれぞれ群青色、濃い青紫色、紅色に光り、相手の剣の動きに合わせてしっかり受け止める。


 ネアたちの(ブレイド)は雅稀たちの剣身(ボディ)とぶつかり合ったまま、切先(ポイント)から光線(レーザー)を空に向かって放つ。


 光線(レーザー)の存在にいち早く気づいた雅稀は後方へ跳び、空へ向かって切先(ポイント)を左手に添えて両腕を伸ばし、そこを起点に剣身(ボディ)全体が青い光を放つ。


 後から光線(レーザー)に気づいた一翔と利哉も切先(ポイント)と左手に添え、剣身(ボディ)にシールドを張り、地面に急降下する光線(レーザー)を受ける構えをとる。


「うっ……」

 雅稀たちは重力に従って威力を増した光線(レーザー)を懸命に受ける。


 彼らが放っている(アンチ)光線(レーザー)に直撃する光線(レーザー)はバチバチと火花を散らす。


 防御することに熱中している雅稀たちの姿を見たネアたちは口角を上げ、光線(レーザー)を放つのを止めた。



「ふぅ……いかがでした……?」

 雅稀は額から出た汗を袖で拭おうとしたが、感触がしなかった。夢中になっていたあまり、肉体を脱いだ魂だけの状態になっていたことを忘れていた。


「良かったわよ。それに白階級(ブラントクラス)にしては判断力があるわ。合格」

 メイリアは仁王立ちをして首を縦に振る。


「ありがとうございます!」

 利哉は彼女らから認められて嬉しい気持ちを露わにする。


「君たちの実力なら、赤階級(ロドゥクラス)は余裕で合格できる!」

 ネアは自信満々の笑みを雅稀たちに浮かべる。


「だと良いですけど……」

 一翔はネアたちから視線をそらす。


「どうした? 期末試験が初めてだから恐れているのか?」

 ネアは一翔に問いかける。


「はい……」

「1年の前期はそんなもんだ。わたしたちもそうだった。けど、君たちは合格できると思っているから自信持ちな」

 ネアは不安な気持ちを抱えている一翔の背中に優しく触れる。


 一翔は少し顔を赤くしたが、自信を取り戻したようで、顔の血色が元に戻った。


「と言うことで、お約束の波動系の戦闘魔術に移るよ」

 セルラの声で、いつものペアに分かれた。

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