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【第3章完結】蒼の守護と碧の命運  作者: 河松星香
第1章 GFP学院と因縁

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01-20 初の襲撃事件

 1ヶ月後。フォール=グリフィンが初めてGFP学院を襲撃する日が訪れた。


 フォール=グリフィン一味はGFP学院の制服であるローブと同じ色のものを羽織っており、空中に浮いた状態でGFP学院の敷地全体を見渡す。

 背後から彼らを眺めると、逆さに描かれた銀色のグリフォンがローブの背中に描かれている。おそらく、フォール=グリフィンのシンボルだろう。


 雲一つなく天候に恵まれた日だが、小さな島――グリフォンパーツ島を独占しているGFP学院の敷地内は足を取られるくらい雪が積もっており、極寒と言える程の真冬だった。

 そのせいか、日中の割に外を歩き回っている人はごく少数だった。


『行けーっ!!』


 ドナデュウの合図でフォール=グリフィンのメンバー、総勢200人は手分けして外で歩いている人や建物を襲う。


 さっきまで外を歩いていた学生は、一瞬で突風を伴った風属性の攻撃魔術で首を狙われてしまった。


『ぎゃーーーーーーーーっ!!!!!』


 GFP学院の敷地全体に響き渡る程の悲鳴を上げた後、意識を失い、ふかふかの雪にそのまま倒れた。


『何事だ?』


 女性の悲鳴声を聞いた数十人に及ぶ学生は訓練棟という建物から外へ足を踏み入れる。

 彼らの利き手に剣を握っていることから、魔法戦士の大学生あるいは大学院生であることがわかる。


『おい、大丈夫か!? しっかりしろ!』

 1人の男子学生は倒れている女子学生の肩を叩くが、彼女は既に呼吸をしていなかった。


『誰がこんなことを……』

 彼の怒りで握っている剣は震えている。


 向こう側でGFP学院生と同じ色のローブを羽織った人と数人体制で戦っていた。

 遠くから見ていると、学生同士がやり合っているようにしか見えないが、そうではないとすぐにわかった。左胸にグリフォンの刺繍が施されていないからだ。


『部外者か。追い払わねば』

 男子学生は澄み切った銀色の袖口を太陽光で反射させながら戦闘に加勢しに駆けつけた。



 一方で、建物を襲撃しに行ったフォール=グリフィンのメンバー30人は空中で円形に並び、剣の切先(ポイント)を円の中心に向け、力を合わせて太陽を縮小したような火球を出す。


 30人はタイミング良く剣を真下へ振り下ろした。

 直径200メール程度の火球は周辺の建物4棟を狙ってゆっくり落ちていく。


 それに気づいた人は建物の窓から空中を飛んで現れた。

 教員らしき人もいることから、おそらく講義を行う建物だったのだろう。


 魔法戦士の学生と教員は火球を押し返すべく、様々な属性の攻撃魔術、人によっては防御魔術を放つ。

 魔法戦士以外の学生は教員の指導のもと、安全な場所へと避難する。


 空中で見守っていたドナデュウはそこに目をつけ、パチンと指を鳴らした。


 集団で避難しようとしている学生たちは、突如現れた巨大な鉄の檻に囲まれた。

 彼らは突然の事態に困惑し、動揺した気持ちで柵を両手で握ったり叩いたりしているが、当然何も起こらない。


 しかも、こういう時に限って周りは木で囲まれて逃げ場がない上、魔法戦士の学生や教員がいない。


『THE END』


 ドナデュウは般若が笑ったような顔つきで右手を檻の方向へ伸ばす。


 檻は音の速さのように縮小した。

 閉じ込められた人らは助けの声どころか、断末魔をあげる間もなく潰されてしまった。



 少しして、駆けつけた魔法戦士の女子学生がこの光景を目の当たりにした。

 白い雪は赤く色づけられ、ばらばらになった多くの体が1ヶ所に山積みになっている。

 あまりの残酷な場面に、奥歯を噛みしめることしかできなかった。


 程なくして後ろを振り向くと、集団で逃げようとする学生たちが彼女の視界に入った。


『おいっ、大人数で固まって逃げるな! 殺されるぞ!』

 女性とは思えないくらい、力強く言い張った。


 その声を聞いた学生は怯えて一瞬足を止めたが、即座に足の向きを変えて散らばった。


『もしここを襲いにかかってきたら、あたしが足止めする』

 彼女は金色に輝く襟元から50センチメートル先に剣を両手で構えた。

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