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4.召喚されし者?

お立ち寄りいただきありがとうございます。

ブックマークをして下さった方もありがとうございます



 "君の未来に幸あれ"…か…ありがとう神様…。




幸来さらが目を開けると…そこは、広い室内であった。

外国…俗にいう中世のヨーロッパ的な装飾に、ファンタジー感溢れる衣装をまとった人達と足下の床には、大きな魔法陣…。

幸来さらが口を開くよりも先に声がかけられた。


其方そなたは何者だ?この場に現れた理由は?」


強い口調で問い詰められ、思わず身がすくんでしまった…


「え?…聖女を召喚したんじゃ……」


年配の三人の男達は互いを見合い、眉間の皺を更に深くして怪訝けげんな表情を浮かべている。


「確かに聖女様の召喚の儀は先日行われたが…何故それを知って……おいっ!そこを動くな!」


「ちょっ待って下さい!私は怪しい者ではありま…」


幸来さらが手の平を相手に向け、ハンズアップをし敵意のない事を示すが…緊張した空気が張り詰める。


そこへ、帯剣した体格の良い男達と、その後に続き若い男が「二人目の異世界人とはまことか?」と慌てた様子で入って来た。


部屋に居たおじさん達が頭を下げているし、着ている物から見ても偉い人なのだろう…"少しは話が通じればいいな"と、思案している幸来さらをよそに…


「ん?…女…か?

して、この魔法陣に現れたのは間違いないのか?」


「はい、王子…それは間違いございません。なにしろこの部屋は…我々が結界を張り、扉も施錠しており…衛兵の見張りもおりました。魔法陣の発動魔力を検知したので確認すべくこの部屋に参りました所…この者が居たという次第でございます。」


「そうか…ではこの者も"召喚されし者"なのだな?」


「それが…王子もご存知の通り、我々城の魔法使い達は先日聖女様の召喚の儀により、魔力を使い果たしておりますので…これの発動は無理なのです、なので…」


「ならば、この者は…"迷い人"か?………

女、其方そなたに問う。正直に答えよ…その方、スキルの力…または己の使命を知っているか?」


『『ん…?…スキルって神様にお願いしたやつだよね…もう貰えてるのかな?持ってますって言って使えなかったら、嘘をついたってならないかな?それと使命って…何?聖女を召喚してるって神様言ってたけど、この人達の言っているのは私と一緒にここに来るって言ってた人の事だよね…先に来てたんだ…』』


「あの…多分ですけど、スキルは探索みたいなやつで、職業は聖女だと聞いてます。それで…先に来ていた人と同じ所からここに来ていると思いますので、その人に会わせて貰えますか?」


「なっ!職業だとっ?聖女様を愚弄するか!それにお前の様な者が…聖女様であるはずなど…

何より召喚の儀ですら行われておらぬし…魔法陣には魔力も流しておらぬと言うのに…奇怪きっかいな…。

おいっ!この者を捕えよ!拘束して尋問するのだ!」


幸来さらの近くにいた男が手を伸ばしてきた。

それを体をひるがえし…けながら、そのまま相手の動きを利用し足をかけ、体勢が崩れた所を上から押さえ付けた。

流れる様な動きで、気付いた時には…体格の良い男の上に幸来さらが乗っかっていたので、何が起きたのか理解出来ない者ばかりであった。


「わ…わぁっ!ビックリしたぁ…なー!」(棒)


「なっ何をしておる!早く拘束しろっ、」


もう一人の男が、男の上に乗っている幸来さらの背後から、押さえ付けようと両手を伸ばして勢いよく迫ってきた。


それを見ずとも察知した幸来さらはパッと立ち上がり迫って来た男をかわした上で…更に背中をトンッと押した。

その勢いのまま、男の上にそのもう一人の男が重なり…下敷きになった男からはグエッと声が聞こえた。


「わ!立ち上がったらこんな事になっちゃった」(棒)


「ええいっ!騎士団のくせに何をしてるのだ、」


「殿下、先程この娘を拘束し尋問なさると仰いましたが、この件は殿下の管轄とされて処理なさるのでしょうか?」


「ぬ…"召喚されし者"ではないのであれば、ただの不審者である。一応…聖女ミアには聞いてはみるが…

事と次第によっては、城の深部への侵入者として扱う」


「では、騎士団預かりとして…取り調べから尋問まで、こちらで引き受けましょう。一見、敵意も害も無い様ですし…処罰が必要な場合も、この私が責任を持って請け負います。

この者を見るに、異世界人には間違いはない様ですし…様子を見られてはいかがですか?」


「う、うむ!そうだな、騎士団長の言う通りだ…。様子を見るとしよう…。あぁ、いっその事…身柄ごと騎士団に任せるとしよう!頼んだぞ。

私はミアを迎えに教会まで行かねばならんからな!後の事は報告書にまとめてくれ!では行ってくる。」



「フンッ…馬鹿王子め、面倒くさいだけだろうが…」


『『え?この人めっちゃ悪態ついてるんだけど!』』


騎士団長と呼ばれた男が、誰にも聞こえない様な小さな声で漏らした一言を、幸来さらの耳はとらえ…思わず、その男の方を向いてしまった。

それに気付いた騎士団長は、ニヤリと意味ありげに笑って未だ床に重なっている部下を怒鳴った。


「おい!お前らいつまで寝転んでいるんだ、戻るぞっ!魔法使い殿達も、今お聞きになった通り…この者は騎士団にて…私が責任を持って監視致します。王子のお言葉に従ってね…。なので今後うちのやり方に、お口を挟む事など無き様…殿下にもキッチリとお伝え下さいね?」


そう言うと、部下を部屋から出し…"行くぞ"と幸来さらに声をかけたのであった…。










騎士団長は敵か味方か〜…


はい、異世界最初の味方ですね…

次回からの絡みをお楽しみに( ˙꒳˙ )ノ



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