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1.薄井 幸来の"神引き"

沢山の作品の中から、この作品を選んで読んで下さり

本当にありがとうございます!

続きも読んでもらえる様に頑張りますので…

少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!

それでは本編へどうぞっ( ˙꒳˙ )ノ


「無理無理無理無理無理ぃぃー!絶対にっ無理〜」


〈まぁまぁそう言わず…ワンチャンあるかもよ?〉


「ワンチャンも何も…私…死んじゃったんですよね?…

それに神様が"ワンチャン"だなんて…」


〈いやいや、逆に?ラッキー?みたいな?転生なんてそんな簡単に出来ないし、しかも神引きだよ?もっと喜んでもいいと思うんだけどな…想像してみてよ、生まれ変わった世界で神に授かった数々のチート!ツエーだよ?ツエーーーが出来るんだよ?それに聖女なんて誰からも敬われるし大事にチヤホヤされ放題!どう?〉


「どう?って……言われても…私…そんなの無理です。無理なんです…だって…私は………」




〜回想〜

「はぁー疲れた!気配消すのも楽じゃ無いわぁ〜。大体見た目が地味だからって、勝手に大人しいイメージ押し付けないで欲しいわ〜!大体なんであの人達って自分の仕事を自分でやんないのかなぁ?言ってる事おかしいし…なぁんで私の予定をあんたらが決めるんだっつー話よ!あんたらが誰に誘われて誰と飲みに行こうが知らんよ!マウントか?マウントなのか?こちとら地味で田舎もんだからって舐めくさってんのか?」


「おい!幸来さらちゃん、口が悪くなってるぞ?今日はえらい荒れてるなぁ…ストレスは溜め過ぎんなよ?程よく発散しないと…全く年頃の若い娘が居酒屋のカウンターで独り寂しくクダ巻いてるなんて…天国の父ちゃん母ちゃんが泣いてるぞ?」


「やめてよ大将、子供に借金だけ残して死んだ親の顔なんて忘れたわ!おひとり様の、なぁにが悪いのよ!確かに私は…モサ子のダサ眼鏡よ?自分からは喋んないし、会話も必要最低限!常にうつむいてるし持参弁当の中身も茶色いわよっ!正真正銘友達もいないボッチのお独り様よっ!うわぁぁ〜ん大将のバカ〜」


「おいおい…俺のせいかよ…。自分でディスって凹んでんじゃねーよ、しかも烏龍茶…シラフな分余計たちわりいわ…。

ったく、しゃーねーな…ハイハイ、幸来さらちゃんは一見、陰キャの地味眼鏡に見えるけど…実はアウトドアアクティビティが大好きな行動派で、自分の言動で相手を不快にさせない為の気配り上手さんだもんねー!弁当が茶色いのは知らんけど、一人の方がフッ軽なんだもんな?あの山よじ登るやつなんつったっけ?まだ続けてんの?」


「よじ登るて…フリークライミングよ、最近は手軽なボルダリングに移行してるけど…時間がある時はやってるわよ?格闘技もサバゲーも、体動かすのが好きなの…でも時間がいくらあっても足りないって言うか…陽気なキラキラ女子達に仕事押し付けられて、時間も気力も削られてるの!ねー私可哀想でしょう?」


「知らねーよ、んじゃ断わればいいじゃねーか!予定があるってな。」


「それを言えないから押し付けられてるの!

"薄井さ〜ん、私達また営業部の人達に誘われたんだけど…薄井さんは影薄いし誘われてないわよね?悪いんだけど…これ代わりにやっといてくれない?早く帰っても予定なんて無いんでしょう?"ってこうよ?私が予定あるなんて言ったら、疑った上でしつこく聞いてくるし…やる事なくて家でパソコンいじってるだけだろ?って決めつけて…ふい〜ん悔しいぃぃぃ……。

どーせ私は"薄い さち来るで、薄井 幸来さらよ!最近じゃその薄い幸すら来てくれないわ!影も薄けりゃ存在すらも薄いわよ、おまけに胸板も薄いんだから救いようが無いのっ、」


大将と呼ばれる男は、カウンターの他の席に座る、頭の薄くなった仕事帰りのおじさん達の方をチラチラ気にしながら…"声がでかいっボリューム落とせ!"と慌てて薄井 幸来さらなだめる。


「てぇぇいっ!うっとおしいな、おいっ。もう遅いんだから早く帰れ!んでゆっくり休めっ」


「なっ!客を追い出す気?大将まで私の居場所を取り上げるのね?酷いっ!横暴よ!ゆっくり休めって何すればいいのよ〜」


「明日休みなんだろ?なんか借りて映画とかドラマとか観て、夜更かしして昼まで寝とけばいーじゃねーか」


「借りん行くと面倒くさかし、チャンネルとか契約もしとらんし、ダウンロードばしてまで観たかとも無かし、そもそもなんが流行っとっとかもわからんもん!」


「方言の出とっぞ!田舎もんって言われとーなかとやろーが、酒も入っとらんとにせっついてくんなさ、せからしかー」

(方言が出てるぞ!田舎者だと言われたくないのだろう?酒も飲んでないのに絡んでくるな、面倒くさい)


「懐かしか〜久しんぶりに聞いたばい…はーぁ…向こうにおった時は、都会良かな〜行きたかなーって憧れとったとにな〜、今はなんもなか田んぼに囲まれた田舎ん帰りたかもん」


「ははは!そんなもんだよ、俺だってこっちで嫁さん貰ってなきゃとっくに逃げ帰ってるって、娘も最近じゃ…図体ずうたいと態度ばっかでっかくなって、口も聞いてくんねーよ!ゲームのイベントやんのに忙しいって仕込みも手伝わなくなったし…少し前までは"友達と遊ぶより父ちゃんの手伝いする"つって焼き鳥を串に刺してくれてたのによぉ…」


「あーね…年頃だもん仕方ないよ!大将にも悩みがあったんだねー。そうだよね…誰だって何かしら抱えてるよね…私ももう少し頑張るか〜!」


「いーや、幸来ちゃんは十分頑張ってるよ!親の借金も返して、ちゃんと社会人やってるじゃねーか。ようやく自分の為に時間も金も使えんだからさ、ゆっくり色んな事楽しめよ!人生はまだまだ長いんだっ!」


「はははっそうだね、ありがとう大将!おかげで元気出た!またなんか興味あるもの見つけて…慎ましく人生を楽しむとするよ。そろそろ帰るね〜娘さんによろしく」


「おーまた来いよー!今度は彼氏の一人も連れて来い」


"彼氏が出来たらもっとお洒落なお店に行くに決まってるでしょう?"なんてお互い皮肉を言い合いながら別れ、会計を済ませた薄井 幸来さらは大将の居酒屋を後にした。


都会の人混みの中、ネオンで明るく星も見えない夜空を見上げながら…"新しい事か…"と呟いた幸来さら喫茶店・・・にでも寄って行こう…と寄り道を選択した。


普段なら気後れして絶対に足を踏み入れないシアトル系カフェ…入店したはいいが注文の仕方がわからない…

とりあえずメニューを指差して商品を受け取り、席に着いて息を吐き出した…。


はぁー緊張したぁ…てか…これ何?コーヒー?どやって飲むの???ま…まぁ…一人で注文出来たし良しとしましょ…。てゆーか、これ一杯でリッチなお弁当が買えちゃう値段て…所詮私にはコンビニのインスタントで十分ね…店員の態度もあからさまに違うし…そんなに私挙動不審だった?前の女の子には愛想良く接客してたのに…


見た目か?やっぱり見た目なのか? あーぁ…夢にまで見てたオサレカフェで現実に引き戻されちゃった…。

気を取り直して…なんか新しい面白い物探そ…


…ん?何?広告…かな?なになに……今なら100連無料ガチャ?あーゲームか、へー100回も回せばいいの出るでしょ!やってみようかな?キャラも絵も可愛いし、大将の娘さんがハマってるやつと同じかなぁ?

おっと、このキャラいいねー、強いみたいだし…

あー、でもレア度高っ!天井まで回しても難しそう…


どれどれ…運試しだ、薄くてもいいからさちよ来い!



ええーうそー!一発目で目当てのキャラ引き当てたー!

やったー、私運いいじゃん!神引き来たーーー!


幸来さらが思わぬ神引きを喜んでいる、まさにその瞬間、その場所に……ガッシャーーーン!!とガラスの割れる大きな音と共に車が突っ込んできた。


スマホを握りしめた幸来さらが最期に目にしたのは…ガチャの演出かと見紛みまごうばかりのまばゆい光……

それは…車のヘッドライトの光であった……






続きが気になる、幸来ドンマイ!、など…

少しでも興味を持っていただけると嬉しいです!

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