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不思議(おかし)な高校生達は異世界でも可笑しくやっているようです  作者: N&s


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16/20

16,旅のお供と港町

アチエドノノウジモチリブノナラカネマガノハナ……アヂジナカッチオチロ………アドフナキジチエチサヂリサフ……ガチャ


走り出して一時間ほどたっただろうか

ちらりと上を見れば相変わらず空は快晴で小さな綿雲が能天気に浮かんでいる

まさしく絶好の散歩日和といった感じだ

少し休憩しようと道を逸れて森に入ったのが五分前

そして少し開けた場所で花を眺めながらのんびりと水を飲んでいた

そんな時、こいつは現れたのである


「Guuaaaaaaa」


目の前で雄たけびを上げているこいつはそう

”熊”だ

とは言っても元の世界にいるような熊とはサイズがまるで違うのだが

ああ、なんか落とし物拾ってきてくれるような優しい熊ならいいのになあ

でも明らかに敵意向けられてるしなあ

もはや”波”を見るまでもないよねこれ


「Guuurrraaaa]

「お怒りですね~、あんまり怒ると禿げちまうぞ☆」

「Guurraaaa!」


いまの言葉を理解したのかは知らないけど、すごい怒り狂ってるな

とはいえ、油断は禁物

先手を打ってそのままごり押しじゃい


「たかが熊の分際で、今の俺に勝てると思うなよ」

「gua!?」


俺は熊の目の前まで一瞬で近づくと、甲殻を使った拳で熊の顔面をぶん殴った

虚をつかれた熊は思いっきりのけ反り、そのまま大きな音を立てて倒れこむ

大して力は入れてないから顔は潰れてないけど、完全に目を回していた

さてどうしたものか


「よし、とりあえず飛ばしとくか」


ツッコミが無いのをいいことに馬鹿なことを言ってみた

そしてこれからその馬鹿なことを実践するのだ

また襲われても敵わんからな

俺は熊の足をつかむとぐるぐると回し始める


「これってなんか技名あったよな。確か、ジャイアントスイングだっけ。ハンマー投げっぽくもあるから、新スポーツ、熊投げってことで!」


俺は勢いのついた熊を斜め上に向かって放り投げた

あの巨体放り投げるのってもはやすごくない?

__ツッコミのいない俺は無敵だな!

脳筋サイコー!

…さて、休憩も済んだし、そろそろ行くか


「Gyuruuaa!」

「ん?」


なにやら左足がこそばゆい

下を見ると、中型犬よりすこしでかいくらいの熊が俺の足をガジガジしていた

甲殻使ってないし、デフォの俺の防御を破れないってことは脅威はそこまでないか


「ありゃ、もしかしてさっきの熊の子供か?悪いな、もうぶっ飛ばしちまったよ」

「ハグハグ」

「…とりあえず齧るのやめない?」

「ハグハグ」

「しょうがない、干し肉をあげよう」


マジックバックから干し肉を取り出して子熊の前にちらつかせると、目を輝かせて飛びついてきた

食べ始めてから思ったけど、動物に塩味の強いもの食べさせたらダメなんだっけ


「すごいがっついてるし、大丈夫か。それじゃ、達者でな」


あまりのんびりもしていられないことを思い出し、元の道に戻る

そしていざ走ろうと思ったその時、後頭部に何かが飛びついてきて危うく転びそうになった


「うおぁ!びっくりしたー!急に飛びついて来るなよ。子熊さんよ」

「garu!」

「もう食べ物はあげんぞ?」

「gyau!」


子熊は一向に俺の頭から離れようとしない

まさか懐いちまったのか?

餌付けするつもりは無かったんだけどなあ


「連れて行くにしても、ちょっとでかいんだよなぁ」

「gyu」


子熊は小さく鳴くとずりずりと俺の体を降りていく

そしてなぜか俺が背負っていたリュックにすっぽりと入ってしまった


「え?なんで?」

「gyuー!」

「いやわからんて」


縮んだとしか思えんが…

ただの熊がそんな能力もってるか?

でもこの子熊とさっき投げ飛ばした熊だとサイズが違いすぎる気もする

親子じゃなかったかもしれないし、あれだけ成長するってのも別にないことはない

だけど、もしかしたらあの熊も体をでかくしてたって可能性も無きにしも非ずか…

__熊でこれじゃ、あとあと出てくるキャラクターの能力がインフレしsゲホッゲホッ

何はともあれ、これならまあ連れて行くことはできるな

親(?)熊も投げ飛ばしちゃったしなぁ

それに一人旅よりかは、会話ができない奴でも側に居ると安心するもんだ


「よしっ、お前もつれてくぜ!」

「gyauー!」


そうして新たにお供を見つけながら、俺は港町、セトへと向かった


ーーーーーーーーーー


徐々に赤く染まっていく空の元をひた走り続けて十分ほど

緩やかな坂を上り切った時、俺の目に街の明かりと夕日を反射してキラキラ光る海が飛び込んできた

太陽が沈んでいくほど海が太陽の明るい色を吸い込むように染まっていっていてきれいだ

子熊もリュックから身を乗り出して景色を眺めている


「おー、着いたな。これなら宿もとれそうだ」

「guyu?」

「あ、そうだ。お前町にいるときはリュックの中でおとなしくしてくれよ?魔物連れて歩いていいのか知らんし」

「gyau!」


威勢のいい返事だ

多分こっちの言葉理解してるよな

知性があるならあるに越したことはない

熊が頭を引っ込めたのを確認して、炊煙がちらほらと立ち上る町に向かう

町は半円状に広がっていて港が半円の中心に位置している

石壁はなく、その代わりに人1人くらいの太さの木の杭が等間隔で打ち込まれ、外側は1メートルほどの深さの堀で囲まれており、入口には木のアーチが組まれていて、そこに兵士らしき人が立っていた

辺境の町となれば防衛レベルはこんなもんか

俺は坂を下って木のアーチへ歩を進める

検問ってレベルでもなさそうだがサクッと済ませよう


「よお兄ちゃん、初めて見る顔だな」


兵士のおっちゃんが気さくに話しかけてくる

と、同時におっちゃんの目から魔力を感じた

なんの魔法だろ

シチュエーション的に犯罪歴とかが分かる感じか?


「ああ、最近地元を出てきたばかりだからな」

「そーかい、まあ頑張れよ。それじゃ荷物確認をしたいんだが」

「ああ、荷物は全部マジックバックに入れてある。リュックにも大したものは入ってないよ」


俺は腰に装備しているマジックバックをおっちゃんに見せる


「おー、マジックバック!しかも魔界産か!なかなかいいもん持ってんな。兄ちゃんみたいに若いのがそういう高級品持ってると目ぇつけられることもあるから気をつけろよ」


うわーまじか

やっぱり外套なんかで隠した方がいいかな


「マジックバックの中はいいが、リュックの中は一応見させてもらうぞ」

「あ、ああ」


これで魔物ダメだったらどうしよう

最悪逃げるしかないか


「おぉ!こりゃすげえ!グロウベアの毛皮じゃねえか!何が大したもの入ってないだよ、十分レア素材だぞ」


あれ、なんか勘違いしてくれてる?

熊が頭隠して丸まってるのか、毛皮判定してくれた


「まあな。道中で狩ったんだ」

「ソロでグロウベアの討伐なんて、兄ちゃんやるなぁ。ん?でもこのサイズってことはまだ子供だな。親熊はどうしたんだ?」

「ああ、あっちはちょっとボロボロになっちまってな。あんまりいい状態じゃないからおいてきた」

「そりゃもったいねえよ!ボロボロになっててもある程度値は張るもんだぜグロウベアの毛皮はよ」

「そうなのか。次からは気を付けるよ」

「おう、そうしな。金になりそうなもんはなんでも持っていくのが基本だぜ。せっかくマジックバックもってんだからな。よっしゃ、実力を伴ってるならマジックバック持っててもおかしくねえ。通っていいぞ」


ふう、ごまかせたか

いやあほんの少し”精神操作”使ってはいたけど、なんでこっちの毛皮はマジックバックに入れてないのかって聞かれなくてよかった

生物は入れられんからな


「ありがとな。――そうだ、お勧めの宿があったら教えてくれないか。ちょっと高くてもいいからさ」

「それならシオカゼ亭がいいんじゃないか。港からも市場からも近いし、清潔で評判良いぞ。三階建てででかいからすぐわかる」

「さんきゅ、それじゃ見張りがんばってくれ」


去り際におっちゃんに銅貨を渡してから別れ、町の中へ入る

町の中は土が固められた道が続いていて、ところどころ雑草が顔を出している

建築は木造がほとんどだが石造りの家もちらほらだ

ガラスはないっぽい

入ってすぐは居住区で人もまばらだったが、奥、港の方に進むにつれてだんだんと人の数が増えてくる

そして港が見えてくるころには、道の左右に露店がずらりと並び、人であふれかえっていた

露店で売っているのは半分以上が海鮮物で、時折ハンドメイドのアクセサリや服なんかを扱う店も見える

占いや、ギャンブルなんかもやっているようだ


「こういうのも異世界って感じだよな。なんか買ってくか~」


俺は一先ずうまそうな臭いを周囲に漂わせている串焼きの店に近づく

焼いているのはホタテっぽい見た目の奴だ


「よお兄ちゃん、焼きたてはうまいぜ~。買ってってくれや」

「じゃあとりあえず2本ちょうだい」

「ありがとよー!銭貨2枚ね」

「はい」

「また来てくれな~」


にっこにこの店主から串焼きを受け取り、人混みを避けて道の脇に寄る

そういえばやっぱりヴィルトレルムの戦闘ギルドで金貨を両替してもらっててよかったよ

出店で金貨出すのはなんとなく申し訳ない、というかおつり受け取るのも大変だし

そんなことはともかく、この焼きたてのホタテ(?)を食べることに集中しよう

ソースのにおいだけでよだれが出てくる

俺は刺さっているホタテ(?)の一つにかぶりつく


「うまっ!なんだこれ、うまっ!」


語彙力が無くなったのは許してほしい

食べた瞬間の衝撃がすごかったんだ

食感はほぼホタテで、表面に着いたタレがベストマッチだ

よく噛んでいくとほんのりと潮の香りも感じられる

本当に水揚げされたばかりの新鮮な奴なんだろう

これはいくらでも食えるかもしれねえ

ふと俺の背中で何かがごそごそと動いた


「ああそうだ、こいつにも焼きたてを食わせてやろう」


俺はそっと路地裏に入るとリュックを下ろして開く


「gyau」

「分かってるよ、これが食いたいんだろ。ほら」

「gyuua!」


子熊はすぐにホタテ(?)にがっついてあっという間に串のみになった

まだまだ食べたりないという風に俺を見上げてくる

分かるぜその気持ち


「こりゃ爆買いして宿でパーティー開くっきゃねえだろ!」

「gau!」

「よっしゃ!爆買いじゃー!」


そうして俺は再び人ごみの中へ飛び込んだ


ーーーーー


「ふ〜、食った食った。お前も満足したか?」

「guhu~」

「はははっ、そりゃ良かった」


俺たちは出店で大量の食べ物を買い、見張りのおっちゃんにオススメされたシオカゼ亭で部屋を取った

おっちゃんの言っていた通り、デカかった

町に1つしかないのだからキャパはでかくないといけなかったんだろうな

3階建てだからこの町の建物に比べて文明は進んでいて、横にも広がっているところからもそんなことが感じられる

何はともあれ時間は遅かったが一部屋くらいすぐ取れたのは良かった


「そういやさ、お前の名前考えてなかったよな」

「gya?」

「これからも一緒に旅するのにずっと"お前"ってのも悪いよな〜」


とはいえすぐにいい名前が思い浮かぶこともない

てかこいつって種族名とかあるのかな


「あー、そういえば警備のおっちゃんがグロウベアとか言ってたっけ」


俺がグロウベアと呟くと、小熊は首を横に振る

どうやら違うらしい

こういう時に鑑定とかあったら楽なんだが、まだ例の魔導書を使う気にはなってない

さて困ったぞ、と何気なく窓の外に目をやると、だいぶ減った人通りとぼんやりとした明かりの中で船が並ぶ港、そして全てを吸い込んでしまいそうな真っ黒の海

――海か

「…真っ黒な海…メルノア?」

「gyau!」

「お、気に入った?じゃあメルノアで行くか!」


真っ黒な毛皮のこいつにピッタリかもな

艶あって綺麗だし、思ってたよりモフモフだし

野生だったとは思えんな


「これからよろしくな、メルノア」

「gau」


返事をするかのように一声あげると頭を寄せてくるメルノア

やべ、かわいいぞ

俺はメルノアのモフモフを堪能しながら眠りにつく

今の体からしたら大した距離ではないとはいえ、元の世界で考えれば徒歩で向かう距離ではない

なんだかんだ疲れは溜まっていたのか、すぐに眠りに落ちた

かくして俺はちいさな(大きくもなれるけど)仲間、メルノアと共に旅を続けることになったのだ

既にお分かりかと思いますが、当作品は割と駄文です。初投稿から既に3年が経過していながら遅遅として進まない展開に私自身ヤキモキしていますが、最早落とし所がさっぱり分かりません。なのでいっそのこと駄文のまま行こうと考えました。つまり思考放棄ですね笑。おそらく文章の内容や質がアップデートされることはありません。爽快系でもないですが、ただただ脳筋の主人公が敵をぶん殴る話として読んで頂けたら幸いです。


誤字脱字等あればご報告ください

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