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佐渡島連続殺人事件  作者: iris Gabe
解決編
32/35

31.犯行ができる唯一の人物

 国中平野の旧金井町地区には、佐渡で唯一公認されているラブホテルがある。『かくれんぼクラブ』というちょっと可愛らしい名前のそのホテルは、佐渡金山や白雲台展望台などの屈指の観光スポットがずらりと立ち並ぶ新潟県道463号線、通称『大佐渡スカイライン』を、『スカイライン入口』という交差点から二キロばかり上った樹林の中に、ひっそりと(たたず)んでいた。そこは、主要道路からわりと簡単に行けるにもかかわらず、人目を避けるのにはうってつけの、まさに秘密の隠れ家と呼ぶにふさわしい休息所であった。


挿絵(By みてみん)


 フロントで聞いてみたところ、このホテルへの入室手続きは、フロントを介しても良いのだが、車庫に設置された自動チェックイン機を利用して、フロントに顔を出さずに清算を済ますこともできるらしい。

「当店、かくれんぼクラブでは、ガレージの入り口に、一応、防犯カメラは設置しておりますが、プライバシー保護を配慮して、車内のお客様の顔までは撮影をしない設定となっております。万一に備えて、車両番号だけは確認をさせていただいておりますがね」

 フロントにいた従業員は、見た目はチャラチャラした感じの金髪の青年だったが、言葉遣いはすこぶる丁寧で礼儀正しく、すがすがしい受け答えで、鴇松たちに応対した。

「ですから、お車を利用してガレージへ入ってしまえば、こちらとしましては、どなたがご入室されたのかを知ることはできません。

 お車でいらしたお客様がどのようにして、お部屋へ入ることができるのかということですが、チェックイン機の画面に空き部屋を点灯させて表示しますから、お客様は画面にタッチして、お好きな部屋を選択できるようになっております。また、お部屋への誘導ですが、入り口の番号札を入室されるまで光らせておくことで、お客様は迷うことなく、ご希望のお部屋へお入りいただけます。

 ご退出の際は、入店いただいた時のチェックイン機をご操作いただければ、ご滞在のお時間を考慮したご請求額が画面に提示されますから、そのままチェックイン機でお支払いいただけるようになっております。現金でもカードでも対応することができます。

 しかしながら、万一、お客様がご清算をなされなかった場合には、車両番号からお客様を特定させていただく手筈となっておりまして、その際には、入店時の防犯カメラの映像を調べさせていただくこととなります。でも、このシステムへ変えてからかれこれ数年が経過しておりますが、今のところ大きなトラブルは、なにも生じてはおりません」

「とどのつまり、このホテルで遊ぼうと思ったら、従業員に顔を見られずに泊まることができるというわけだ。きちんと現金払いで清算さえ済ませれば、ガレージ入口の防犯カメラで撮られたナンバープレートの映像という唯一の痕跡も、いつかはデータが上書きされて消えてしまうのだから、証拠はいっさい残らないというわけだね」

 恭助が確認を求めると、従業員は「さようでございます」と丁重な仕草でうなずいた。


「なるほど、ラブホテルということでしたか……。でも、そうなると犯人は……」

 訊き込みを済ませパトカーへ向かう途中、前を歩いていた鴇松がパタリと立ち止まった。

「そうだよ。トッキーが今考えている推測が、おそらく真実なんだろうね」

 それに気付いた恭助が、すかさず声を掛けた。

「でも、恭助さん。それですと、第四の事件の説明はできますが、それ以外の事件が……」

 鴇松はまだ不安そうに恭助へ目を向ける。

「トッキー、深入りは禁物さ。さっきもいったろう。この事件は四つの犯行を一気に説明しようとすれば、途端に壁にぶち当たっちまう。だから、ひとつひとつを着実に確認しながら、前へ進むしか、手立てはないんだよ」

「分かりました。間違いのない確定された事実から順番に追っかけていくことが肝心なのですね」

「ちょっと待ってください。もしかして、お二人には今回の事件の犯人がお分かりになっているのでしょうか。私にはさっぱりちんぷんかんぷんなのですけども」

 ひとりだけ蚊帳の外にいる烏丸が、いら立ちを見せていた。

「私にもまだ全貌はなにも見えていません。でも、恭助さんのご指摘に従って第四の事件だけにターゲットを絞り、若林航太がなぜ裸にされてしまったのか、という疑問だけを、ただかんがみました。すると、ある推理が浮かび上がります。そして、もしその推理が正しければ、驚くべきことですが、事件の真犯人は、あるひとりの人物に特定されてしまうのです……」

 なにやら物憂げな表情を浮かべながら、鴇松が静かに答えた。


 茜色の夕日がすっかり山すそへ隠れてしまったが、辺りにはまだほのかに明るさが残っていた。停車したパトカーのボディの白い塗装は、夕焼けに照らされて、ゆらゆらと燃える炎のように、深紅色に輝いている。

「じゃあ、トッキーが考えている推理を、さっそく聞かせてもらおうか」

 恭助が鴇松に催促した。

「分かりました、やってみましょう。

 今回の連続殺人事件ですが、少なくとも第四の若林殺害事件に関してでしたら、突き詰めると、犯行が行える人物はただ一人に絞られます。そう結論せざるを得ないというわけですね。

 しかし、ここで最初に告白しておきましょう。第四の事件だけでしたら、犯人はこの人物しかあり得ませんが、それでは、第一、第二、第三の事件における理にかなった説明がうまくいかないのです。

 つまり、私の推理ですが。現時点で明らかに矛盾をきたしているということですね」

「だとすれば、そのような解答にはなんの意味もないのではありませんかね」

 烏丸がつめたく指摘した。

「おっしゃる通りです。ですから、私の思考もそこで途絶えてしまっていたわけですが、恭助さんが先ほど、第四の事件だけを考えて説明をすればよいとおっしゃいました。ですから、ほかの事件のことはいっさい忘れて、ここでは第四の事件だけを取り上げて考えてみましょう。

 最大の謎は被害者の若林航太が裸にされたことです。遺体の衣服を脱がせて裸にすることは、相当な重労働です。犯行を終え、一刻も早く現場を立ち去りたい犯人にとって、特に理由がなければ、決してやりたくはない仕事であったことでしょう。しかし、犯人はあえてそれを行った。なぜでしょうか?」

「犯人には、若林の服を持ち去る必要があったんじゃないですか。衣類に何らかの犯人の痕跡が付着してしまい、それをすぐには拭い取ることができなかったために……」

 烏丸巡査部長が少し考えてから答えた。

「なるほど。十分に考えられますね。例えば、それはなんでしょう」

「それは……、犯人の血痕とか、あるいは精液……。いや、精液は変ですよね。被害者の若林は男ですし」

「たしかに血液が衣服に付着してしまうと、それを残すのは犯人にとっては致命傷になりかねないね。なにしろ、現代の検死はDNA鑑定までできるのだからねえ」

 恭助が横からうれしそうに茶々を入れた。

「しかし、犯人の血液が被害者の衣服に付着したとなると、いったい何が起こったのですかね。犯行の最中に犯人がうっかり鼻血を出したとでもいうのでしょうか」

 みずから唱えた案に納得がいかぬ様子で、烏丸が付け足した。

「犯人は若林の下着も持ち去っています。もし、犯人が鼻血を出して、それが若林の衣類に降りかかったとしても、その場合、鼻血がかかるのはせいぜい上着くらいで、下着のシャツまでは脱がす必要がなさそうに思われます。同じ理由で、ズボンも犯人は持ち去っていますが、犯人の鼻血は、上着と下着のシャツにとどまらず、ズボンまで含めたすべてにかかってしまったのでしょうか」

 逆に、鴇松の方から烏丸へ質問が飛び交った。

「可能性は極めて低そうに思えますが、かといって完全には捨て切れないのでは……」

 不意を突かれた烏丸が、自信なさげに答える。

「さらに、若林の住居にあった洗濯籠には、四日分のシャツに靴下と、三日分のパンツが入っていました。一方で、台ヶ鼻灯台で見つかった若林の遺体はパンツだけ履いていました。

 これらの事実から、若林を殺したあとで、犯人は若林の住居を訪れて、遺体から脱がせたシャツと靴下、それに上着とズボン、すなわち、パンツを除いた一日分の下着類を洗濯籠の中へ放り込んだ可能性が強く示唆されます。でも、籠に入っていたシャツや靴下に、血痕や精液などはいっさい付着していませんでした」

「ちょっと待ってください。洗濯籠の中のパンツが一枚不足しているという事実だけで、犯行直後に脱がせた衣類が、若林の住居まで持ち運ばれたと断定するのは、少々飛躍が過ぎるかと……」

 烏丸が議論をさえぎった。

「では、犯人は若林の遺体から脱がせた衣類を、犯行現場からの帰路の途中のどこかで、破棄していることになりますよね」

「そうですよ、若林の衣類はきっとこの広大な佐渡島のどこかに落ちていることでしょう。まあ、それが見つかることなんて、奇跡に近いのかもしれませんがね」

 烏丸が皮肉るように付け足した。

「おっしゃる通りです。しかし、烏丸巡査部長の今の推測でしたら、これから述べる事実が説明できずに、却下されてしまうのですよ。

 たしかに、犯人は若林からはぎ取った衣類を、いち早くどこかへ処分したかった。それは事実ですが、それと同じくして、犯人は一連の犯行時の象徴アイテムであった鬼の面も、どこかへ処分したかったわけです。

 そして犯人は、鬼の面を経塚山きょうづかさんの山中へ遺棄しました。では、どうしてその同じ場所へ、衣類も遺棄しなかったのでしょう」

「それは、別の場所に遺棄すれば、少なくとも、鬼の面と衣類が同時に見つかってしまう危険を排除できますね」

 烏丸が苦しげに返答をした。

「同時に見つからないように、別々の場所へ危険物を分けて遺棄をする。一見ありそうですが、そのどちらかが見つかってしまえば、いずれにせよ、犯人にとっては致命的な痛手となります。

 そうなると、この厄介なる品物を、わざわざ別々の場所へ分別して遺棄する必然性が全くありません。二カ所へ別々に遺棄する方が、少なくとも片方が見つかってしまうリスクは、より増えてしまうわけですからね」

「すると犯人は台ヶ鼻で若林を殺しておいてから、自分の痕跡が衣類に付着していないにもかかわらず、衣類を遺体からわざわざ脱がせて、ご丁寧に20キロも離れた若林の住居まで運んで、洗濯籠の中へ放り込んでいった、というのですか。いやはや、それでは全くまともな説明にはなっていませんよ」

 烏丸が愚痴っぽく反論した。それを聞いた鴇松は、軽く笑みを浮かべる。

「ところが、ある一つの仮説を認めることで、それが合理的な説明となるのですよ――」

「ほう。それはいったいどんな仮説ですか」

「烏丸巡査部長は、犯人が若林航太の遺体からわざわざ衣類を脱がせた、とお考えになられていますね。でも、もしもですよ。犯行が行われた時に若林が服を着ていなかったと仮定すると、その後の解釈も変わってくるのではありませんか?」

「若林が殺された時に衣類を着用していなかったですって?

 なんでそんなおかしなことが起こるのですか」

 烏丸が目を丸くして立ちすくんだ。

「若林は死んだときに衣類を着用していなかった。つまり、はなから丸裸だったわけですね。そうなると、犯人からすれば、若林にわざわざ服を着せることの方が面倒な作業だったことになります」

「でも、どうして若林は裸でいたのですか。彼の死亡推定時刻は四月三十日の午後九時から十時のあいだです。そんな時刻に台ヶ鼻灯台という寂しい場所で、なぜ彼は裸になる必要があったのですか」

 恭助が横から口をはさんだ。

「犯人は最終的に若林の衣類を所持していたよね。ということは、裸になった若林が脱いだ衣類をどこかへ置いたとすると、それが置かれた場所も犯人は知っていたことになる。さらには、犯行後に意図的に、置いてあった衣類を持ち去ったことになるんだよね」

「ほら、みなさい。なにもかも、すべてがすっかり説明できなくなるじゃないですか」

 烏丸が鬼の首を取ったように、鴇松へ詰め寄った。しかし、鴇松の表情に焦りの様子は全く見えなかった。

「そうですね。犯行が台ヶ鼻灯台で行われたとすれば、色々なことが矛盾をきたして説明が付かなくなってしまいます。

 すなわち、犯行現場は台ヶ鼻灯台ではなかったのですよ」

「犯行現場が台が鼻ではなかったと……?」

 烏丸が首を傾げた。

「そうです。だとすれば、犯行現場はいったいどこだったのでしょうか……」

「そんなこと、すぐに分かるはずが……。

 はっ、もしかして……」

 鴇松がにっこりと笑った。

「どうやら烏丸巡査部長もお分かりになられたみたいですね。

 そうです。第四の事件の犯行現場は、ラブホテル『かくれんぼクラブ』の一室だったのです――」


「かくれんぼクラブの一室で、若林航太は裸になっていました。理由は、いうまでもなく、セックスをするためでした。ところが、そこで彼は殺されてしまう。犯人は当然のことながら、ラブホテルで若林と同席していた人物――、すなわち若林の愛人、ということになります。

 その後、彼の遺体は台ヶ鼻灯台まで運ばれて、放置されました。遺体を移動させたのは、かくれんぼクラブにいっしょにいた愛人でしょう。若林の遺体を移動させる手段は車しかあり得ません。すなわち、愛人は車を運転することができる人物でした。

 かくれんぼクラブは、チェックアウト時にフロントに顔を出さずに、車庫へ移動して、こっそりと帰ることができました。愛人は誰にも気づかれずに車庫に止めてあった車に若林の遺体を運び込み、そのまま車を走らせて、台ヶ鼻灯台まで遺体を移動させました。

 脱いであった衣類をラブホテルへ残しておいては、いずれ何かと足が付くかもしれません。愛人にとってラブホテルでの密会は、誰にも気づかれたくない事実ですから、なおさらです。だから彼女は、ああ、若林の性癖を考慮すれば愛人は間違いなく女性でありましょう、若林の衣類も、遺体とともに、いっしょに持ち去りました。そして、ここからは推測となってしまいますが、素っ裸のまま公道へ遺体を放置するのをいささかためらったのでしょうか、愛人は遺体にパンツだけを履かせました。衣類を全部着せることはたいへんな重労働であり、女性である愛人にとって困難な作業だったでしょうが、パンツを一枚履かせるくらいならどうとでもなります。

 愛人は遺体を台ヶ鼻へ放置したのちに、衣類の処理のために、今度は若林の住居まで車でとって返しました。理由は乗っていた車が若林の赤い愛車であったので、いやおうなしに若林の住居まで送り届けなければならなかったからですが、住居の鍵は、おそらく普段からスペアを持っていたのか、若林本人のポケットにでも入っていたのでしょう。

 若林の住居へ進入した愛人は、衣類を洗濯籠の中へ放り込みます。その後、愛人は若林の住居から立ち去ります。ベランダの鍵を掛けずにおいたのは、住居の鍵を居間のサイドボードの上へ置いたために、施錠ができなかったからです。そして、それらの仕事を済ませた時刻は、おそらく深夜零時頃だったと推測されます」

「すると、犯人は若林航太の愛人……」

 烏丸がうなるようにつぶやいた。

「そうですね。自然な推論から導かれる結論として、犯人は若い女性ということになります。

 では、その女性はいったい誰なのでしょう。

 まずは妻である若林愛梨ですが、彼女はもはや若林航太にとって恋愛対象ではありませんでした。したがって、愛梨ではありません。

 すると浮かび上がる女性は、我々の知る限り、二人のうちのどちらかに絞られます。すなわち、臼杵梢か、本間桃佳――です!」

「ちょっと待ってください。愛人が本間桃佳さんだなんてことがあり得るでしょうか。彼女と若林航太のあいだにそのようなふしだらな関係があったなどという物的証拠は、これまでいっさい報告はなされていません」

 烏丸が真っ赤な顔をして反論した。桃佳のことを、思わず『さん』付けで呼んでいたことに、本人は全く気付いていない様子だった。

「あくまでも可能性としては捨てきれません。ただ、本間桃佳の場合は、彼女は自分で自由に使える自家用車を所有しています。本間桃佳が若林航太との逢引きで金井にあるかくれんぼクラブへ行こうと思えば、お互いに家から車を運転して目的地へ向かい、現地で落ち合うのが普通でしょう。そうなると、帰り道は当然、桃佳は自分の車に乗って帰ることになります。国中平野から車で本間桃佳の家まで帰ろうと思ったら、十人中十人が間違いなく、広くて走りやすい県道65号線を選ぶはずです。経塚山のふもとを走る県道81号線は、狭くて手入れ工事も不十分で、極めて走りにくい道路ですからね。しかし、犯人はこの夜の間に県道81号線の峠で鬼の面を捨てています。鬼の面が捨てられたのは四月三十日から三十一日に至る夜間の間に限定されているのですから、必然的に、それは犯行を終えた帰り道でなければなりません」

「でもですよ。どうせ鬼の面を捨てるなら、県道81号線の方がより見つかりにくいだろうと判断し、その日だけは県道81号線を選んで通行した可能性はありませんか」

 烏丸が首を傾げた。

「鬼の面を遺棄する目的なら、県道65号線の山中にだっていくらでも、同じように捨てられる場所はあると思います。たとえ通行しやすい道路だとはいえ、所詮はひとけが失せた奥深い山道に過ぎず、ましてや時刻は深夜ですから、目撃される心配は皆無なのですからね。

 一方で、愛人が車を所有していなければ、逢引きをするためには、若林が車を運転して愛人を家まで迎えに行き、そのままラブホテルへ移動をして、逢引きを済ませたのち、ふたたび愛人を家まで若林が送り届けることとなりましょう。もしそうだったとすれば、展開はどうなるでしょうか。

 まず、ラブホテルで若林を殺した愛人が、若林の車を使って、遺体と衣類を運んだことが自然に説明できます。しかし、若林の住居の駐車場へ車を停めてしまうと、そのあと愛人は徒歩で家まで帰るしか手段がありません。もし若林の住居から徒歩で赤泊村まで帰らなければならなくなったら、県道65号線と81号線のどちらを選びますか。そうです。圧倒的に距離が短くなる県道81号線を間違いなく選択することでしょうね」

 そう告げると、鴇松は少しさびしそうに足元に目を落とした。

「台ヶ鼻灯台での殺人事件における犯人は、若林の愛人であり、車の運転ができ、さりとて日常では自由にできる車を所有しておらず、そして赤泊村に住んでいる若き女性です。

 すなわち、今回の一連の殺人事件の真犯人は、臼杵梢うすきこずえ――でなければならないのです!」

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