ラーゴ目線の「これまでのあらすじ」圧縮版2
■魔族、そして相続者
その夜遅く、ミリンに『ラーゴ』という名前と首輪を預かってきたユスカリオから、驚愕の発言を聞かされる。それはラーゴが魔族であり、チェックをスルーできたのは、母親の血統か首輪のおかげだと教えられた。しかも母は自分の行く末をユスカリオに委任しており、首輪は能力封印のため魔法使いルシーの付けたものという。ラーゴは愕然とするものの、ユスカリオが帰った後、力が吸い取られる首輪を外したときに発生する、血のたぎりなど不都合な問題を解決した。同時に結界を張る能力に目覚め、透視や出自不明の知識とあわせ、魔族の自覚を深める。
翌日、魔族検査をパスしてミリンに王城散策に連れ出されたラーゴは、武器宝物庫の見学や屋上で星のない夜空を見、マーガレッタの秘密を知った。続いて魔法道具の呪文暗号が組めると気づき、ますます魔族であることを確信。その後、母王陛下の部屋で国家機密レベルの会議を膨張する機会に恵まれた。ここでラーゴは、人間の中では最も天敵と考えてきたゴードフロイから、脅しをかけられて死ぬほど震え上がる。だが魔王城に自分の持ち込まれた状況や、さらに王国の政治に絡む重大問題の数々を知ることはできた。
その夜、小屋に戻ってから偶然、廃棄寸前で入手できたオートマトンが自分の自由になるという幸運が降って沸く。魔の力と思いながらも呪文暗号で操作し、余禄として聖泉で温泉気分を味わった。
これを発端に物知り魔法使いや聖霊ノームと知り合う。結界と千里眼の使い方や、自分のいわれない常識が、魔族由来ではなく異世界の知識を受け継いだ相続者だからと教えられた。くわえて王国の重要問題の一つである、魔王城討伐で意識不明になったミリンの兄、アレサンドロの容態を診察。結果は手の着けようがないというものだったが、感謝されて聖霊の顧問職を授かる。その解決のためにと賽銭で貯まった小銭金庫を託された。