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周囲目線の「これまでのあらすじ」1

(※本文は、「ゆるキモトカゲは分相応な夢を見る (第一部)」を読破された皆さんは読み飛ばしていただいていいと思います。どうしてもⅡからいきなり読みたい! という読者への豪華プレゼントコンテンツです)



 主人公以外の目で見たあらすじ(この後に主人公篇あり)

── ここはプロローグまでの部分 ───

 ハルン大陸の北部に位置した、歴史あるグラン・シァトゥル王国。聖泉(ホリフォンズ)を見つけるため、母王と共に行幸した王女を狙って現れた魔物が、神の使いの勇者(ブレイバリーズ)に成敗されて創立された伝説の残る、由緒正しい女王国だ。

 先王と宰相が犯した失政のため、滅亡の危機に瀕していたのが、十五年前までのこと。現国王真王リリアンルーンの即位以後、徐々に復興の階段を上ってきた。ようやくここ数年、国民に笑顔がたえないほど、平安の日々の中にあると言ってよい。

 ミリアンルーン殿下 ── 通称ミリンは、この国の次代王位継承者、つまりいつか王となり国を治める王女である。

 だが、国内の治安回復や経済復興にかまける間に、先代王の御代より見逃されてきた問題もあった。それは国の北端で唯一確認されてきた魔王の巣から、力を蓄えていた魔王が決起。歴史始まって以来類を見ない、約二万からの大規模魔王軍(ディアポロリウム)を擁して挙兵したこと。その魔王軍(ディアポロリウム)が自らの跡継ぎ誕生の供物に、人間がよりどころとしてすがる聖脈(ホリアダー)の発現である、聖泉(ホリフォンズ)を奪取せんとの暴挙だ。

 彼ら魔族(ディアボロス)にとって、天敵でもある聖泉(ホリフォンズ)を人間から奪おうなどと動いた戦闘は、人類の歴史上例を見なかった。だがその予言を外したことのない悪魔エリゴス侯爵が、やがて生まれ落ちる魔王ガレノスの跡継ぎについて仰天の予言をする。なんとそいつは、すべての魔族(ディアボロス)が忌避と恐れる、聖泉(ホリフォンズ)をも取り込む新世代の魔族(ディアボロス)。いずれは地上の覇者として君臨するという、とんでもない存在であったのだ。

 ハルン大陸における人心のよりどころとして、国家の枠を超え存在する教会(エクレジア)組織は、その事態を大いに憂慮する。そして大陸一の勇者(ブレイバリーズ)と呼び声の高い、ゴードフロイ=ブイロンを隊長とした教会軍(カルタジニアス)が編成された。しかも、奥の手とも言われるセントニコラとセントジョーゼフの二大聖人を後方支援につけ、王国へ送り込んできたのだ。

 一万七千の魔族(ディアボロス)の大軍に対し、全土の貴族から選りすぐられたとはいえ、王国軍三千と教会(エクレジア)精鋭軍二千の混成部隊は圧倒的劣勢。急遽、魔王城(ディアボリオン)に残った魔王ガレノスを、少数精鋭で討ち果たす策が練られる。幸い王国には、十数年前から不死身の超人マーガレッタ=アンティオーチが復興のため送り込まれ、近衛隊長として就任していた。勇者と二聖人に加え、このマーガレッタを核に、少数精鋭の陽動部隊が協力して魔王城(ディアボリオン)を急襲する魔王討伐作戦が決行されたのだ。

 作戦は順調に進められ、魔王城(ディアボリオン)に残された幹部悪魔エリゴスと、三千の魔族(ディアボロス)のほとんどはおびき出せる。だが魔王城(ディアボリオン)には若干の側近、魔王ガレノス援護の魔物たちと、最高位悪魔の噂が高い、客人待遇(ホスピタレイティブ)のサタンが残っていた。

 空飛ぶ聖人セントニコラ=ミラリキアの手引きにより、魔王城(ディアボリオン)に奴隷の姿で潜り込んだマーガレッタとゴードフロイ。彼らは部隊の決死の陽動作戦によっておびき出したタイミングで決起、各自自慢の獲物一つで魔王ガレノス討伐に名乗りを上げる。ちょうど陽動部隊が現れる直前、魔王城(ディアボリオン)の前庭ではサターンナリア祭が開催されて、幸運にもサタンと思われる魔族(ディアボロス)は泥酔状態。魔王ガレノス援護の魔族(ディアボロス)も屈強な者は残されなかったようで、二人の超人(インクレディーズ)に追い詰められて魔王ガレノスにも王手がかかった。

 だがその修羅場へ、予定外にも飛び込んできた真王の息子 ── 実は王配レオルド卿の連れ子 ── アレサンドロ。王国一級の剣士と呼び声が高いとはいえ、腕前から考えて無謀このうえない、泥酔していたサタンへ斬りかかる。むろん相手は最高位悪魔とも言われるサタン、寝た子を起こす形で返り討ちに遭い、力及ばず意識不明に。

 さらに、魔王すら(とど)めを刺されかける現状もすぐに理解したサタンは、最恐最悪(ベイシアウシャ)と呼び声高い最終兵器(アーマレターラ)レヴィアタンを発動させた。だがとき既に遅く魔王は滅ぼされ、聖人セントジョーゼフ=クペルチノ操る、海神(わだつみ)シンタクロースに挑みかかられるレヴィアタン。

 不思議にもあっけなく破れたサタンは、魔王城(ディアボリオン)とともに海底深く沈んでしまったのだ。同時に、王都を取り巻く一万七千の魔王軍(ディアポロリウム)と、魔王城(ディアボリオン)周辺の魔族(ディアボロス)たちも全員消滅、かくして急襲部隊は帰途につく。


 勝利は得たものの、ミリンの兄でもあるアレサンドロが、命までは失ってないとはいえ、意識が戻らぬ(むくろ)のままの凱旋だった。兄の変わり果てた姿を見て嘆き悲しむであろう妹殿下。凱旋の道中 ── 魔王城(ディアボリオン)を発って王都に至るおよそ六日間 ── 近衛隊長マーガレッタは、責任感からその心痛を察して悩んだ。ちょうど王都に到着する直前、魔王城(ディアボリオン)で食材だった卵から孵化した、冷血獣(ヘテロサム)の珍種を見いだす。持ち出したのは、助け出した奴隷に混ざっていた魔族(ディアボロス)のまかない方下僕、自称料理人の異邦人、ユスカリオだ。マーガレッタはこれを、国内でも随一と呼び声の高い冷血獣(ヘテロサム)マニアの、ミリンに献上するよう薦める。



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