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深夜

 くぐもった呻き声と血の匂いが、

 少年を目覚めさせる。

 ベッドから身を起こすと、

 傍らには詐欺師が立ち、

 詐欺師の視線の先には、

 腕を切り落とされた騎士が膝をついている。

 説明を求める少年の瞳に、

 詐欺師は楽しそうに答えた。


「真相は本人に語ってもらおう。

 きっと今頃、

 オレたちを始末したって報告を、

 首を長くして待っているだろうからな」




 詐欺師は扉を蹴破り、

 部屋の中へと踏み込む。

 領主は執務椅子から立ち上がり、

 上ずった声で叫ぶ。


「ぶ、無礼であろう!

 いくら客人とはいえ、

 許されることではないぞ!」


 詐欺師は領主の言葉を意に介さず、

 横柄な態度で言った。


「『狂魔の笛』はどこにある?」


 領主の顔色が瞬時に青ざめ、

 両目が驚きに見開かれる。

 そしてその手はそっと、

 机の引き出しに触れていた。

 詐欺師は領主を突き飛ばし、

 引き出しの中から一つの笛を取り出す。

 何かの骨で作られた、

 醜悪な形の小さな笛。

 領主は床に伏して哀願する。


「どうか、どうか、

 このことは内密に!」


 詐欺師はにっこりと笑って言った。


「もちろん、

 そいつはあんたの財布と相談だ」


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