表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/289

朱峰将軍

 関の守将は

 すぐさま州都へと使いを走らせ、

 少年たちは客人待遇で

 関に留め置かれた。

 翌日には州都から、

 王子を迎えるための兵が到着する。

 兵たちは鮮やかな朱色の鎧に身を包み、

 その一団の先頭には

 精悍な顔つきの将が立っていた。


「無事の御帰還、

 祝着にございます、

 殿下」


 将はうやうやしく膝を折る。

 この男こそ、

 岳北州を治める朱峰将軍に違いなかった。

 兵たちも将軍に倣い

 地面に膝をついた。


「魔物どもの侵略より

 よくぞこの地を守ってくれた。

 その働き、

 見事であった」


 王子は鷹揚にうなずいてみせる。

 それはある種の儀式であったろう。

 朱峰将軍が敬意を示すことで

 都から逃れた王子は

 まだ王子足りうるのだと

 兵たちに示す必要がある。

 王子が将軍を労うことで

 王子は将を率いる器であることを

 世に示す必要があるのだ。


「まずは我が城においでください。

 今、我が国で

 もっとも安全な場所でございますゆえ」


 朱峰将軍は立ち上がり、

 用意した豪華な馬車を示した。

 王子は礼を言い

 馬車に乗り込む。

 朱峰将軍は少年たちを見渡すと、

 人懐こい笑みを浮かべた。


「殿下を守ってくれたこと、

 感謝に堪えぬ。

 どうかお主らも

 我が城へ参られよ。

 ささやかながら

 謝礼も渡せよう」


 少年はうなずき、

 兵たちと共に州都へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ