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悲鳴
魔物の断末魔が森に響く。
一体は赤い炎に包まれて炭化し、
一体は詐欺師の短剣に喉を裂かれた。
少年に向けられた槍の穂先が、
仲間の死によってわずかに揺らぐ。
少年の剣がその機を捉え、
鷹人の槍を両断した。
鷹人の目が見開かれ、
少年が剣を水平に構える。
その突きが鷹人の心臓に狙いを定め――
「やめてっ!」
不意に、
少女の悲鳴が森を渡る。
少年の身体が動きを止め、
その一瞬の隙を突き、
鷹人は翼を羽ばたかせ
飛び去って行った。
少年たちは一斉に
少女の顔を見つめる。
恐怖に怯える少女は、
少年たちに背を向け、
逃げていく。
「待ってくれ!」
少年たちは少女の背を追い、
再び森を駆けて行った。




