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領主
閉ざされていた門が開き、
町を守る兵士たちが姿を現す。
魔物の群れが逃げ去ったことを確認し、
安堵と歓喜の声を上げる。
幾人かの兵士が少年に駆け寄り、
その強さと勇気を讃えた。
やがて一人の若者が少年の前に進み出る。
周囲の兵士たちはその若者に膝を折った。
若者は言う。
「私はこの町の領主である。
勇者よ。
我が町の危機を救ってくれたこと、
深く感謝する。
ささやかではあるが、
宴席を設けよう。
本日はぜひ、
我が屋敷に参られよ」
少年が固辞するよりも先に、
詐欺師が了承の意を示し、
二人は領主の屋敷に招かれることとなった。




