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落胆
村長は少年たちの戸惑いを見て取り、
落胆を顔に浮かべた。
少年は尋ねる。
「予言の勇者、とは?」
予言の勇者とは、
創世の神である光竜主の加護を受け、
魔物の軍勢を打ち破り
世界に光を取り戻すと予言された
一人の少年のことであるという。
村長は小さく首を振り、
「聞けば予言の勇者には
三人の従者があるという。
あなた方とは人数が合わなんだな。
だが義勇の士とは心強い。
今日はゆるりと疲れを癒されよ。
我らは皆様を歓迎いたす」
落胆を隠す笑顔で
村長は少年たちを村に招き入れた。
宿までの道すがら、
少年は村長に
村の近くで会った少女のことを聞いた。
村長はわずかに顔をしかめる。
「あれは罪人の子じゃ。
村に入ることは許されず、
外れの小屋に住んでおる。
あのような者には
関わらぬがよろしかろう」
村長の冷淡な横顔を
釈然としない思いを抱えて
少年は見つめていた。




