38/289
決着
上半身を自らの血に染めて、
虎人はよろめきながら数歩、
後ろに下がる。
少年の小剣は虎人の首を切り裂き、
その傷口から命がこぼれていく。
「見事」
虎人はかすれた声で少年に言った。
「だが、種は撒いた。
私の役割は、
もう、
終わっている」
その言葉を最後に、
虎人の身体が膝から崩れ落ち、
やがて物言わぬ骸となった。
少年は小剣の血を払い、
冷酷な瞳で虎人を見下ろす。
小剣を鞘に納め、
虎人の骸の向こうにある長剣を拾うと、
少年は次に斬るべき相手を見据えた。
少年の視線の先に、
うなだれて地面に座り込む、
商人の姿がある。




