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仲間
「これからどうするの?」
踊り子は少年に問う。
少年は魔王を討伐するために旅をしていること、
山の国へ赴き魔物と戦うつもりであることを告げた。
踊り子はふうん、と少し考えるような仕草をすると、
「私も行くわ」
そう言ってにっこりと笑った。
「はぁ?
どういうつもりだ、
冗談じゃねぇ!」
詐欺師が慌てて割って入る。
踊り子はさも当然というように話を続ける。
「砂漠の女は義理堅いのよ。
命まで救われて、
用が済んだらさようなら、なんて
できるわけないでしょう?」
「そっちのこだわりなんぞ知るかよ。
あんたみたいなトラブルメーカー、
連れていけるわけねぇだろう!」
詐欺師の言葉が気に障ったのか、
踊り子はムッとした表情で食って掛かる。
「誰がトラブルメーカーよ!
私のどこが悪いのか、
具体的に言ってみなさい」
「教育に悪いんだよこの露出狂!」
「ろ、な、
ちょっと今なんつったこの無精ヒゲ!」
ぎゃあぎゃあと言い争いを始めた二人に、
わずかに笑みを浮かべて、
少年は言った。
「どっちでもいい。
ついてきたければ来ればいいし、
嫌になったら別れればいい」
そして少年は歩き出す。
二人は言い争いを続けながら、
少年の後をついていく。
山の国はまだ、はるかに遠い。




