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弔い
町を見下ろす丘の上に、
三人は少女の亡骸を運んだ。
空には青く輝く星が煌めいている。
踊り子は少女の首から首飾りをそっと外し、
自らの首に掛けた。
そして少女の骸に手をかざすと、
祈るように言葉を紡いだ。
「マナよ。
万物の意味の器よ。
浄化せしめよ。
聖なる青き炎を以て、
死者の悲嘆を焼き尽くし、
その御魂を安らかならしめよ」
少女を青い炎が包み、
その骸を焼いていく。
踊り子は空を見上げ、
誰にともなく呟いた。
「炎は風を起こし、
風は魂を空へと運んでいく。
青く輝く星には
豊かな水を湛えたオアシスがあって、
死者の魂はそこで幸せに暮らすのよ」
炎は徐々に小さくなり、
やがて完全に消えた。
少女の亡骸はもはやそこになく、
骨の欠片さえ残ってはいなかった。
踊り子はガラスの首飾りに手を当て、
厳かに告げた。
「我、
汝の悲嘆を忘れず、
汝の痛苦を忘れず、
汝の無念を忘れず、
汝のありうべき未来を忘れじ。
命尽きるとも、
必ずや愚者どもに報いを与えん」
それは『死の誓い』と呼ばれる、
砂漠の国の民に伝わる儀式だった。




