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謝罪
安宿の一階にある食堂で、
遅い夕食にありつく少年に、
踊り子が声を掛ける。
「無事だったのね。
驚いた」
ひどい言い草だ、と呟く少年を無視して、
踊り子は少年の隣に座った。
「うちの相棒を、
あんまりからかわないでくれよ」
少年の向かいに座る詐欺師が、
踊り子に言った。
冗談めかした口調と裏腹に、
その目は鋭く踊り子を見据えている。
「心配しないで。
お礼を言いたくて捜していただけよ。
変なことに巻き込んでしまって、
ごめんなさいね」
詐欺師の視線を軽く受け流し、
踊り子は少年に頭を下げた。
思いがけぬ素直な謝罪に毒気を抜かれたのか、
少年は首を横に振る。
詐欺師は軽く鼻を鳴らすと、
少し声を落として言った。
「あんた一体、何をやらかした?」




