再会
数日の荷馬車の旅を終え
少年たちは谷の国の都に入った。
竜爪渓谷の第三爪、
国のほぼ中央に穿たれた
深い谷の底に
その都はあった。
謁見の間に
縄を打たれたままの詐欺師が引き出され、
少年たちが後に続く。
玉座には
二十歳を過ぎたばかりであろう
この国の女王が、
無表情に詐欺師を見下ろしている。
権威を示す王冠も
威厳を表す赤いマントも
どこか馴染まぬその姿は、
むしろ女王の幼さを強調していた。
「元王室警護隊の長たる者が、
無様な姿ではないか」
無理に作った冷厳さで
女王が詐欺師に言った。
詐欺師は女王を見上げ、
小馬鹿にしたように笑う。
「ご存じないのですか?
東の国じゃ
コイツが流行だ」
「えっ?」
打たれた縄を見せつけるように
身体をのけぞらせる詐欺師に、
女王は思わず声を上げ、
目を丸くする。
詐欺師が意地の悪い顔で
女王をにやりと見つめた。
女王の顔に
サッと朱が上る。
「……お前という男は、
相も変わらず……!」
苦々しく奥歯を噛み、
女王は詐欺師をにらみつける。
詐欺師は何事もなかったように
うやうやしく頭を下げた。
「失礼いたしました、
殿下。
あまりに理不尽な方法で
ここに連れてこられたもので」
「……もう、
殿下ではない」
不快そうに顔をしかめ、
女王は縄を持つ将に向かって
目線で合図を送った。
将が詐欺師の縄を解く。
わざとらしく身体をほぐし、
詐欺師は何の反省もない態度で
「重ねて失礼を」
と謝罪した。




