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6話 女友達

※申し訳ありません。5話、途中更新になってました。反省の6話目です。


「私と一緒に、いれなくなるのに?」


成る程、ちーちゃんが言いたかったのはそういうことか。


ちーちゃんと野之道さんが仲良くなってしまったら、そっちに気を取られて僕との時間がなくなると思ったんだ。


ちーちゃんとしてはそれは嫌なのに、僕が受け入れようとしてたから怒ってた、というわけだ。


だとしたらちーちゃん、1つ勘違いしてる。


「ちーちゃんと一緒にいられないのは嫌だな」

「だ、だったら!」

「うん、だから僕も一緒に3人で仲良くしたいな」


表情が綻びかけたちーちゃんが首を傾げ始める。


「野之道さんと遊ぶときがあったら、僕も呼んでほしい。そしたらちーちゃんとは一緒にいられるからさ」

「ちょっと待ってくださいまし。ということは、わたくしが千雪さんと親しくなっても2人きりでイチャイチャできないのですか?」


僕とちーちゃんの会話に突如入ってきた野之道さん。言葉のチョイスはともかく、言い分は尤もである。

言葉のチョイスのせいで、ちーちゃんが僕の制服を掴む力が上がったような気がするけど。


「ううん、もちろんちーちゃんが野乃道さんと2人で遊びたいって言ったら僕は邪魔しないよ」

「そんなのあり得ない。私は朋矢がいればいいの」

「がーん!」


ちーちゃんがはっきり断言したため、野之道さんは分かりやすく気落ちしてしまった。


確かに友達になりたい相手に否定されると悲しいかもしれないけど、そこで諦めたら前へは進めない。ちーちゃん相手だと尚更だ。


「ふ、ふふ、ふふふ」


しかしながら、ツインテールと一緒に頭を垂れていた野之道さんから、少々気味の悪い声が漏れ出ていた。


「……戦ですわ。廣瀬さんから千雪さんとの時間を奪う戦ですわ。地道に千雪さんにアプローチして、一緒にいられる時間を増やすのです。最初は廣瀬さん同伴でも構いません、最終的に千雪さんと2人でお出掛けさえできれば!」


ぶつぶつ小声で何かを言っていた野之道さんが、不意にパッと顔を上げる。この数秒間に何があったのか、表情はとても明るかった。


「良いでしょう、たとえ遊ぶのが3人でも。千雪さんが望まれるなら本望です!」


どうやらしばらくは3人一緒でも問題ないことにしたらしい。野乃道さん、ちーちゃんと仲良くなってくれるといいな。やっぱりちーちゃんに女の子の友達はいて欲しいよ。


「そもそも仲良くしない。私は朋矢と遊ぶ」

「ガハッ!」


一緒に遊ぶどころか仲良くする気もないちーちゃんの言葉に、身体を大きくぐらつかせる野之道さん。先程よりつらそうな表情を浮かべているように思えたが、



「ふふふ、さすがは千雪さん、そう簡単には心は開いてくれませんか。いいでしょう、壁は高いほど乗り越えがいがあるというものです!」



野之道さんは全然めげていなかった。その強靭な精神力はどうやって鍛えられたのか。


とはいえ、容赦のないちーちゃん相手でもすぐ復帰できる野之道さんなら、クラス内でのちーちゃんを任せられると思った。後はちーちゃんが野之道さんを許容してくれるかどうかだけど……



「朋矢、この人ぶつぶつ怖い……」



現状は悲しいくらいに展望がなかった。彼女の自業自得があるとはいえ、ちょっとだけ野之道さんに同情してしまうのであった。

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