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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第1章 気づけなかった僕の過ち
9/85

能力の安定、暴走2

翌日、一樹は昨日の返事を出すため、生徒会室にやってきていた。



「生徒会に入ろうと思います。」



「そうか、それは良かった。」



一樹の出した答えはこれだった。

二人が何やら気になることを言っていたが、生徒会に入ることはいいことだと思う。

生徒会長が、僕のことを嫌いに思っていようがいまいが、それは関係ない。

いい機会だ。

自分の成長に使おう。



「早速で悪いんだが、この書類をまとめておいてくれないか?」



「分かりました。」



見ると書類というのは分かるのだが、書いてあることが良く分からない。

何の書類だろう。

グラフや図がたくさん書かれている。



「僕は、今月行われる生徒会選挙の大事な会議がある。後のことは頼んだ。」



「あ、、、」



書類のことについて尋ねたかったのに。

行ってしまった。

他の人に聞くか。

生徒会室には現在4人いて、内訳は書記が2人、補佐が2人だ。

ここにいない人たちの内訳は、会長が1人、副会長が2人、会計が2人となっている。



「あの、これは何の書類なんですか?」



「、、、」



反応なし。



「、、、すいません、何の書類なんですか?」



少し大きな声で言う。

聞こえなかったのだろう。



「、、、」



反応なし。




耳が聞こえないのか。

なら、他の人はどうだ?

聞いてみよう。

・・・・・・

そこで僕は気づく。

なぜ誰もこちらに注目していない?

今、そこそこ大きな声を出したはずだ。

それに僕が生徒会室に入ってから喋ったのは、生徒会長だけ。

他の人たちは、誰一人として口を開いていない。

なぜだ。

出ていった生徒会長の言葉。



「後のことは頼んだ。」



その言葉を発した生徒会長は僕のほうを向いていなかった。

そこで、データを一生懸命に入力している生徒に向けて、言葉を発していた。

一体何を。

その瞬間。

生徒会室にいる全員がこちらを向いた。

感情がこもっておらず、とても人間に向けるものとは思えない。



「お前が知る必要はない、実験動物風情が。」



首に痛み。

何かを打たれた。

前も同じようなことが。

考える前に意識が途絶えた。



------------------------------------------------------------------------------------


中央管理施設。

モニターには、生徒会室で研究者達に囲まれている一樹が写っていた。

横には結果を見守る大悟の姿が。



「気持ち悪いですね、この能力。」



「だから、兵器として有効利用するんだ。」



「実験室を生徒会室、研究者たちを生徒会の人間とみて、危険を回避しようとするなんて。」



「先日、新しく仕込んだ薬、その効果を見るためにここに呼んだ。」



「薬の効果がここまでとは、ただでさえ異常な力だというのに。」



大悟の横のアルミ棚。

その中に新薬が収められている。

ラベルが貼ってあり、詳細情報が並んでいた。

製造日時、時間、製造者など。



製造日時  2050年10月25日

時間    午前2時33分

製造者   九重雅子


一樹の認識下ではもういない。

死んだことになっている母が作った新薬である。





物語の核心に近い部分です。

これ以上は語れないです。

またよろしくお願いします。読んでいただきありがとうございました。

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