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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第8章 それでも進むしかない
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姉妹は離れない

「隠したっていうのは、少し誤解があるかも。」




「え?」




「別に、殺したりしたわけじゃない。ただ、帰ってもらっただけ。」




「帰ってもらったって、家に?」




「そう。だからこの施設内には、今回の関係者しか残っていない。」




「何のために?」




「決めたから、しっかり話すって。」




その相手は、もう目と鼻の先。

その息遣いが、心音が、体温がここまで伝わってくるほどの近さ。

若葉の告白により、一時は分かたれてしまった。

その場の勢いでの、告白だった。

何もあんな場所で告白する必要はあったのか?

そのことを考えた。

出した結果が、今ここにいる理由。

あと一歩踏み出せ。


不意に音の方向が変わる。

そして。




「若葉?」




今一番会いたい人物が、そこにいた。

向かうの方から、出てきてくれた。

若葉から見た奏の様子は、憔悴しているように見受けられた。

あの遺体を、見てしまったのだろう。

恐らく私よりも、近くで。

でも、その中に光も見えた。

前に進もうと、必死に足掻き、苦戦している。

その姿は、以前の姉と変わらない。


奏から見た若葉の様子は、以前と変わらない。

そこにいたのは、いつもそばにいてくれた妹。

変わらず、そこには優しさがあり、慈愛に満ちていた。

その間に気づく。

変わらない中に見え隠れする、たくましさを。

もう守られるだけではないんだろう。

それには、嬉しさと悲しさがあった。




「お姉ちゃん、、、」




声の震えが自分でもしっかりと感じ取れる。

それは、奏も同様であった。


ここからだ。

たった一言。

一緒に帰りたいと。

そう言えば、全ては終わる。

だがその前に。




「若葉、一緒に帰ろう?」




口をついて出たのは、そんな俗な言葉。

再会を願っていた、待ち望んでいた、

それにしては、簡素なものだろう。

でも。

この言葉で通じる。

そんな確信があった。

幼い頃から、一緒に過ごしてきて、

片時も離れたことない私達だから、通じ合える。

現に、若葉は。




「うん。」




ひらがな二文字の返答。

この真意も奏と同じものだ。

この言葉で通じる。

余計な言葉は、私たちの間にはいらない。

それを暗に示している。




私達の再会の瞬間も、非常に単純で明快だった。


単純な再会です。

色々書けることは、あると思いますが、こんなものだと思います。

だって、待ち望んでいた再会なわけですから。

読んでいただきありがとうございました。

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