視線から逃れる
「お前の妹が行きそうな場所に心当たりはないのか?」
「、、、この施設からは、出てないと思う、それだけ、、」
早くも行き詰ってしまった。
別れた後の若葉が、何処に行ったのか分からない。
そこさえ分かれば、行動に移せるのだが、、、
「ちょうど使えそうなものが、ここにはたくさんあるよ。」
俊が周りを指さす。
そうだった。
ここには、たくさんの監視カメラ。
それを出力しているモニターがある。
ここで、何か異常が見つかったところに行く。
ひと先ずはそれでいいだろう。
数は多いが、全員で当たればすぐ見つかる。
そして。
その思惑通り、異常はすぐに見つかった。
「ここって、あそこのことよね?」
弓子が、指さしたモニター。
そこが映し出しているのは、例の場所。
章と一樹の最期の場所。
位置としては、真上から見下ろしている形。
何か遺品がないか探っただけで、場所までは動かしていない。
だから。
映像に、遺体が二つ写ってないと、辻褄が合わない。
その遺体が、映像からでは確認できない。
一体どこへ?
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大悟たちが、すぐ行動に移したこと。
それは、遺体の移動。
すぐ上に監視カメラがある。
誰かに、今この瞬間も見られている可能性があるということだ。
僕たちも、この二つの遺体も。
僕たちは構わないが、この二つの遺体は。
あまりにも哀れだ。
せめて、人目の届きにくいところに。
「運ぼう。」
「、、、はい。」
僕の視線を追って、監視カメラに気づいたらしい。
すぐに意図を汲み取ってくれた。
まずは、近くの教室に。
掃除用具が入っている場所の裏側。
軽く掃除をする。
一通り、終わったところで遺体を静かに安置する。
分かりにくいようにバリケードを作り、目立たなくした。
これでいいはずだ。
「何処に行く?」
「、、、たぶん、あの時、見張りが二人いた場所。そこに皆いると思います。」
「見張り?そんな場所が?」
「はい。」
若葉は奏に近づきつつあった。
今回は、軽めに御挨拶。
読んでいただきありがとうございました。




