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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第8章 それでも進むしかない
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たった一人の妹

九重雅子。

彼女が軍事利用の方面のリーダーを務めていた。

これは、かなり大きな情報に違いない。



「ざっと見た感じでは、こんなところ?」



「まだまだ探せば出てくると思うのだけれど。」



「細かいところも見ていこう。」



研究対象者リストがあった机の上には、写真が飾られていた。

皆白衣を着て、整然と並んでいる写真。

どこかで見たことがある。

間違いない。

あれだろう。

奏は、ポケットの中から取り出し確認する。




「やっぱり、、、」



「どうしたの?」



「何かあった?」



「これ、、貴方たちに会う前に、見つけてたの。」



「今となっては、一人だけのものになっちゃったけどね。」



結局、私一人。

そこに協力者の彼らがいてくれるから、まだ寂しくはないけど。

この施設に入った時は、皆がいた。

誰一人として欠けることなく。

そこにいたんだ。

存在が。

でも、皆バラバラになってしまった。

リーダーは、息子と刺し違え、

若葉は、私の元を去った。

もう戻らないのか?



「、、、若葉、、」



たった一人の妹。

かけがえのない存在。

離れ離れになったことなんて、一度もなかった。

これは、本末転倒の話になってしまうかもしれないが。

そもそも、こんな場所に来たのが間違いだったのでは?

あの場で決めた覚悟。

あんなものがなければ、リーダーも若葉も。

みんな幸せだったのでは?

そんな自問自答が、頭の中を堂々巡りする。



情報は手に入った。

世間に公開すれば、この施設の実態が明るみに出るだろう。

このままもう帰ることもできる。

一人で初めから、やり直すこともできる。

そこに、元の形はないけれど。

でも、少し行動すれば。

まだ生きているはずの若葉は?

ここに置き去りにしていくのか?



いいや、そんなことできるはずもない。

探し出し、

説得して、

連れ帰る。

それだけのことが出来ずして、綺麗には終われない。

となると。



「二人とも、お願いしてもいいかな?」



「何かしら?」



「どうしたの?」



「妹を連れて帰りたい。」



「、、、なんだそんなこと。」



「やっとか。」



弓子と俊は、さも当然のように口に出す。



「やるなら早くしよう。」



こうして、三人は、若葉の捜索を開始した。








奏の思いが爆発します。

やっぱり、家族は揃わないと。

読んでいただきありがとうございました。

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