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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第7章 舞台裏
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次の獲物

会話はまだ続く。

途切れ途切れになりながら。




「嘘じゃないよ、ほら、これ見て。」



何だ?

何かを見せているのか?

人?

物?

それ以外の何か?



「、、、一樹、、やっと会える、、、、」



一樹だと?

九重一樹がそこにいるのか?

いや。

それは違うか、、、

こっちに来る前に見た。

見張りが厳重なところの先。

そこに一樹はいる。

ということは、映像か何か見せているのか。



「会いたい?そうだよね、長い間探してきたんだもんね。」



「やっと家族の顔がそろうってことだもん、感動するのは当たり前だよ。」



「あぁ、お前が誰かはもうこの際どうでもいい。だから、早く会わせてくれ!」



この距離からでも、明瞭に聞こえるほどの声量。

意思がはっきりと伝わってくる。

長年の経験がそうさせているのだろう。



「なら、、、私がこんな奥まったところに、ある教室に連れてきた意味は分かるよね?」



空気が変わった。

淡々とした口調の中に、一つ。

黒いものが見え隠れしている。

全てを呑み込もうとしている。

このままでは、まずい。

悪い予感が。



「、、、意味、、、?」



「分かってるでしょ、これは家族の問題なの。」



「家族の間で解決されるべき問題。」



「なら、家族じゃない人物、貴方と親しい人たちは?」



「、、、、分かるわよね、、、そう、、」



「全く関係ないの、だから。」



「これは、かつてのここの主任、大宮大悟を傷つけたこともあるナイフ。殺すまではしなかった。腐っても、元主任。その頭脳は、使わせてもらっている。今はとある教室で学生の真似事をしているの。」



「能力があるなら、再利用する。それがこの施設。でも、なければ?」



「いらない。そんなものは。」



「だから、このナイフを使って。」



「貴方に付きまとっているあの二人の女。あの二人がいなければ、私たちは再び家族という枠組みになれる。」



「やらないと、会えないわよ。家族3人で。」




こいつは本気だ。

間違いない。

消そうとしている。

家族だ何だと言って。

しかもそれを本人にやらせるとは。



意識を男の方に集中してみてみる。

内部へ。

内部へ。

もっと奥深く。

そのさらに先まで。

この男は今、何を思っている?

目の前のナイフ。

それを差し出した新型研究員。

この状況で何をする?




「まず、その猿芝居だよ!」




声を張り上げる。

一瞬のことだった。



「痛っ、、、!」



男の方が、襲い掛かっている。

声しか聞こえないが、嫌な音が伝わる。

何かを必死に動かしている。

それに連動して、新型研究員の声が。

はっきりと聞き取れていた声も、次第に意味を持たないものになり、

やがて聞こえなくなった。

しばらく、同じ音のみが聞こえる。

そして。

その下で、軽めの衝撃音。

何かが経ち切れた。


音だけでも、事態の把握は容易だっただろう。

イレギュラーが起きた。

そう考えるべきだ。


逃げないと。

逃げないと、次は、、、

だが。

大悟の行動は少し遅かった。

扉が開かれる。

白衣の元の色が分からないほどに、血で染まった男が出てきた。

手には、ナイフ。

真紅に光り輝いている。

大悟は、息を潜める。

男は、洗面台で洗い落としているようだ。

頼む。

そのまま。

そのまま。

行ってくれ。

一通りの洗浄が終わったらしい。

男は、大悟とは反対方向に歩き出す。

それと同時に、口を開く。




「お前も邪魔をするのか。」




その顔は、決意に満ちていた。




















例のシーンです。

大悟側では、声しか聞こえないので簡素なつくりにはなっています。

この段階の章は、歯止めがききません。

次回どうなるのか?

読んでいただきありがとうございました。

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