能力と頭脳
扉に隠れ聞いたこと。
それは、事実の再確認だった。
また、この情報を得たことは、正解を意味しているだろう。
この二人を見つけた時、迷わないでよかった。
こっちに来てよかった。
そう思った。
話は、まだ続く。
「僕たちも影で動いていた。そして、その真実に気付いた。」
「だが、だからといってそれを本人に悟られるわけにはいかない。だから、」
「ごめんね、急ぎすぎた。確認したいことは?」
「飛び降りたのは、大宮大悟。そして、今現在ここの主任研究員をしているのが九重一樹。これに間違いはないってこと?」
「そう、これも情報の食い違いと一樹自身の能力が生んだ結果だ。」
一樹の能力。
こいつらは、知っている?
「思い返してみてくれ、まず君のリーダーは偶然その場にいて飛び降りたのを見た。だけど、そこでは誰が飛び降りたのかは分かっていない状況なんだ。」
何てお粗末な。
そこで、何故確認しなかった。
「そう、だから私達が調べた。誰が飛び降りたのかを。そして、それはすぐに判明した。ある報道機関からの情報で九重一樹で間違いないとのことだった。」
「単純なことさ、君のリーダー以外は真実を見ることが出来ていない。なら、その報道機関は?」
「この情報は真実なんかじゃない?そういうことになる?」
「そう、情報は持ち帰られたが、報道されることはなかった。あの場にあれだけの数の人間がいたにもかかわらず。」
不特定多数を巻き込める能力?
それにより、情報が制限された?
「報道機関だけじゃない、警察の対応も見ていて不思議だった。」
国家権力すらも凌駕する力か。
たった一人の人間が。
「特に大した検査もせずに、その生徒が持っていたものだけで、断定した。」
「生徒手帳さ、これも一樹の作戦の内だったらしい。」
能力。
それに加え、その頭脳。
九重一樹。
改めて思うが、何て奴だ。
「もちろん、本来ならこんなずさんな捜査はありえない。」
「一樹の能力があってこそだ。」
話はここで終わる。
二人の間に、静寂。
大悟は。
決めた。
あの二人についていこう。
だが、何かあった時に顔を知られているとまずい。
今の距離を常に保っていこう。
大悟が一樹の底知れなさを実感し、それと同時に打開策を思案します。
孤立してますが、着々と背後に忍び寄っています。
こんな感じでまた次回。
読んでいただきありがとうございました。




