死人との再会
「次はどうする?」
「、、、そうだね、、、2階に行ってみない?」
「動ける範囲は広い方がいいでしょ。」
現在地、1階の廊下。
視聴覚室を出てきたところだ。
資料室、視聴覚室と調べてきて分かったこと。
この学校には間違いなく一樹がいる。
その証拠の写真やそれに類するものも見つけた。
視聴覚室には特別変わった様子はなかった。
ただ先ほどまで誰かがいた雰囲気があり、プロジェクターから映像が流れっぱなしになっていた。
あれが何なのかだけ分からない。
「そうだよな、物事は広く考える。」
「2階を見てみてもいいかもしれない。」
付近の階段を探す。
ちょうど突き当たりにあった。
一段一段恐る恐る駆け上がる。
暗闇が近づいてくる。
近づいてくる。
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階段に向かう二人を物陰からうかがう者が一人。
その足取りは階段に一直線で、非常に不用心。
どこで手を出そうかと考えていたが、心配は無用だったらしい。
いつでも分断できそうだ。
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階段の踊り場まで足取りを進める。
ここから様子を観察してみる。
ここから見た1階。
歩いてきた道だけあって、比較的慣れてしまった。
あれだけ暗いと思っていた道が、心なしか明るく見える。
そして。
ここから2階を見る。
ここは違う場所だ。
先ほどまでとは比較できない。
無機質な空気だけが流れていて、自分たちの心音以外、音一つしない。
思わず足がすくむ。
覚悟は決めてきたはずなのに。
「、、、なぁ、何か感じないか?」
「、、、?、、特には。」
「、、、奏、、しつこいようだが聞いてもいいか?」
「うん、何?」
「ここから先は、もう違う空間だ。1階とはわけが違うと思う。」
「引き返そうと思っても簡単にはできないだろう。」
「それでもいいか?」
「、、当たり前じゃん、、それ聞くの何回目って感じ。」
「ついてくよ、最後まで。若葉も同じ気持ちのはず。」
「分かったら、早く行こう、ね?」
奏が手を差し出す。
あぁこれか、これのおかげで今までやってこれた。
限界を感じても、こいつが傍にいてくれた。
怖いことがあると、今みたいに手を貸してくれる。
そんな奏に支えてこられた。
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行こう、この場所に一樹はいる。
奏の手を取ろうとする、、、?
?
手が宙を切る。
そこに奏の姿はない。
どうなっている?
奏はどこだ!
「これは家族の問題。そんな女の手を取ってどうするの?」
時が止まった、そんな気がした。
普通の人間ならこんな反応はしない。
こいつが普通ではないからだ。
だってこの声、この言葉遣い、この雰囲気。
ずっと同じ屋根の下で暮らしてきたから分かる。
でも、お前は。
「、、、、お前、なぜここにいる。」
「、、いや、雅子。お前はあの時、一樹の薬で死んだんじゃなかったのか?」
「何故今になって、、、」
あり得ないことも突然訪れる。
それが、願っていたことであれ、拒んでいたことであれ。
章と雅子の皮をかぶった研究員。
形は歪だが、再会した。
全く予期していない形で。
一樹と再会前にこんなことが待っていようとは、章の今後の展開が気になる終わり方でした。次回も盛り上げていきます。読んでいただきありがとうございました。




