洗脳
場所は中央管理施設。
その深部。
状況は刻一刻と進んでいた。
命じられた研究員たちは、準備を着々と行っていた。
全ては九重一樹のために。
「今、どうなっている?」
「侵入者たちは、資料室に侵入。女を見張りにつけて、室内を荒らした模様です。見張りの女は、廊下の奥から現れた人物と行動を共にし、他のグループとは別れたようです。」
「その人物っていうのは?」
「距離が遠く、画像が荒いため、現在画像処理中です。」
「急がせろ。」
「ええ、少しお待ちを。」
「それと残されたグループの現在なんですが、、、これ、視聴覚室ですよね?」
「!?」
「何だと。それは本当か。」
「見てくださいよ、これです。」
「、、、、これは偶然か?」
「どうしたんです?」
「いいや。忘れてくれ。こっちの話だ。」
視聴覚室。
大宮大悟にある映像を見せた場所。
そこで彼に生徒会に入らないかと持ち掛けた。
否、そう演じた。
あの演出も台本通りのはずだ。
知っている人間はほとんどいないはず。
あの映像の本当の効果。
それは、洗脳である。
事実あの瞬間、彼は完全に一樹の手中に落ちた。
幸福実現、皆と共に生きていく、個人の意思を尊重する、などといった公約が流れている。
どれも僕とは程遠いものだ。
僕とは違う人種が歩んだ道。
この時点で洗脳は完了していた。
誰も気づかないはずだ。
中央管理施設の深部にいるのが本当の一樹。
あの教室にいるのは、大宮大悟。
大丈夫だ。
上手くいっている。
だが。
「主任!画像の解析が終わりました。これです。」
そこにははっきりと俊が写っていた。
予想外のイレギュラー。
見張りの女と行動している。
「何故!この場で俊が出てくる!何故だ!」
油断していたわけじゃない。
想定外も考えていた。
だが、これは、、、
偶然だと思いたい。
しかし、周知のとおりその予想は裏切られる。
俊が一樹の本当の正体を見破り、それを見張りの女に伝えた。
外部の人間への漏洩。
そのことを一樹はまだ知らない。
あの謎の映像の本当の正体が明らかになります。かなり前から、深部に入っていた一樹。まだ章は知りません。再開の瞬間、果たしてどうなるのか?その時は、もう少し先です。次回もお楽しみに。読んでいただきありがとうございました。




