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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第3章 本当の姿
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変わるはず

弓子が真剣な眼差しを送っていた扉。

そこから誰かが出ていった。

誰だろう?

それが無性に気になった。

でも今はまだ授業中。

出ていったらまずいことになるかな。

ましてや僕は監視対象。

駄目か。

周りに目をやる。

静かだ。一様に同じ動作をしている。

上手く出れば、気づかれないはず。

慎重に、一歩ずつ。

慎重に。



「ほう?まだ何か行動を起こす意思はあったのか。」



教室後方。

そこから投げかけられる声。

新型研究員は、不思議そうな顔をしていた。

そうか。

こいつがいた。

さっきも目配せしていたじゃないか。



「別にお前がどう動こうが構わん、好きにしろ。」



「どうせここからは逃れられない。」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいのか?

それ以降、新型研究員はこちらに目を向けなくなった。

言葉の通り。

障害は取り除かれた。

遮るものがなければ進むだけだ。

僕は扉に手をかけた。

顔はなぜか色を取り戻していた。

本能なのか。

僕が自分の意志で助けを求めている。




教室前方の机。

出ていく人影を驚いた表情で見つめていた。

だが、それにとどまる。

これは想定通りだ。

俊の作戦はいい方向に響いている。

大宮大悟、九重一樹の真の正体を明かされたのは、あの時だ。

一樹。

そう思っていた人物に、数学を教わる。

その最中にそいつは急に頭痛を訴えて、苦しみだした。

俊と一緒に保健室に運ぶ。

その道中に放たれた言葉。



「やっぱり、そうだったのか。」



俊の言った言葉。

初めはどういうことか分からなかった。

その後、俊に意味を訪ねる。

言葉が出なかった。

今まで会話していた人物が別人で、一樹ではないと。

俊は、弓子に隠れて極秘裏に調べていたらしい。

この施設には秘密がある。

世間にはとても出せないような。

俊にはある確信があった。

調査の結果、一樹は幼少期に母親を殺害している。

それも自分で作成した薬で。

まるでプロの犯行のようにかなり計画されたものだったらしい。

実際、犯人はかなり几帳面な性格だった。

見たことはすぐに実践してしまうような。

積極性も持っていた。

この時点で俊は確信していた。

普段自分たちが会話している人物とは、違いすぎると。

普段接していた一樹といえば、大人しくすぐに悲観的になってしまうきらいがあった。

影に隠れて一人でひたすら思い悩む。

この二つが理由だ。

だが、これだけだとただ単に違う人物だと判明しただけである。

それでは意味がない。

本来の使命は、一樹をここから救い出すこと。

一樹に、それは悪だと諭さなければいけない。

しかし、私たちは本物の一樹の居場所を知らない。

どうすべきか?

この二人には、共通点がある。

それもこの作戦で、有効に働きそうなものが。

頭の良さである。

たったこれだけの要素で、誤認もしていた。

それが、打開策になる。

その為には、そいつを教室からとりあえず出すということが必要だった。

クリアだ。

先に進める。




以上が驚いた表情の理由だ。


タイトルを前話と対比させてみました。読めばタイトルの意味が見えてくると思います。実はこの手法もやってみたかったことの一つでもあります。楽しんでいただけたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。

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