接触
物事の整理には情報が大変重要となる。
その情報を知っていたかどうかで、その人の今後の人生に大きく影響を及ぼすことがある。
あの時、一樹がどういう心境であの事件を引き起こしたのか。
もっと情報を整理して、理解していればまた違う結果になったのかもしれない。
真実を求める会 本部
とあるビルの一室。
そこに本部が置かれている。
メンバーはたびたび集まって、事件解決に励んでいる。
章の息子の行方を調査中に、入ってきた情報。
とある施設の屋上から、章の息子である一樹が飛び降りた。
これをきっかけにして、再び本部は荒れることとなった。
といっても、現在活動が分かっているメンバーは章を含めて3人しかいない。
「はい、なんとかなりませんかね、、そうですか。分かりました。失礼します。」
「やっぱり駄目でした?」
「うん、そんなわけのわからん調査に協力はできないってさ。」
「こっちもです、、聞く耳すら持ってもらえない感じでした。」
「はぁ、、」
「、、、すいません。二人とも一回休憩にしませんか?」
そういうとお盆に乗ったお茶が差し出される。
俺は決まって、一番大きな椅子に座る。
この二人は、対面の長いソファに座っている。
ただでさえ顔の見分けがつきにくいのに、並ばれると余計に分からなくなる。
新藤奏。
昔からの古い付き合いで、誰も信じてくれない中、今回の飛び降り事件の調査に名乗り出てくれた。
また、それだけでなく、かなり前のころから一樹の行方探しにも協力してもらっている。
彼女の協力なしではここまで来れなかっただろう。
新藤若葉。
さっき、お茶を運んで来てくれた子だ。
奏の妹で、奏ととても仲がいい。
一樹の行方探しをしていたころはまだ赤ん坊だった。
高校生になった今、奏に付き添って調査に協力してくれている。
章への認識は、父親へ向ける感情に等しい。
奏、若葉の3人で歩いていた時には、家族に見間違えられたほどだ。
「やっぱりバックアップは得られなさそうだ、直接施設へ乗り込むときの保険にしようとかおもったんだが。」
「皆、あの施設が学校にしか見えていないっていう証拠ですよね。」
「でも、お前らの目にも学校として映っているんだろう?」
「そうですよー」
「本当に何なんだろうな、この現象は。」
「でも、リーダーが言うなら間違いないと思います、あの場所には何かがある。」
「この見ている景色が違うことも証明できるはず。」
バックアップを図る傍ら、施設の方にも直接連絡して解答待ちの状態だ。
いつ電話が鳴ってもおかしくない。
バックアップは望めない。
失敗は許されない。
そんな気がする。
あの場所に乗り込んだら二度と戻ってこれないような。
「お前ら、本当にいいのか?」
「何がです?」
「どうしたんですか?」
「バックアップは望めない、そして現在解答待ち中だ。」
「ええ。」
「はい。」
「解答次第だが、俺はどっちにしろあの場に乗り込む。本当についてくる気か?」
「そりゃあ、ついてくよ。」
「もちろんです。」
毎回こうなのだ。
ついてきてくれるという。
それはありがたいんだが。
不安だ。
こいつらに何かあったら。
時計を見る。
夜の8時に差し掛かっていて、窓から見える景色も暗い。
またこんなに話し込んでいたのか。
そろそろ帰らないと。
「今日は帰ろう。」
「そうだね。」
「そうですね。」
途中の交差点まで3人で歩く。
そこからは、帰る方向が違うので分かれる。
「また明日。」
「じゃあねー」
「またお願いします。」
1人になる。
すると、あんなに気にも留めなかった帰り道というものが途端に怖くなる。
何故だろう。
孤独を感じるからだろうか?
些細な物音にも敏感になる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
!?
着信。
そこには。
差出人 大宮大悟
宛先 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつでも来るといい。
真実を求めるならば。
ついにこっち側でも、施設との接触が見えてきました。次回はどうなるのか?お楽しみに!読んでいただきありがとうございました。




