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悪意は常に裏側に  作者: 真っ赤なゴミ箱
第1章 気づけなかった僕の過ち
14/85

悪意は常に裏側に

場所は屋上。

前はここで背中を押されて、地面に落下した。

ここで待っていれば何かが起こるはずだ。

それが、僕にとって不利益でも。

あの時に何が起こったのか。

真実が知りたい。



「出て来いよ!!見てるんだろ!!俺はここにいるぞ!」



「また俺はお前らに何かされる、それは分かっている。」



「だがな、これだけは覚えておけ、お前らの思い通りにはならない。」



「俺が知っていることを総合して考えると、この実験には決して崩れてはいけないプログラムがあるはずだ。」



「その予定に沿って実験は進行している、その均衡が崩れたら果たしてどうなるのか。」



「俺は屋上に来た、そして再びここから飛び降りる。」



「誰かに押されてなんかじゃない、自分の意志でここから飛び降りる。」



「俺を実験動物呼ばわりしたことを後悔するがいい、これでお前たちの実験は0に戻る。」



自分自身にできる精一杯の雄叫び。

一人称が僕から俺に変化していた。

これも自分の意志?


---------------------------------------------------------------------------------


中央管理施設。

モニターの向こうでは九重一樹が屋上で何やら叫んでいる。

それを化け物を見るかのような目で見ている研究者達。



「あらら、こいつどうしちゃったんですかね。今までとはまるで違う反応ですよ。主任がやりすぎたせいでついに壊れちゃったとか?」



「あの程度で壊れてもらっては困る。彼が絶望を感じ、地に這いつくばる。その最大のお楽しみがまだ残っているというのに。」



「お楽しみ?、、、、まさかもうあれを被検体の前に晒すんですか?」



大宮大悟はモニターに映っている一樹を一瞥する。



「お前に味方なんて一人もいない、それはこれをもって証明される。」



「一緒に来い、屋上に行くぞ。」



そういわれた人物。

先ほどから大宮大悟が喋っていた新人研究員の横。

そこで立った状態で一樹の実験データに目を通していた人物。

実験データを机に置くと、研究室の出口に向かった。

その間、視線はモニターの一樹の方だけを見ていた。


--------------------------------------------------------------------------------


屋上。

ひとしきり思いのたけを吐き出した一樹は屋上の中心に立っていた。

5分待つ。

何も起こらない。

10分待つ。

何も起こらない。

駄目だ。

今度は何か違ったのか。

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・・・!?


不意に屋上の扉が開かれる。

ああ、やっと来たか。

僕は振り返る。

!?



「なんでお前が!ここに来るのは生徒会長のはずだろ!それにお前、なんで生きている!」



そう言い放った一樹の目の前。

そこには、一樹の母親、雅子がいた。



「驚くのも無理はない、こいつは死んだはずだったんだからな。お前の認識下でも、我々の認識下でも。」



「だが、お前はまだ知らない。我々、中央管理施設の目的が何なのかを。」



「だから、お前に明かそうと思う。それは、、、」



無駄のない再利用だ。



音が消えた。

風の音も自分が呼吸していることすら忘れてしまうほどに。

再利用?

何に使う?



「軍事利用を目的としている、そのためにお前の力が必要だった。」



「実験という形でアプローチしていくことでお前の能力は進化していく。」



「お前の母親の肉体はそのアプローチに大変効果的だ。だから、再利用した。」



「こいつは人間ではない、新人研究員、いや新型研究員とでも呼ぼうか。」



その瞬間、元は母親だったものが口を開いた。



「悪意は常に裏側にある、表側の真実しか見てこなかったお前には分からない結末だっただろう。」



その言葉。

その口の動き。

その姿。

間違いない。

一回目に僕をこの屋上から突き落とした。

あの時とは性別が異なる。

これも僕の能力が都合のいいように変えてしまったせい?

もう無理だ。

なんで僕なんだ。

こんな能力、いらない。



「だから、我々が再利用する。お前は言われたことをただ忠実にプログラム通りやればいい。」



そういった新型研究員は手に隠し持っていた何かで僕の首を一閃した。

僕を構成する赤い液体が周囲に飛び散る。

新型研究員の手に光るもの。

ナイフ。



「たまにはこういう雑なアプローチもいいだろう。」



意識を失う直前によぎったもの。

それは、裏側に気づけなかった愚かな自分の姿だった。







いやーいいですよね。作品上でタイトル回収するっていうあれ。前回の通り、終盤にかけて一気に面白くなるっていうのもいいですけど、これも捨てがたい。作品を作るにあたって必ず入れたいことの一つです。楽しんでいただけたら幸いです。読んでいただきありがとうございました。

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