after_:World_Repeating/No.7_4__Burst
”欲”というのは、生物として性だろう。
食欲、性欲、睡眠欲、独占欲、支配欲、探求欲etc.....
挙げればキリがないほど、世界は”欲”で溢れている。
しかし逆を言えば、今の発展した世があるのは、生物が欲求を満たさんと奮起し、努力し、現在よりも画期的で、先進的な暮らしを得たいと足掻いた結果、成り立ったものであると思う。
その中でも、”人間”という生物が持ち合わせる欲求は、他の真髄を許さないほど多種多様であり、情熱的だ。
陸空海全てで生存を確立でき、ここ数世紀は滞っているものの、地球外での活動も視野に入れた研究が続けられている。
もはや人間に、”不可能”など無いのだ。……ただ1つの、形の無い、あるものを制御する、ということ以外は_____
「はぁ……つまんね〜の」
少年は、読んでいた紙切れをポイッと放り出し、朽ちた天井を見上げる。
「…帰るか」
横たわっていた古びた机から降り、少年は来た時とおなじ、部屋の右側にある扉を開ける。
「うわっ!?」
すると、開けた扉の前には、男が立っていた。
「だ…誰だ…! お前…!」
「…君の方こそ、私の研究所に勝手に入るとは。度胸のある子だ」
「研究所…? こんなボロボロの建物が?」
「ああ。とても楽しい研究をしているんだ。良かったら、君も見て行かないかい?」
「………」
男は厚手のコートを羽織り、深いフードを被っていて顔は見えない。唯一見える唇は白っぽく、全体的に生気を感じさせない不気味な男だった。
「知らない人にはついて行くなって、口うるさく言われてるんだ。…だから、断る」
「…そうか。残念だ」
「………」
じゃあな、と脇を通り抜けていく少年に、男は何か言うわけでもなく。
ぱたん。
背後で閉じられた扉の音に足を止め。
「なんだ…アイツ……」
振り向いた少年は、男が消えていった部屋の扉を見つめる。
「帰ろ…」
呟き踵を返す少年だったが、1歩、2歩、3歩__
「………」
ほんの少し、歩を進めたところで立ち止まる。
「…ついて行かなけりゃ、いいんだもんな」
再び進路を変更し、男が消えていった部屋の前に舞い戻る。
「………」
ほんの少し、覗くだけ。
少年は、扉のノブに手をかけ、そして____
「_______ッッッッッッッッ!!!!!!!」
瞬間。
扉を吹き飛ばし、部屋から躍り出た爆炎に吹き飛ばされ。
業火と衝撃、双方に打ちのめされた少年は宙を舞い。
「_____」
抵抗も、声すら出せぬまま。”運命”の炎に、呑み込まれて行った_____
coming soon…
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