苗木
どうして、こんなに弱いのだろう。
誰かに水を与えてもらわなければ枯れてしまう。
与えられ過ぎても枯れてしまう。
風に吹かれれば、ぽっきりと折れてしまう。
たくさんの添え木が支えてくれなければ生きていくことが出来ない。
まだ弱くて、力なくそこにあるだけの存在。
春の暖かな日差しを一身に浴びて
夏の刺すような日差しを一身に受け
秋の涼しい風を感じて
冬の凍てつく寒さに震えて
そうやって日々を繰り返していく。
いろんな環境の変化に押し潰されそうにないりながら
たくさん助けてもらいながら
一日一日を生きていく。
いつか大きな木となって
暖かな木漏れ日の中で
そっと包み込めるような
強くて逞しい存在になれることを夢見て
今日も生きていく。