第7話 ようこそ! ヴェルリア王国へ!
街へ向かうべく歩いている二人と一匹…ではなく三人である。
なぜ歩いているのかというと、商人のくせに魔物に馬車を壊されたオークのせいだ。
「そういや、オークさんは商人なんですよね? 何の商売をしてるんですか?」
さりげなくオークさんと呼びながら聞く悠真。
「ん? 俺は奴隷商人だ! 今日は商品(奴隷)を持ってきていないから馬車だけの損失で済んだよ…後さりげなくオークと呼ぶな!」
あ、バレてた。
それより奴隷とはいえ人を商品か…あまりいい気はしないな…
もしかしたら俺だって奴隷に落ちる可能性だってあるわけだし…そもそもカレンがいなければミニガルムに喰われてたかもしれないしな…
なんて考えていると、
「悪い、気を悪くしちまったか?」
「あーいや、なんていうか俺も奴隷に落ちたりする可能性もあるのかなとか考えててさ…」
「そういうことか…まぁ、そうだな…この辺だと盗賊に攫われることもあるだろうな。 男はそのまま奴隷落ち…それも鉱山送りで死ぬまで働くことになるだろうな…女だと襲われた後、基本的に性奴隷落ちだろうな…
でも、お前さん達の強さなら大丈夫だと思うぞ? お嬢ちゃんの強さならそもそも今からいく国の国王と同じくらい強そうだからな」
ふむ、盗賊を見つけたら気を付けないとな…
カレンにそんな目にあって欲しくないから…
「って国王? 王様なのにそんなに強いの?」
「強いなんてもんじゃないぜ! ついこないだ起こった戦争を一人で終わらせたんだぜ? これを強いってだけでできると思うか?」
「マジか! そんなに強いのか!」
そもそもカレンの竜魔法を見た後に同程度ど言えるって事は本当に同じくらい強いのだろう。
今から行く国の王様はすごいな。
「っと、見えてきたな! あそこがその王様がいる国、ヴェルリア王国だ!」
「おぉ! でかいな!」
森を出た先には巨大な門があり、門を前に二人の警備員? 兵隊? みたいな人が立っている。
「そういや、お前さん達は身分証は持ってるか? 持ってないと入れないぞ?」
「え? そうなの? 持ってないけどどうしたらいいのかな?」
異世界から飛ばされた悠真と、その悠真に作られたカレンが持っているはずもなく、どうすればいいのか聞くと、
「それなら門番に言えば発行してもらえるぞ!」
「そっか! わかった!」
………
……
…
俺たちは国に入るために門の前に並んでいる列に並び、俺たちの番がきた。
「そこの三人! 身分証を見せてくれ!」
と、門番が声をかけてくる。
ほい! と、ドルイは身分証を見せる。
俺は、
「すいません。俺とこの娘は身分証を持っていないので発行してもらってもいいですか?」
と頼むと、
「わかった! すまないが犯罪歴が無いか調べるからこっちにきてくれ!」
「わかりました!」
門番について行くと、詰所みたいな所へ向かい入ると、
「悪いが、さっきも言ったように犯罪歴を調べるからそこにある水晶に手を前に出して《ステータス》と言ってくれるか?」
ステータスを見るって事なのかな?
やばいな…俺は異世界から来てるし、カレンはそもそも種族が違うからな…どうしようか…
と迷っていると、
「あーステータスを見られるかとか気にしてるなら大丈夫だぞ? 犯罪歴を調べるだけだから能力は見えないぞ」
おっと、俺の考えていた事がわかったみたいだ。
「そうなんですね、助かります」
悠真は水晶の前に手のひらを差し出し、
《ステータス》
と、唱える。
「よし、犯罪歴は無し…と、次はそっちの嬢ちゃんだな」
「わかったわ」
カレンはそう言い同じように水晶の前に手のひらを差し出しステータスと唱えた。
「よし、嬢ちゃんも大丈夫だな! 発行と入国料合わせて1500エン、二人だから3000エンだ」
あ、どうしよう…お金なんてないや…
なんて考えているとドルイが、
「3000エンだな、これでいいか?」
「ちょうどだな、ようこそ! ヴェルリア王国へ」
こうして無事に入国できたのだった。
今回、カレンちゃんが空気だったな笑
ふぅ、さすがに眠いですね…
おやすみなさい。
明日は多分投稿できないです。