第1話 異世界へ
俺は今、絶賛ピンチだ! 絶賛全力疾走中だ!
なぜなら…
体長2mちょっとの狼に襲われているからだ…
なぜこうなったかというと…ていうより、色々ありすぎて困っているのだが…
まぁ、少し遡るとする…
………
……
…
俺はトラックを目の前に「あ、終わったな」なんてことを思いながらいずれ来るであろう衝撃を待っていたのだが…
ドサッ!
「痛っ! な、なんだぁ?」
悠真は、真弥を突き飛ばした際に走っていた為そのまま頭からダイブしてしまう。
「あれ? なんで俺頭からダイブしてんの? トラックは? …って真弥は!? 無事か?」
悠真はパニックになりつつも、来るはずだった衝撃の無さと真弥の無事かどうかの確認をするが…
そもそも地面の感触と周りの景色に違和感を覚えていた…
「てか、ここ…どこ…?」
と、呟きながら周りを見回すと…
そこには…ただひたすらに平原が広がっていた…
「あぁ、こんな展開聞いたことあるぞ…友達に勧められて観ていた小説がこんなだったような…たしか、異世界転移って言うんだったかな…?」
悠真は呆然となりながらいつもの言葉を口にする。
「はぁ、普通が一番だな…」
………
……
…
「はぁ、信じたくないがこれは異世界転移ってことでいいのだろうか?」
悠真は少しずつ落ち着いてきたので整理をしてみる。
「ここが本当に異世界なら、俺の読んだ小説にはまずステータスとか言ったり念じたりして自分の能力を確認するんだっけかな? まぁ、やってみるか…ステータス!」
シーンという効果音が聞こえてきそうな程に辺りは静かで何も起こらなかった。
(うわっ! 恥ずっ! やってみたはいいものの違うとか恥ずっ!)
恥ずかしさに顔を赤くしながらも、次は念じてみる。
《ステータス》
どうやら次は成功したようで、悠真は能力を確認してみる。
(さて、どんな能力なのやら)
名前 神夜 悠真
性別 男
種族 人族
LV 1
HP 100
MP 150
攻撃 10
防御 10
敏捷 10
魔攻 10
魔防 10
ユニークスキル
⚪︎完全鑑定 LV EX
⚪︎異世界言語 LV EX
⚪︎生物創造 LV 1
・???
・???
・???
・???
・???
称号
・転移者
「うん! 俺のステータスすっごく適当だなっ! なんだよオール10って! しかも低っ!」
自分のステータスを見て思いっきりツッコむのであった。
「ま、まぁステータスはいいとしてスキルはっと…異世界言語に完全鑑定か、とりあえず詳しく見てみるか」
⚪︎異世界言語 LV EX
異世界での全ての言語を理解でき発音することができる。
(これはそのまんま異世界の言語が理解できて発音できるようになるスキルか)
⚪︎完全鑑定 LV EX
対象の情報を読み取る。
制限がなく基本的になんでも読み取れる。
(これも読んだ小説通りのスキルだな)
「あとはこの《生物創造》っていうスキルだよなぁ…どう考えても一人の人間が持ってていいスキルじゃないよね?」
と、呟きながらスキルを確認してみると…
⚪︎生物創造
自分のイメージした生物を創造することができる。
「これだけしか書いてないけどどゆこと?」
ガルルル
「なんかこのスキルって神様とかが使ってそうなスキルじゃないかな?」
ガルルルルル
「でも、神様でも生き物を創造することはできないとか小説でも書いてあったような…」
ガルルルルルルル
「あぁ、もう! うるさいなー! 今考えてるんだから静かにしてて…よ…うぇっ?」
少しイラつきながらも声? のする方へ顔を向けるとそこには…体長2mくらいの狼が今にも悠真を食べようとヨダレを垂らしながら口を開けているところであった…
狼戦は次回になります。